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す ご ! !
『愛してる』
そう伝えたのは僕の方からだった
きっと、この恋は叶わない
それでも、伝えるだけ、伝えるんだ
ー この恋を、終わりにしよう ー
〜入学式〜
「ひ〜っ…春なのに暑いね〜笑」
右も左も分からない入学式、そう一言ぼくに声をかけてくれた
名前は…”七瀬 桜”
名前から春生まれなのかなと想像してしまった
「君、名前は?」
ちょっと無邪気で少年っぽさがある
「ぼくは、…蒼羽 睦」
「むーちゃん!よろしくっ♡」
初手からあだ名…
桜のコミュ力の高さに驚いた
「むーちゃん、一緒に学校探索しない?」
「僕でいいの…?」
「うんっ!むーちゃんがいい!!!」
どうしてぼくなんだろう
こんな、ぼくじゃなくても、他にいっぱいいるだろうに…
それに…ぼくは”普通”じゃないから…
仲良くするなら、いつかはバレて、いつかは言わなければいけない
関係が、崩れるかもしれない、それでも…
この関係が終わるその時まで……
「むーちゃん?」
「え、あ、ごめん」
「ぼーっとしてた?」
「う、うん笑」
「まぁ、いこっ!!!」
〜探索中〜
「広いね〜」
ぼくは話すのが苦手だから桜が話題を振ってくれるのはとても助かる
「そうだね…色んな教室がいっぱい…」
「移動教室とか沢山あるんだろーなぁ〜」
目を輝かせる桜につい、見惚れてしまった
気付かないふりをしていたけど
ぼくは、きっと『君』に一目惚れしたんだ
「むーちゃん!」
「ふぇ!?」
「やばいよ〜そろそろ帰らないと〜!」
「え、もうそんな時間!?」
「うん!帰ろっか!」
そうして、1日が終わる…
〜睦の部屋〜
ぼくは帰っても探索の時の記憶が抜けない
桜の笑顔が1枚1枚頭の中を回っている
「はぁ〜…」
ドキドキが止まらない
きっとこれが恋なのだろう
こんなぼくが恋愛をしてもいいのか
“普通じゃないぼくが”
そう思いながら眠りについた…