-lt side
前方の扉の横に表示された赤い文字。
みんな、様々な反応を返している。
麗扠「…」
胡霸「愚者、ねえ…」
胡霸「魂檀芽々、お前のことなんじゃない?」
善「敵対視しすぎですよ」
胡霸「だったらお前か?」
善「ひ、酷いです!」
善さんをからかっている胡霸さん。反応が面白いんだろう。
麗扠「早く行かない?終わらせたい」
芽々「はい、賛成です」
椎名「俺も俺もー!」
麗扠「じゃあ芽々さん、開けて」
私が言うと、あなたも胡霸さんタイプですか…と言葉をこぼす彼女。
流石に先頭にはつきたくない。
芽々さんは、はあ、と軽くため息をつくと、扉に手をかけ開けた。
再び一面が真っ黒の部屋が広がっており、その奥の壁に一つの扉が配置されている。
中に入ると、どこからともなくスマイリーの音声が流れた。
スマ『問1』
スマ『今からあなたたちには手を繋いで頂きます』
スマ『それでは仲良くどうぞ』
麗扠「…は??」
胡霸「手を繋ぐだって…?」
意味がわからない。
芽々「…質問の意図がわかりませんね」
椎名「別にこれぐらい良くないっすか?簡単でしょ」
胡霸「…」
顔をしかめている胡霸さん。きっと一生反抗期なんだろう。
麗扠「胡霸さんが嫌ならいいんだけど、どうなるか分かったもんじゃないよね」
善「首切りとか…」
椎名「毒とか…?」
麗扠「爆発とか」
胡霸「…繋ぐ」
あまりにも単純だ。
時計回りに、芽々さん、私、善さん、胡霸さん、椎名さんで手を繋ぐ。
スマ『偉いですね』
スマ『笑顔になる第一歩で私も嬉しいです』
半ば脅迫のような形で笑顔になる訳がないだろ。
スマ『それでは、ライフリングプログラム起動』
その瞬間、体に言葉にし難い気持ちの悪さを感じる。
自分の体が自分のものではないような、
体全体が心臓になってしまったかのようだ。
私以外も顔を顰めている。きっと感覚は共有されているのだろう。
スマ『ライフリングプログラム起動確認』
スマ『はい、もう手を離していただいて構いません』
そして、スマイリーは言葉を続ける。
衝撃的な一言を。
スマ『お利口さんなあなたたちの命をたった今、一つに繋がせて頂きました』
………は?
スマ『これで一心同体、運命共同体になりました』
スマ『おめでとうございます』
スマ『誰かが死んだ場合、皆さんも仲良く死ぬので頑張りましょう』
……。
善「…え?」
胡霸「何言ってんだこいつは…」
芽々「あるんですかねえ、現実に」
芽々「道連れで全員死ぬっていうのは」
麗扠「…随分他人事だね」
こんな時でも笑顔を崩さない芽々さん。その笑顔は一体どこからきているんだろう。
椎名「一回誰か死んでみます?」
善「や、やめてくださいよ…」
嬉々としながらそう言う椎名さん。頭のネジが数本外れているんだと思う。
でも、結局やることは変わらない。
麗扠「これが本当でも嘘でも、早く終わらせて出よう」
それを目標に。
*
スマ『それでは、熊白さん、野紅さん、奥の部屋の中へどうぞ』
スマイリーの声が響く。
善「なんで僕たちなんでしょう…」
胡霸「さあね、早く行くぞ」
スマ『荼代さん、魂檀さんはここで待機していてください』
麗扠「…」
一体何が始まるんだろう。
…すごく、嫌な予感がする。
スマ『今から皆さんには、協力をして進めて頂きます』
スマ『このあと部屋は別れますが、モニターで互いの様子は確認できるようにしますのでご安心を』
スマ『では、続きの説明を行います』
*
-up side
その部屋に入ると、スタンドマイクを設置している台があり、
奥には黒、茶、青の箱が並べられている。
すると、スマイリーの音声が流れた。
スマ『あの三つの箱の中に情報があります』
スマ『ですが、得て頂く情報として正しいものがある箱は一つだけです』
スマ『それが何色の箱なのかは、直接野紅さんへ伝えさせて頂きます』
スマ『野紅さんは何色の箱なのかを熊白さんに伝え、熊白さんはその箱を開けてください』
スマ『このとき、一つの箱だけしか開けてはいけません』
スマ『熊白さんは書かれている情報をマイクに向かって話せば、隣の部屋にいる荼代さんへ伝わります』
スマ『ね、簡単でしょう?』
スマ『あなたたち、世界の不適合者様でもできるものですね』
胡霸「…」
スマ『それでは、盤面を整えます』
スマイリーがそう言うのと同時に、モニターに互いの映像が映る。
善「………え?」
突然に、熊白がモニターを見つめてそんな言葉を発した。
条件反射で見上げると、そこには。
胡霸「…は」
首を吊り上げられた東雲椎名がいた。
モニターに目を奪われているのも束の間、
パツン、という短い音と共に、視界が真っ黒に染められる。
…視力を奪われた。
理解するのにそう時間はかからなかった。
スマ『では、頑張りましょう』
スマ『早くしないと、東雲さんの呼吸が止まり』
スマ『あなたたち全員道連れになりますよ?』
コメント
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ぁぁ…推しがぁぁぁ… 気になります…
れいまりさんぶっ飛びすぎてて好きです というか一蓮托生ですか、1人死んだら終わりとはこれまたハードな 誰か死んでみるって言ってたれいまりさんが首吊られてるの笑いました