⚠attention⚠
・ご本人様とは一切関係ございません。
・腐要素、自傷表現、死ネタ要素ありです。苦手な方、地雷の方は引き返してください。
・文字がかなり多めです。
・展開早めで、意味わからないところも多いです。
・当方初めてですので暖かい目で見守ってください。
・誹謗中傷、批判などはおやめください。
以上のことが把握できた方のみ閲覧をお願いします(_ _)
最近ニキニキが変だ。di〇co△dで通話をしながら皆で作業をしている時も、遊びに行っている時も…俺たちではない”誰か”とずっと話をしている。時には笑ったり、怒ったりもしている。……ニキニキの矢印の先には、誰もいないのに。
最初はメンバー皆ニキニキの独り言だと思っていた。そう思って誰も疑ったりはしなかった。けど何日か経ったある日にニキニキがひとりで怒り出したときがあった。さすがに皆違和感を覚えた。明らかにおかしかった。その日はどうにかしてニキニキを落ち着かせ、数日経って落ち着いただろうと思った時に聞いてみた。
「ねぇ、ニキニキ…」
「ん?どうしたりぃちょ」
「あのさ…」
「あの時、誰と…話してたの?」
すぐには答えが返ってこなかった。何秒か経って聞いたニキニキの声は笑っていて、そして当たり前のように言った。
「え?wりぃちょ何言ってるの?w」
疲れてるんじゃない?w そう言ってニキニキは続けた。
「ボビーしかいないでしょw」
ごく当たり前のようにそう言った。
せんせーは1ヶ月前からいないのに____
ー1ヶ月前ー
僕とボビーは付き合ってる。リスナーの皆には言っていないが、メンバーや仲のいい活動者などは知っていた。同居はしていなかったが、週に1回はどちらかの家に泊まっていたし、何回も一緒に出かけていた。
ある日、2人で出かけた帰りにそのままボビーが僕の家に泊まることになった。ただ1秒でも長く一緒にいられることが嬉しかった。
一緒にご飯を作って、一緒に食べて一緒にお風呂に入って、一緒に寝ようとしたその時にボビーが僕に質問を投げかけてきた。
「なあニキ…」
「んー?どうしたの」
僕は寝っ転がりながらスマホを見ていたのをやめ、ボビーの方を見た。
「……」
「どうしたのー?何かあった?」
「……」
返事がないことに違和感を感じ、何かあったのだと思って隣にいたボビーを優しく抱きしめた。そのまま背中を軽く叩いてあげてると弱々しい嗚咽が聞こえてきて、ボビーが泣いてることに気がついた。普段はこんなことないし、第一いつも慰められるのは僕の方だ。僕はどうしたらいいのか分からず、慌てながらもいつもボビーが僕にしてくれているように頭を優しく撫で、声をかけた。
「どうしたの?大丈夫だよ。僕がいるからね。ひとりじゃないよ。」
いつもボビーが言ってることを言う。 僕がいつも言って貰って嬉しい言葉。
しばらくたつとボビーは声を出して泣き出してしまった。本人は必死に堪えようとしているようだがそれでも漏れ出てしまうらしい。よっぽど追い詰められていたのだろう。こうゆう時は何も聞かないのが一番だと思い、僕はボビーに「大丈夫だよ。泣いていいんだよ。」と声をかけ続けた。
その後思いきり泣いて落ち着いたのかボビーはそのまま眠ってしまった。目の下に濃いクマができていたのを見る限り、最近よく眠れていなかったのだろう。何があったのか聞くのは明日にしようと思い、その夜はボビーを抱きしめ、腕の中に確かな温もりを感じながら、僕も眠りについた。
朝起きて時計を見ると針は10時29分を指していた。いつもならもう起きてる時間だったが、ボビーが隣にいたのもあって落ち着いて眠れたようだ。隣を見ても当の本人はいなかったが..
