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**♬”ずっと隣にいたいのに”**
**♬”言葉にできない想いばかり”**
**♬”すれ違うたびに、不安になるけど”**
**♬”この手を離さないでいて”**
「絢音、ちょっと話がある」
放課後、蓮に呼び出された。
最近、私がネガティブになってしまって、蓮の態度が冷たく感じていたこともあって、正直不安だった。
(もしかして…別れ話?)
心臓が痛くなるほどドキドキしながら、人気のない校舎裏に向かう。
蓮は、窓から外を見つめていた。
「な、なに?」
私の声は、少し震えていた。
すると、蓮はため息をついて、ゆっくりこっちを向いた。
「お前さ、最近俺のこと避けてるだろ?」
「え…?」
思わず、目を丸くする。
「避けてるのは…蓮のほうじゃないの?」
「は? なんで俺が避けなきゃいけないんだよ」
「だって…最近、全然連絡くれないし、一緒に帰ろうって言っても先に帰るし…」
「それは、お前が俺のこと、あの女と比べてたからだろ」
「え?」
蓮の言葉に、頭が追いつかない。
「あの時、俺が話してた女、ただの委員会の後輩だぞ。お前、すげー睨んでたし、めっちゃ機嫌悪かったし」
「ち、違…っ」
(…いや、違くない)
確かに、私は嫉妬していた。
でも、それを認めるのはなんだか悔しくて、ただ口ごもるしかなかった。
「お前が嫉妬してるのはバレバレだったんだけどさ」
「……」
「でも、俺も…お前が他の男と楽しそうに話してるの見ると、なんかムカつくんだよ」
「え?」
蓮が、私のことを…?
「だから、避けてた。正直、絢音と喧嘩したくなかったし、なんか気まずくなるのも嫌だったし」
(まさか、蓮も同じ気持ちだったなんて)
私は、ずっと自分の不安ばかり考えていた。
蓮が私を好きじゃなくなったんじゃないか、とか、他に好きな人ができたんじゃないか、とか…。
でも、本当は蓮も私と同じ気持ちだったんだ。
「……ごめん」
気づいたら、涙がポロポロとこぼれていた。
「私…自分のことばっか考えてた。蓮も、不安だったんだね」
「……まぁな」
蓮は照れくさそうに頬をかきながら、小さくため息をついた。
「それに、お前が俺のことそんなに好きって知らなかったし」
「は、はぁ!? なにそれ!」
「だってさ、”蓮は?”って聞かれた時、答えようとしたらお前の顔がめちゃくちゃ不安そうだったんだもん」
「……」
「だから、今言うわ」
蓮は、私の方に一歩近づいて、真剣な目で私を見つめた。
「俺も、お前が好きだよ」
「えっ…」
頭が真っ白になった。
「え、まじ? 」
無意識に口をついて出た言葉に、蓮が吹き出した。
「お前さぁ…そういうとこだぞ?」
「だ、だって、そんな真剣な顔でいきなり言われたら…!」
「今のが俺の本音だから」
蓮は少し照れくさそうに笑うと、そっと私の手を握った。
その手は、すごく温かかった。
「もう不安になんなよ」
「う、うん…」
翌日、学校で友達に話しかけられた。
「ねえねえ、最近蓮くんと超仲良しじゃない?」
「え、そ、そう?」
「だって、教室で普通に手繋いでたし!」
「えええ!? そ、そんな目立つことしてたっけ…」
「でもいいな~! めっちゃお似合いだし、羨ましい!」
私は少し恥ずかしくなって、蓮の方を見ると、彼も少し照れていた。
「……まぁ、俺たち付き合ってるしな」
「な、なんか恥ずかしい…な😳😳」
でも、心の中は、あの時の不安なんてどこにもなくて、ただただ幸せでいっぱいだった。
**♬”スルーして、スルーされて、すれ違っても”**
**♬”君のことが好きだから”**
**♬”ぎゅっとして、抱きしめて”**
**♬”どこにも行かないでね”**
こうして、私たちの恋はまた一歩前に進んだ。
不安になることもあるし、すれ違うこともあるかもしれない。
でも、それでも私は、蓮と一緒にいたい。
だって、蓮のことが——
**大好きだから。**
(END)