wki side
風呂から出て、鏡の前で髪を乾かす。
鏡に映るのは質素な服を着た気だるそうな男。
ドライヤーを片付ける時に、腕に物が当たって
床に落ちた。
床に目を下ろして、確認する。
落ちたのは綺麗な桃色の石。
「…」
何故ここにこんなものがあるのだろうか。
面倒くさいことを考えるのは時間の無駄。
何も考えずに足元のゴミ箱に捨てる。
そのまま部屋に戻って適当な上着を羽織る。
定位置に置いてあるスマホとカメラを持って玄関のドアを開ける。
午後10時。
俺は毎日この時間に外に出て写真を撮る。
所謂、日課というやつだろうか。
今日はどこへ行って何を撮ろうか。
そんなことを考えながら足を進める。
行き着いたのは小さな公園。
どこか懐かしいような感じもするが、どこにでもある普通の公園だ。
気のせいだろう。
カメラを取りだして、月を映す。
冬の冷たい風が肌にあたって寒い。
真っ暗な空を月が照らしている雰囲気が良い。
カシャッ
と音を立ててシャッターを切る。
その日見ていたものをそのまま残せる写真が好きだ。
コメント
3件
神すぎる 、 😭 ほんとに最高 、 😭 圧倒的満足感 !