僕は起き上がってリビングに向かう。いい匂いがして、台所を覗くとボビーが料理をしていた。朝食だろうか。明らかに1人分ではない量を調理しているのを見る限り僕の分も作ってくれてたみたいだ。僕は嬉しくなってボビーに後ろから抱きついた。
「!あぁニキか、おはよう」
「ん、おはようボビー♡」
「っ//ほら、今火使ってるから離れろっ」
「顔赤くなってるよ名前呼ばれて照れちゃった?かわい〜」
「かわいないわっ//まじ危ないから離れとって。もうすぐできるから」
「ふふっはーい」
僕は言われた通りリビングに行き、ソファに座った。リビングから見える僕のために料理をしているボビーが愛おしくて写真を撮った。さすがにボビーも気づいたらしく、「何写真撮ってんねん!」と突っ込まれてしまった。
その後ボビーの作った朝食を食べ、2人でソファに座って寛いだ。その時ふと夜のことを思い出して、今なら聞けると思い聞いてみた。
「ボビー?」
「ん?どした?」
「…何があったか話せる?ボビーが話せるならでいいんだけど」
「……」
「ボビーのためになりたいんだ。彼氏だし…嫌なら大丈夫だよ…」
「はな…す」
「ほんと?ありがとう」
「ええよ…俺もニキに話聞いて欲しかったし…むしろこっちがありがとうな」
そう言って貰えて嬉しかった。そんなことを考えて悦に浸っているとボビーが早口で子供の言い訳のように話しだした。
「あのな…なんか俺最近自分が生きてる意味がわからんくて。別に誰かになんか言われたとかやなくて。それで自分でもどうしたらいいかわからんくて、俺はニキがいたらいいって思ってるのに、なんかいなくなりたくて…けどいなくなりたいゆうても死にたいってわけやなくて…死ぬのが怖くて、ニキが居なくなるのが怖くて、それで俺…」
「ボビー、もう大丈夫だよ。話してくれてありがとね?ボビーが安心できるまでここにいるよ。僕は居なくならないよ。」
知らなかった。ボビーがこんなこと考えていたなんて。俺もどうしたらいいのか分からず、ただボビーを抱きしめた。少し過呼吸になっていたが落ち着いてきたのか小さな声でもう大丈夫…と言った。
「ほんとに?けど今日は何もせずに2人で過ごそ?ちょうど用事もないし」
「うん…!」
その日は2人でゲームしたり、映画を見たりして過ごした。その間はボビーも辛いことは忘れられていたようだ。
そのあとも2人で充実した時間を過ごして、同じ布団に入った。そこでボビーが僕の方を向いて口を開いた。
「ニキ…色々ありがとうな。ほんまは今日は泊まる予定やなかったのに…」
「全然大丈夫だよ。僕もボビーのおかげでめっちゃ楽しい1日だったし!…はぁ…ボビーがいてくれるなんて僕は幸せものだなあ」
「wwwえらい大袈裟やなw……けど..ありがとう、ニキ。俺もニキがいてくれて世界一幸せや」
……そう言ったじゃないか。世界一幸せだって、言ってくれたのに…
その日はお互いの体温を感じながら眠りについた。僕としては次の日もボビーと過ごしたかったが、今日は配信の日なので帰らざるをえなかった。ボビーは不貞腐れてる僕を見て笑いながら送り出してくれた。
数日後、僕はボビーの家に向かっていた。僕の足は自然と早足になっていて、僕自身も早くボビーに会いたかった。随分と久しぶりに会うのでサプライズで行こうと思い、ボビーには何の連絡も入れていない。酒とつまみの準備もバッチリだ。
ボビーの家に着いて、インターホンを鳴らす。何回か鳴らしたが返事はなく、僕は”何かあった時のために”と渡されていた合鍵を使った。
そっとドアを開けると玄関は暗くて、リビングの方が少し明るかったのが見えた。玄関に靴が並んでいるのを見る限り、家にいるのだろう、そう思った。僕はリビングに向かい、ドアを開けて辺りを見渡したが、そこにボビーの姿はなかった。とりあえず持ってきた酒を冷蔵庫に入れる。
家の全ての部屋を見るよりかは電話した方が早いと思い、僕は電話帳を開き、ボビーに電話をかけた。するとボビーの作業部屋の方から音が聞こえた。しかしその電話に誰かが出ることはなかった。
そして僕は電話をかけたままボビーの作業部屋の方へ足を運んだ。2回ノックしたが返事はなく、僕はそっとドアを開けた。部屋は暗く、机の上で割れたスマホの画面が淡く光っていた。部屋の電気をつけて広がっていた光景に僕は驚愕した。割れたパソコンの画面、倒れた棚、床に散らかってるボビーの私物。そして落ちたカッター、血が染み込んだ包帯。
ボビーのスマホが鳴っていることなんてどうでもよかった。嫌な予感がした。急いでボビーを探す。トイレ、ベランダ、寝室にもいない。もう一度リビングに向かうがボビーの影はなかった。
「よかった…!やっぱり出かけてるんだ!」
そう思った時にまだ行っていない部屋があることに気がついた。浴室。何故だろう。行きたくない。行っては行けない。体が重い。本能がそう叫んでいる。冷や汗が床に落ち、その音が小さく響いた。
「…ただ、シャワーを浴びてるだけかもしれないじゃないか、、!」
