コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
最初は監視するためだった_。
中原中也こと、俺の心は部屋で構成されている。と云っても、本当に部屋で構成されている訳では無い。
優先順位をつける為に、俺には必要な事だった。俺の周辺に部屋があり、すぐに助けたい奴等を近くに置くことで、優先順位が俺の中で確立されるのだ。
旗会やアダム、首領や姐さんは勿論のこと。…白瀬も。
だが、俺が部屋を与えていないにも関わらず、勝手に俺の周りにいる奴がいる。
『太宰治』だ。
だが俺は追い払わず、部屋を用意しておくことにした。勿論、ボロ臭い部屋だ。
何で太宰を嫌いな俺が部屋を用意するかって?それは、監視をするためだった。
監視と言っても悪戯や自殺、俺にとってどういう存在か見極めるための監視だった。
監視して分かったことをここに残す。
太宰はクソだ。それ以上でも以下でもない。否、以下ではあるかもな。
だが同時に、汚辱を使う時に絶対に必要になる人物になった。
俺の本当の力を出すには御前がいないとダメだった。
それはあっちも同じだと思っていた。
だが違った。
彼奴は勝手に住み着き、勝手に出ていってしまった。
俺は素直に喜べなかった。
嫌いな奴が消えたなら、以前の俺なら心底喜んだだろう。だが、近くに置いたせいか、今の俺には必要不可欠になってしまった。
彼奴が居た場所だけ、ポッカリ穴が空いているみたいだ。
どんなに嫌いでも、ボロ臭い部屋でも、1番近くに置いていたんだ。