心中 死なないやつ
。
「「 心中しよう 」」
。
あぁ、暗い部屋の天井を見つめているだけで、金が入り込んでくればいいのにと。
特段好きでもない料理を食べて、褒めて貰えばどれだけ楽だろうか。きっとみんなそんなもの。褒められ金が欲しい。人によっては金だけでいい。そんな世界。腐った世界に 、俺は嫌気がさす。
一国の皇子としてうまれたからなんだと言うんだ。俺が本音を出せる相手なんぞ極わずか。 どこか遠い所へ、逃げ出してしまいたい。父様からの話によると、今宵に普段は他と絡まない俺たちの国と、 隣国が交流するらしい。 少しの、楽しみを抱える。俺はこの日が大好きで仕方ない。
俺が恋愛的にも好きな「ぼびー」と会うことができるから。年に数回、織姫と彦星よりは会えるような回数で彼と顔を合わせる。
人間不信の父様も、 隣国の王様 、?キャメ さんとは仲良く話している。
別に、俺の言うぼびーは王子なんかじゃないし、俺のように化け物の血も流れていない。
俺の国は、俺は。神の末裔と言われた誇り高き血族。 普段は隠しているが、 羽だって何だってある。 ただ思うこと、ぼびーも普通ではないような雰囲気がする。まぁそんなことはどうでもいい、楽しみにしておこう
──────
「 ぼ び ー !!! ! 」
「 にき 、 久しぶり 」
はしゃぐ俺を宥めるかのように笑う彼は、やっぱり魅力的で。
そのまま、時間を忘れて二人で話した。最近あった楽しいこと、側近がやらかしたこと。
本当に、楽しかったのに。
どこかで
ばん
銃の音が鳴った。
俺とぼびーは顔を見合せ、 音の鳴った方向へ走る。
俺の側近 「シード」が、 キャメさんの側近「りぃちょ」を、うったらしい。逆かもしれないが、お互い肩や足から血を流していて。
決戦の合図がなってしまった
──────
結果は、もちろん勝ったに決まっている。
神の末裔が、負けるわけが無い。
俺が1番神の血が濃い、けど。俺は何もしてない。それでさえこれなんだから、やはり酷い差だ。もう隣国とは会うな、そう言われた。
ぼびーと会えないのはとても嫌。
だから、たまに抜け出して 2人であった。
「 大変なことになったね 」
「 お前ん力で 何とかしろや 」
「 血族 、ってだけ。 力は使えないよ 」
実際には使えるけど、寿命を削る行為はしたくなくて。
前より会う時間も期間も少ないが、こうしてたまに会って話すのは、とても楽しかった
──────
ばちん、酷い音が鳴る。俺の頬に走る痛み、 ぼびーと会っていたことがバレた。
あぁ、俺が何をしたと言うんだ
なんて、バカみたいなことを思いつつ
俺は部屋に監禁される。
強く血を引く俺を、殺す訳には行かなかったようだ。
好きな人にも会えず、好きな飯も好きな景色も。全て奪われて。
そんな虚無を、何日過ごしたか。 1週間に一度は会いに行っていたぼびー。もう、数ヶ月会ってないような感覚がする
なんだか、外が騒がしいような気がした
発砲音、 ?
俺を呼ぶ声が聞こえる。 どうせ、幻聴なのに。
「 …… ゛ ! ニキ !! 」
強く蹴飛ばされ扉が開かれた。俺の目を刺す光で頭が痛くなって。
「 俺と 逃げよう、 な ッ、? 」
俺の手を掴むぼびーの後ろには 、 悪魔の羽。古くから伝えられてきた 伝承。
神と悪魔は交わらない
なんて 伝承。 初めてあった時から 嫌な雰囲気が強かった 。それはそのせいか。
「 ゛ …… ぅん、 笑 」
絞り出したようなか細い声が俺から落ちる。
そのまま 2人で、 遠くまで逃げ出した。
「ねぇ、 ぼび ー? 」
「 …… 心中 しよう。 」
へらへらと笑う 俺らを、月明かりは照らしてくれない。残酷な世に、少し苛立ちを覚える。
きっと、 来世は 幸せになれますように。
───
〈 なぁ、 りぃちょ。 〉
〈 なーに、 シードくん。 〉
〈 ニキが死んだらしいんじゃけど、 なんか知っとる? 〉
〈 いーや? 〉
〈 嘘つけや 〉
〈 後で 教えてあげる 笑 〉
〈 俺達 の選択は 、間違ってたと思うか? 〉
〈 そっちの 所の王様は 、 俺らを利用しようとしてた。 間違いではなかったはずだよ 〉
〈 なら、 ええか。 〉
2人の男は 共に天国に昇った。 国には皇子が監禁されていたことも知らされていないし、 しろせんせーという王族は どこの書にも載っていなかった。だから騒ぎは起きない。
神の末裔の王族は 、彼を除いて意地汚く神の末裔であることにふんぞり返り 生きていた。 一方、 キャメロンと呼ばれる王様率いる王族は、 また別の神の末裔であることを隠し、大きな態度を取ることもなく。
そんな綺麗な国王達を利用し、配下に置こうとしていた一族は、まだ若い 者達により阻止され 、神の力を強く持つ 2人に滅ぼされた。 これが、自業自得。
「 は ゛ ー ぁ、 いーの? ほんとに 」
「 俺 ん国は 、やさシーから 」
〈 こういうことか、もっとはよ 言え 白髪 〉
〈 お前だけ処そうか 〉
「「 俺ら、これから 心中するから 」」
───
心中 、 共に生きること
。適当……です……最後の方
コメント
1件
やばい好きすぎるほんとにありがとうございます、、