重い足を引きずって浴室へ向かった。さっきまで..勢いよくあらゆる部屋のドアを開けていたのに、なぜかゆっくりとしか開けられなかった。怖い。逃げたい。そんな気持ちが汗と共に体を伝う。クラクラする。
そんな気持ちを断ち切ってドアがあいた先を恐る恐る見た。
「なんだ誰もいないじゃないか!」
そう安堵した瞬間だった。風呂場のドアのすりガラスの向こう。人影が見えた気がした。ここまで来たなら開けるしかない。取手を少し力を入れて奥に押すとカチッと音を立ててドアがあいた。
紅い液体溜まった浴槽の中で、彼は眠っていた。体のそこら中の傷。浴槽から出ている右手の指先からは紅い液体が滴っていた。光を失った紅い虚ろな目、力無く開いた口、血がついた綺麗な肌。見るに耐えなかった。足がボビーの方へ勝手に動いて、僕は汚れることなど気にせずボビーを抱きしめた。服越しでも冷たいのが感じられた。この前抱きしめた時のような温もりは感じられなかった。ボビーはいつから1人だったのだろうか。そう考えていると自然と涙が出てきて、嗚咽が漏れた。ただただ謝ることしかできなかった。
いつの間にか僕は意識を失っていた。
目が覚めるとそこは知らない天井。
「…あれ…あぁ夢か…。」
首を少し傾かると白い塊があった。りぃちょだ。なんでりぃちょがここにいるんだろうか。僕は…なんでここにいるのだろうか。ボビーの家に着いてからの記憶がなかった。僕は何をしていたのだろう。天井をぼーっと眺めていたら扉が開いた音がして、見慣れた顔が入ってきた。キャメさんだ。目が合うとキャメさんは安堵や驚きが混ざったような顔をして。
「ニキくん…!本当に起きてくれてよかった…りぃちょくん!起きて」
「…ンエ?わあ!!ニキニキ起きてるじゃん!よかったぁ… 」
「ははっ2人とも同じような反応するじゃん!wなんかありがとうね」
「ほんとによかった…ニキニキまで居なくなっちゃったらほんとにどうしようかと…」
「え…?」
「*っちょっとりぃちょくん!*」
「あ…」
「…どうゆう事?りぃちょ..キャメさん…」
しばらく間が空いてキャメさんが重そうに口を開いた。そして僕は僕が気を失っていた間のことを全部聞いた。耐えられなかった。自分が許せなかった。許せるわけがなかった。恋人が死んだのに、僕は…何もできなかったのに…
数日後僕は医者にもう何も問題ない、と言われ退院した。そこから数日は活動を休ませてもらうことになって、自然と1人の時間ができた。こうゆう時にはいつもボビーがいたのに。今はいない。実感が湧かない。実感なんて持ちたくもなかった。
だから、だから薬に手を出した。最初は用量を守って飲んでいた。しかしいつの間にか何錠も何錠も僕は体に受け入れていた。ボビーが居ない分だけ。少しは、穴が塞がった気がした。
数日後、女研メンバーと遊びに行く機会があった。りぃちょの影の隣に、ボビーが見えた気がした。思えばそこからが始まりだった。
その日から出かけた時にはボビーの影が見え、会議の時やプライベートの時でもボビーの影の見えた。いや。いたんだ。本当に。
ある日、みんなで作業をしながら通話をしていた時に”ボビー”は「俺、女研辞めるわ。」と言い出した。理由を聞いても、声を荒らげても、”ボビー”は小さな声で謝るだけで、質問の答えは聞けなかった。その日は他のメンバーが僕を落ち着かせてくれたが、それでも”ボビー”は謝り続けた。
その日から”ボビー”とは関わっていない。
りぃちょに
「あの時、誰と…話してたの?」
そう聞かれた。僕だって心の奥底では分かってた。ボビーはもう居ないことくらい。
けど僕は..
「え?wりぃちょ何言ってるの?w 疲れてるんじゃない?w ボビーしかいないでしょw」
そう言った。当たり前のように。顔と声は笑っている。けど。心の奥底が痛かった。
りぃちょにそう聞かれた日に、何を思ったのか、僕はボビーの家に向かった。
“あの鍵”でボビーの家の鍵を開ける。当然家の電気はついていなくて、誰もいなかった。わかっていた。ボビーは死んだ。僕のせいで。もっと僕が大事にしていたら、きっと結果は変わっていた。ボビーの自室でぼーっとして座り込んでいると後ろから名前を呼ばれた。ずっと聞きたい声だった。大好きな声、僕を、落ち着かせてくれる声。
その声は「ついてきて。」そう言った。だから僕はついて行った。”2人で”タクシーに乗り、”2人で”一緒に歩いた。
着いた先は …海だった。夕日に照らされて輝く海。”それ”は濡れることなんて構わず、海へ入って行った。”それ”に僕もついて行く。
水が胸の辺りまできた時に”それ”は振り返ってにっこり笑った。僕はその笑顔が見れただけで満足だった。僕が”それ”に駆け寄り、強く抱きしめる。”それ”も僕を抱きしめ、そして抱きしめあったまま紅く輝く海に身を委ねた。
僕は抵抗しなかった。これでよかった。意識が段々遠くなる。
何も無いはずの 腕の中で、大好きな温もり感じながら。
END.
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