「ははは!やっと会えたね、元男の一番合戦式部大輔華恋ちゃん?」
いやはや、お目通するなどできんもんだと思ってたけど、人生どう転ぶかわからないもんだなぁ。
実際に会ったらわかるこの圧倒的なオーラ。
まじで格が違う様で身震いが止まりませんなぁ〜。
本当にこの人まじで何で俺を呼んだんだよ!
怖ぇから早いとこ学園に帰してくだしぁ。
ストレスで胃に穴が開きそうだよぉ!
本当に本当の本当で怖いんで、この王室から帰してもらってもいいですか?(目パチパチ)
いやはや、まじでどうしてこうなったんだと自分に問い掛けたくなる。
これが映画やドラマなら夢があるのはわかる。しかしながらね、現実に起きてることなんですよこれ。
そんなことが起きえたらビビるもビビるでしょ。びびる○木だよ、今の俺。
「この僕と会ってそんなに無反応な人間は君だけかもしれないねぇ。まさかただただ君を罰するためにここに呼んだ……とは思っていないだろう?何故今日ここに呼んだのか、その理由を話してあげよう!」
あ、ありがとうございます。
早めに聞かせてさっさと帰れれば何も問題はありませんですはい。
あれ、でも何で俺しゃべってもないのに考えていることがわかるんだ?
…………もしかして、天皇猊下も異能持ちだったり…………するのか?もしかしてもしかしなくても持っていたりするのか?
だとしたらどんな異能なんだろうか。
今から不安で夜しか眠れねぇよ…………!
「ここに呼んだ理由はね、君が面白い存在だからだよ!数百年生きてきた中で君みたいな面白い存在が出てくるのは稀であり、稀有な存在として僕は注目に注目を重ねているんだ!そんな君に選別を上げるためにここに呼んだってわけさぁ!」
選別、選別ぅ!?
天皇猊下自らが俺に対して何かを下さる……ってことぉ!?
ありがたい話、何かをいただけるのではなく、罰せられると思ってたけど、人生どう転ぶかわかんないもんだわまじで!
いただけるものであるのならば、何でも欲しいです!くださいください!
「君には新たに官位をあげようと思う…………受け取ってくれるかなぁ?」
官位です…………か?
え、新しい官位を下さる…………と。
やべぇ、余計な厄介ごと抱え込むやつだこれぇ!?
まずい、はいかいいえで答えていいえなど答えようものなら…………考えただけでゾッとする。コレはオワタ\(^o^)/
はははははははははははは、はい。ありがたく頂戴させていただきますぅ…………!
何の官位になるかわからないけど、さらに上の役職になるなんて前代未聞じゃない?
資料とかに目を通してわかったんだけど、人生で死んだら上の役職を得るみたいなことは聞いたことあるけど、死んですらいないのにこの待遇は何故なのさぁ!?
「そうだねぇ、新しい官位として…………従四位下の|中務大輔《なかつかさたいふ》、一番合戦中務大輔華恋と名乗ることを天皇として許します!コレは決定事項で変えることはありません!じゃ、帰っていいよ〜!君の罪はこちらで勝手に揉み消しとくから、安心して学園生活を送ってよね!じゃ、また合間見えることを夢見てるよ〜!」
そして学園に帰される俺氏、いまだに実感が湧かなくて何が起きているのかわからないが、中務大輔を拝命されました。
何を言っているのかわからないと思うけど、俺にも何が起きているのか分かりません。誰か何とかしてください(泣)
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「彼女はどこまで来ると思う?絢爛クン」
天皇猊下は口を開く。そうすると場の雰囲気が締まって誰もが閉口してしまう。
恐れ多くも口を開く、左大臣たる絢爛は|思惑《しわく》顔で自分の意見を口にする。
「恐れ多くも意見させていただきますれば……もしかしたら、我らの袂まで来るやも知れませぬ。本当に無罪放免でよろしかったのですか?」
「うん、問題ないよ〜。だって彼女は誰も殺していないわけなのだし、普通に陳情だしねぇ。あんまり無視するのもいけないから、謁見させたわけだし、これが一番丸い解決方法だったんじゃないかなぁ?」
そう言うと、天皇猊下はテクテクと王室を歩いて窓から一番合戦中務大輔華恋を見据える。
その表情からは新しいおもちゃを見つけたと言わんばかりの瞳で、美しい大切な宝石を傷つけない様に愛でる様な、そんな感じのことが読み取れた。
天皇猊下の考えていることであるのならば、それが一番正しかろうと思っている絢爛は、その場で口を閉ざし、天皇猊下を守ることに徹することにした。
そう、天皇猊下しか知らない勘違いが起こったままの状態は維持し続け、そして学園にどんな旋風を巻き起こすのか見ものだった天皇猊下は、次はどんなことをやらかしてくれるのか、と期待に胸を昂らせながら、日本酒をまた傾けるのだった。
とんでもない勘違いは既に起きていて、学園に帰ったらとんでもないことになるだろうと、踏んでいた。
学園は新たな旋風が巻き上がるまで、少しの時間もかかることがなく、既に始まっているのだ。
その事実を自分しか知らないと思うだけで胸が高鳴るのを感じながら、そんな思いは久しぶりだと口を三日月にして夜は更けていく。
本当に面白い存在だよ、彼女は…………!
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今怖気がしたんだが気のせいか?
まぁ、気のせいなら気のせいのまま放っておくことにしよう。
さて、帰り道についたわけだが、別にこんな夜道が不安になったわけじゃない。
しかし、一度刺されて死にかけているからなぁ。用心に越したことはない。
まぁ、普通に寮に戻れるわけですが、それでも何か起きないかな?ってな風になるわけですよ。
……………………本当に何も起きないまま帰ってきちゃった。
これって異能系な感じ的にどうなのよ?
どうでもいいんだけどさ、ここでなんか胸熱ぅ!的な展開ないわけ?ここの異能が蔓延る学園だよっ!
一大イベントとかさぁ!起きないのぉ!?はい、簡単に一大イベントなんか起きるわけありません。本当にありがとうございました。
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