コメント
1件
俺は 今 幸せです 。
「お前は、絶対にッ ”幸せ”になれよっ !」
彼奴との最後はこの一言だった
もっと話していたかった
大好き … いや愛していた彼奴と。
「ッ 、 ろぼろ… 。」
弱い声で彼奴の名前を呼んでも返事は来ない 。
前は元気に、
「シャオロン!!」
って、 呼んでくれてたンになぁ、
今 、こんなに落ち込んでいてもなにも進まない 。そんなことは分かっている。
それでも俺の体は動かない。
ここ数日、飯もろくに食ってなくてそろそろ気が飛びそうだ。
そんな時―
ガチャ
「邪魔すんで〜」
と大先生が部屋に入ってくる。入っていいなんて言ってないねンけどな、
「ッ?! しゃおちゃん!!」 ガタッ
「ッ なんやねン、 頭に響くからあんまりでっかい声出さンといて」 引
「ッ、おう、、 でも、さ?しゃおちゃんずっと食堂来ないやン、
飯も 食ってるわけないし、流石に持ってきてン、」 コトッ
「… 、、ン 」
「 、? 」
「要らン…。」
「で、でも ッ!」
「だから、 要らンって 」 微笑
「…、そか 水分だけでも取れよ 。 じゃ 」 パタンッ
そう言って扉を閉じた
ごめんなぁ、大先生、、
もうあれから何時間経っただろう
部屋が静まり返っている。
いつもなら隣に彼奴が居た。
そのうちひょっこり帰ってきそうだ。
けれどもそんなことは有り得ない
これならいっその事俺も…
そう思い立った時にはもう俺はふらついた足取りで医務室へ向かっていた。
誰かとすれ違っても、声を掛けられても
真っ直ぐに医務室へ
コンコンッ
【はーい どうぞ〜】
中から声がする いつものあの声
ガチャ
「はいはい 何処怪我した…の 。」
一瞬だけ しんぺい神の動きが止まった
「ッシャオロン !!」 ガバッ
「、? なに ?」
「こんなに細くなるまで…、何日食べなかったの、?」
「何日やろな、3日、?5日、、かれこれ1週間は食べてないかも、、?」
「うそ、、」 カチャガチャッ
しんぺい神が手に持っていた器具を落とした。 金属音が頭に響く
「ちょっとそこ座ってて!!」
「うぉ ッ」
急に強制的に座らされたもので椅子から転げ落ちそうになった
「…よし、、 シャオロンちょっと腕出して。」
と言われるがまま腕を出すと点滴を打たれた。
「1週間以上も飲まず食わずなんて、、いつ気を失うかわかんなかったんだからね?」
と俺の体をペタペタと触りながら言う。
いつもならその手を振り払っていた、、。でも今はその暖かい手に触れてもらっていたかった。
「…」 スリッ
「 …! 」 撫
数分後
「ん、落ち着いたかな。」
「コクッ」
「それで、なんで医務室来たの?」
「そ、れは、、。」
「、、、貰いたくて」
「、?」
「苦しまないで死ねる、薬、、貰いたくて来てン、、」
「なんで、って言ってもなんとなく来た理由分かってたからな〜」
「ッ、そか、」 微笑
「で、くれるン ?」
「、、それは どうだろうね ?」 笑
「この、クソ神め、、」
「はは、なんとでも言ってくださ〜い」
、、やられた。 そりゃあクソ神が渡すわけが無い。
こんな時は誰に頼ろう。
しょっぴ、、とか薬持ってないかな、、?
そんなとこを考えながら歩いていると気づけば彼奴…ロボロの部屋の前で立ち止まっていた。
あの時は辛くて
信じたくなんてなくて
部屋に入らなかったけど、
今なら…行ける そう思った
ガチャ
入れば彼奴の太陽のような匂いが広がっていた。
嗚呼、俺の好きな匂いだ
そう思いながら俺はロボロのいつも座っていた椅子に座った。
懐かしい。
ふと、引き出しに手を伸ばすと簡単に開いてしまった。
その中には俺宛の手紙が一通。
開いて読んでみた。
――シャオロンへ――
お前今ちゃんと飯食ってるか?
多分、食ってないんやろな、、
俺のせいだよなすまん。
でもお前にはこのことは伝えたくなかってン。
お前が俺の為に泣いてくれてるだけで俺は嬉しいよ。
本当だったらもっと書きたいことあるんやけど、、
読みやすいように短くまとめるわ
まず、シャオロン大好きやったで。
ふわりと微笑むお前が
大事な場面で活躍するお前が
どんなに落ちている空気も綺麗に拾い上げてくれるお前が
そして俺が大好きになったお前が
最後に。 俺はお前を
お前は 絶対、絶対に”幸せ”になれよ。
ロボロ
――――――――――――――――――――――――――
ロボロは、
人に気持ちを伝えるのが少し下手で
それでも元気で
布面の上からでも分かるぐらいニコニコ笑ってて
誰にでも優しくできて、それで
俺が大好きになった 。
お前は幸せ者で俺も幸せや。
これは変わらん事実。
でも お前が居ないのなら、俺はココにいなくても良いとどうしても思ってしまう。
俺は手紙を握りしめ、行く予定だったしょっぴの部屋へ足早に向かった。
コンコンッ
【はい どうぞ】
声が聞こえた 中に居るそうだ。
ガチャ
入るとそこはしょっぴの匂いが広がっていて、とても
暖かった。
「しゃおさん、?どうしたんですか」
「あ、あのな 」
「はい。」
「苦しまんで死ねる薬…とかない、? 」 微笑
「ッ、一応、あるにはあります 。」
「、! ほんまッ?」
「…はい、でも、しゃおさんは… いえ、なんでもありません。 すぐに取ってきますね」
と部屋の奥へ行ってしまった。
あのクソ神からは貰えなかったけどしょっぴくんは持っているらしい、なんでだろう。
なんて考えていると、しょっぴくんが帰ってきた。
「はい、こちらです。」
「ん、ありがと、、。」 微笑
「しゃおさん。 今までありがとうございました。
しゃおさんと過ごせて楽しかったです。」
「、! おう、」 笑
「しょっぴ、」
「、?はい」
「有難うな」
「、はい 。」 微笑
そう言って俺はしょっぴの部屋を後にした。
薬を持ってある所へ走る
そこは―
俺とロボロの思い出の花畑
綺麗な花が絨毯のように咲いていてとても綺麗な場所だ。
俺とロボロが出会ったのも此処。
出会ったならば此処で終わらせよう。此処を見つけた時から決めていた。
ゴクッ
俺は薬を飲んだ。
直ぐには死なず、ゆっくり眠るように死ねるのだとか、。
夢みたいな死に方やな 笑
俺は花畑に寝転がった。
仰向けになると綺麗な青い空が見える。
何処までも続く青
「… きれいやな、」
思わず声が出るほどだ、。
嗚呼、だんだん眠くなってきた
ここで終わる、いや終われるんや。
有難うロボロ そして―――
そう言って俺はゆっくり目を閉じた。
目が覚めるとそこは真っ白で何も見えない。
ロボロはちゃんと、天国に行けたンかな 、?
なんて考えた。
ふと、聞き慣れた大好きな声が聞こえた。
「ッ、シャオロン!!!」
「ッッ、ロボロ !」
走ってきてくれたのだろう
息が切れている。
「お前、。 おかえり シャオロン 」 微笑
「、ただいま ロボロ」 微笑