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2スカウト
白城「あの、飛鳥さん…?」
飛鳥「なに?」
僕が飛鳥さんと呼ぶと軽く返事をしてくれた。僕は飛鳥さんに質問をした。
白城「あの、なんで僕の苗字…」
飛鳥「あぁ…見た方が早いか 」
飛鳥さんがそう答え、飛鳥さんはスマホを取り出しだ。飛鳥さんは何らかのアプリをポンと押した。押した途端僕達の目の前に大きな画面が現れた。テクノロジー…かな?その大きな画面に映っていたのは色んな人の顔と名前が映っていた。
白城「これは…?」
飛鳥「これは日本中の人々の顔と名前」
白城「それは分かるんですけど…」
飛鳥「んー…」
飛鳥さんは大きな画面をスライドさせながら話を続けた。
飛鳥「色んな人の顔や名前、特徴も書いてあるでしょ?…全部分かるんだよ。だから君のことも直ぐにわかったんだ」
白城「…それって大丈夫なんですか?」
飛鳥「うん、国に認めて貰えてるからね」
白城「そうですか…。あの、僕…黒い女性に…」
僕がそう言いかけた時、飛鳥さんは1つ大きな扉の前に立ち止まった。飛鳥さんは扉の隣にある指紋認証を確認し、中へ入っていった。
飛鳥「中に入って治療しようか。」
そう言われ僕は治療室らしき部屋に入って行った。
◇
飛鳥「氷室くん、あと任せれる?」
氷室「大丈夫です」
飛鳥さんはなにか用事があるのか、「氷室くんの指示にしたがってね」と一言だけを言いここの部屋から去っていった。僕と氷室くん、2人だけになってしまった。
白城「氷室くんは僕と同じ学校通ってるよね?」
氷室「はい。」
氷室くんは色々と不思議だらけで表情が全く取れなかった。何考えてるか分からないし。…さっきの画面には沢山の人々の顔と名前が載せられていた。国からも認められていて公式。…ここは何をする所なのだろうか?
白城「氷室くん、ここは何する所?」
氷室「…白城さん、黒い女性に首を絞められていたでしょう?」
白城「え…うん」
氷室「それを討伐するんですけど、ここは中心にある本部です」
白城「…会社みたいな場所?」
氷室「まぁ、そうなります」
黒い女性を討伐…と言うことはあの凶暴なモノが沢山いるということなのだろうか…?氷室くんは僕の首を見ながら話を続けた。
氷室「人々の嫌悪感が集まった怪物を『穢れ』と言って、俺達は主にそれを倒します。ですが稀に人間自体が穢れになることがあります」
白城「どうして?」
氷室「…悩み、ストレス、嫌悪など、様々ですがそう言ったものを溜め込み過ぎると穢れになることがあるんです。あの黒い女性も人間の方ですね」
白城「えじゃあ…殺したってこと?」
氷室「…あれは手遅れでしたので。普通、人間の方の穢れは手遅れになる前に捕まえ、本部に引渡します。そこで治療をし、本来に戻る形なのですが…」
氷室くんはそこで言葉を切った。多分だけどあの黒い女性は首絞め犯人で、人を殺しちゃったから手遅れになっちゃったのかな。と僕は思った。
◇
氷室「首の治療が終わりました。もう大丈夫です」
白城「…治療しなかったらどうなってたの?」
氷室「死んでます」
白城「え”っ!」
氷室「基本、穢れに怪我をさせられ、そのまま放置すると段々身体の感覚が無くなり、そのまま死にます」
白城「恐ろしい…。氷室くんはどうやってこの機関に入ったの?」
氷室「スカウトです」
僕はちょっと気になった。この機関が国に認められているのなら国民皆知っているのかな。と。
白城「国民の皆もこのこと知ってるの?」
氷室「いえ、知りませんよ。上層部だけです。そして、人々には基本話してはいけないので」
白城「え、じゃあどうして僕には…」
氷室「飛鳥さんが貴方にスカウトしろと」
白城「…え?」
確かに氷室くんもスカウトされて入ったと言ってたけど…真逆、僕までくるとは思わなかった。日本中の人々の特徴を知れるのならもっと良い人材が居るのでは…。と思ったから。
氷室「飛鳥さんが「入らないと消しちゃうよ」と言ってました」
白城(怖すぎる……!!)
飛鳥さんなんか怖そうな雰囲気あったし…ガチで消されそう…!!
白城「は、入ります…。」
僕は顔色を悪くしながら氷室くんにそう答えたのだった。
_終わり_