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なんやかんや話し合い、何故か俺はここに住むことになった。
ラーベルさんに出されたお茶とか茶菓子を少し頂きながら、俺はその美味に思わず感心する。
……いやちょっと待て。展開早過ぎないか?小学生が作った夢小説くらい展開が早いのだが。なんで俺ここに住むことになったの?てかなんで俺ちゃっかりお茶飲んでんだよ??
そんな俺の心境を察したのか、相変わらずゴーグルを着けたままだが、ゴーグルの下からクスクスと笑いながらラカバが慰めるようにポン、と俺の肩を軽く叩いて話しかけてくる。
ラカバ: だいじょーぶ大丈夫〜!ちゃんと必要な物とかは用意しますんで。
いやそう言う問題じゃねーよ。見知らぬ怪しい館に躊躇なく「やったー家賃無料だー!」って言いながら泊まれる人居ないと思うよ??…まぁ、でも家は書類に囲まれて暮らしてるからまともに生活できないし、ちょっとだけ泊まらせてもらうか…。
____まだパノは知らなかった、この館からは逃げられない。そして…このラカバとラーベルという人物たちと思っているより幸せに、普通に暮らすことを。
_朝、俺の部屋のドアがノックされた。優しく、丁寧に3回。
パノ: …ん〜…、
まだ起きたばっかりだった俺は、寝ぼけ眼でドアノブを掴んでドアを開ける。
そこには、相変わらず朝っぱらからいつものゴーグルを着けたラカバが立っていた。
ラカバ: 主様〜。よく眠れました?いやぁ、ホントはオレが添い寝する予定だったんですけどね。ラーベルがダメだって〜。
わざとらしくゴーグルの上から目元を少し擦る動作が少し腹立たしい。ゴーグル着けてんだから涙流れてても拭けないでしょ、と思いながらラカバの言葉に答える。
パノ: …あ、うん。よく眠れました。
思わずぎこちなく敬語で答えてしまった、と心の中で少し焦った。しかしラカバは気にしていない様子で、 逆に茶目っ気が含まれた声で答える。
ラカバ: あ〜そうです?よかったよかった〜。今日は主様のご光来記念に買い物行きません?ラーベルが何故か張り切っちゃって〜…
そうゴーグルの下で微かに苦笑しながら問いかける彼を見つめたあと、俺はこくりと頷いた。