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やっと帰ってこれた。久しぶりだ。実家。辺り一面の森。でっかい湖。耳をすませば聞こえてくる、この田舎特有の音。匂い。
【あぁ】【田舎って最高ー】
俺はできるだけ高校では静かになにもせず、知り合いが誰をもいない大学に入るために上京して、そのまままぁまぁな会社にはいり、社会に揉まれ、それで… ……
クビになった。
もうやけくそになって実家のスネをかじり来たって訳。
その辺をぶらぶら歩く。
母校。よく通ってた定食屋さん。店員さんが感じのいい床屋さん。全部が 懐かしい。
懐かしい匂い、懐かしい声がして。
『えぇ!?!ダイ!?!?』
『帰ってきてたのか!?!?』
・
・
・
【え…っと】【ごめん誰?】
声はめっっちゃ聞き覚えあるんだけど…
『え”ッ 』
『お前この俺を忘れたというのかよっ!!笑』『なんでだよ~』
『あんなことやこんなことやったじゃん~』
【いかがわしい言い方をするな!!!】
こんな陽気なやつ地元にいなかったはず…。もしくは俺の友達には…。
『俺だよ俺~』『桜田悠太!!!』
ん?さくらだ?ゆうた?ゆう、、、
【あっ!!!ユウ!?!?】
『おう!!!やっと思い出したか!!』
うわっなつっ!!!
ユウに話しかけられた時は最悪だったよ…
まぁユウのお陰で友達が出来たんだけどね
2人とも久しぶりに再開したからかいつもよりテンションが高かった。
『覚えてるかー?』
【ん?】【あ、ごめん水飲みながらでいい?】『おう!!』
ゴクゴクッ…
水を飲む時ははなしを聞いた後にしようと強く誓った日だった。
『俺がダイに入学式の日に告って振られたこと』
【ブフォォォ 】【ゲホゲホッ】【な、なんだよその話、!!】
【おまっ今する意味あったか!?!?】
『いやそんなこともあったなって言ってんだよ!!笑』『そんなにうろたえて~』
【てかまずまず男に告る時点でおかしいんだよ!!((ボソッ】
ユウと話すと学生の頃を思い出す。
…『それでさ~』
あ、やばい
【ごめん!!!】【俺もう行かなきゃだから!!!!】【またな!!!!】
逃げれたかな…?あいつ話し出すと止まんねぇからなー
まぁ、会えてよかった 嬉しかった。
すごい懐かしい気分になった。
歩きながら色々見ていた。すると聞きなれた音が耳に入ってきた。
チリンチリン チリンチリン
あ、この風鈴。俺が小学校の時に作ったやつ。まだあったんだ。
この村では1家族に1つ、風鈴をつける風習がある。
ガラスと金属がぶつかり合う綺麗な鐘の音。俺の人生はこの鐘の音からはじまる。
悠太 視点
携帯を見る。
『あー。会いたい。』
ずっと、ずっと高校の時からカタオモイしてる。
ダイ。今内大輔に 。
ダイが電車に揺られて、遠くに行ってしまった時、世界がモノクロになった気がした。
そのカタオモイは誇れるようなものではない。
俺は男。でも、相手も男だ。
誰にも言えない。
高校のときのことだからすぐ気持ちもなくなる。
とか思ってたのに。見事にまだ好きなんだよなぁ。
『はぁ』『散歩でも行くか』
これでダイに会えたら、もうそれは、運命だ!!!!!!
なーんて、思っても会えるはずがなく、
その日は断念して帰った。結構本気で探した。
その日からダイに会うべく毎日散歩した。
もう会えるはずない。そう思った時はいつも 風鈴が背中を押してくれた。
ダイが好きだったこの音。
ダイのことを好きになってからこの音のことも少し、少し、好きになった。
それから2ヶ月だった頃
『あ』
暗い顔したダイが居た。
え、ほんとにダイに会えた。
ほんとに運命なんじゃね?
やばいやばいほんとにやばい
さすがにこれはやばい。
どうやって声かければいいんだ…?
あたかも今みつけましたー風に声掛けてばいいいのでは!?!?
よしやろう!!!!
『えぇ!?!』ダイ!?!?』
『帰ってきてたのか!? !』
よしいい感じ!!
え、無視?
いや、分かってないな。悲しいんだけどやばい。
【え…っと】【ごめん誰?】
『え”ッ』
だぁぁぁぁぁあ!!!!!言われてしまったぁああぁぁああぁあぁあああぁああぁああぁあぁあぁああぁぁああぁあぁあ!!!!!!!!1 番恐れていた言葉をおおおおおおお!!!!!!!
ここはナチュラルに、自然体に、
『お前この俺を忘れたというのかよっ!!笑』『なんでだよ~』
『あんなことやこんなことやったじゃん~』
【いかがわしい言い方をするな!!!】
あぁ、この口調。やっぱりダイだ。
『俺だよ俺~』『桜田悠太!!!』
【あっ!!ユウ!?!】
『おう!!!!やっと思い出したか!!』
やっっっったー!!!!!!!!!
思い出してくれた!!!
色々話すと、また。好きになる。
…『それでさ~ 』
やべぇ楽しい…
【ごめん!!!!】【俺もう行かなきゃだから!!!】【またな!!!】
『お、おい!!!』
…『行っちゃった…』
やばい喋りすぎた!?!?引かれちゃったかな…
でも、これで分かったことがある
『やっぱ…好きだなぁ…笑』
家に着いても、ずっとずっとダイのことで頭がいっぱい。また好きなんだって自覚する。
チリンチリン チリンチリン
風鈴。
あぁ。
このガラスと金属がぶつかり合う綺麗な鐘の音が俺とダイの始まりの鐘の音でありますように。