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マフィアのfrさんとショタhbさんです
シャンティhbさんはいないです。
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「ボス、その子供は…?」
ボスの帰りを待っていると、ボスと手を繋いでいる子供に目がいく。
紫髪に、インナーとしてビビットピンクが散りばめられている端正な顔立ちの子供。
質のいいシャツに素材のいい黒い短ズボン、そしてガーターソックス。そして太ももには銀色に輝く切れ味の良さそうなナイフ。
「あぁ、こいつは、」
「俺、渡会雲雀だよ!ねーねー!ボス、早く行こっ!」
渡会雲雀と名乗る子供はボスの手を引っ張って進もうとするがボスは留まったままだ。
「雲雀。待て、だ。」
「…むぅ…」
ボスのその一言でピタリ、と動きを止める。
まるで飼い主とその犬だ。
「細かいことは言えないが、今日からこいつもファミリーの一員。
お前達のこれからの任務は雲雀を守ることだ。」
「はい。」
ここでNOということは許されない。疑問を持つことも許されない。ボスが命じたことは、無理難題でも絶対だ。
「雲雀、行くぞ。」
「は〜い!ボス!」
渡会雲雀はまたボスの手を勝手に繋いで2人で進んでいく。
ボスにあんなに甘やかされるのは渡会雲雀ぐらいだろう。
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「雲雀」
「ボス?何?」
部屋につき、高級な椅子にボスが座る。
圧倒されるほどに王の風格だ。
俺の名前を呼んで手招きをしてくる。
それに逆らわずに向かえば、頭を撫でられ、その後に、またハイブランドであろう箱を取り出して、その中身はチョーカーだった。
「?誰かに渡すの?」
「お前にだ。」
「えっ!?」
するとボスは俺の首にチョーカーを優しく付けてくれる。
カチ、と音が鳴るとボスは手を離す。
「これでお前は今日から俺の犬だ。
そのチョーカーを外すことは許されない。
まぁ、まず外せないと思うが。
外せる時は、お前の首が飛ぶ時だ。」
子供にかける言葉だとは思えない、低い声で発せられた言葉は、通常の子供なら今頃目に涙を溜めて泣いている頃だろう。
でも雲雀は奏斗のことが大好きで、大好きでたまらないのだ。
こんな言葉はもう、雲雀にとっては愛の囁きそのものだった。
「ふふ、やったぁ!ありがと、ボス!」
やっぱり俺のボスはかっこいい。
「雲雀。明日から、俺の部下にお前の面倒を見てもらうことになってる。いい子にしてるんだよ。」
「んふ、うん!」
するとコンコン、と扉がノックされる。
「入れ。」
「失礼します。明日のことについてなのですが…」
「あぁ、雲雀の事か」
奏斗がそう言うと雲雀は音もなく入ってきた男に近づく。
「お前が今日から俺の世話してくれんの?」
「あ、あぁ、ボスからそう言われてる。」
「……そ
よろしくね!」
ニコ!と可愛らしい笑顔を向ける雲雀に奏斗ははぁ、と呆れた声を出すだけだった。
「お前らはもう下がれ。こいつの明日についてはいつもの新入りと変わらなくしていい。」
「YES、ボス。
では、これで」
ガチャリ、と男が扉を閉めるとくるん、とターンをして雲雀がニコ、と笑う。
「雲雀。」
「ボス〜♡」
また足音も立てずに手を広げて奏斗の傍に行き膝へ座る。
「雲雀、我慢はしなくていいからな。
お前の好きにしていい。」
「……だが、俺の命に背いた瞬間に、お前の首は飛ぶからな。」
ポンポン、とまた頭を撫でる奏斗。
物騒な物言いとは反対に奏斗の手つきは優しかった。
すると雲雀は目をぱちぱちとさせて直ぐに
にへら、と顔を綻ばさせる。
「あはっ!そういうこと?俺が奏斗の命令に背くわけないのに、んま、いいや、嬉しいし」
「ほら、部屋に戻れ。もう俺が朝起こしに行かないからな。」
「む…ボス来てくれないの?」
「明日はお前の世話係だっつっただろ。」
「……分かった」
「いい子だ。」
「…おやすみ、奏斗」
「あぁ、また明日」
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扉が閉じる音を聞き、はぁ、とため息をつく。
あの雲雀の世話係になったやつ、ネズミだろうな。
裏切り者の目星は着いた。あとは雲雀次第だ。
あの審美眼に、あいつはどう映ったのだろうか。
渡会雲雀という男は、風楽奏斗にとって犬でしかない。
ただ、それは愛犬と言うに相応しいのだろう。それほどまでに風楽は、渡会のことを寵愛していた。
そして、渡会は風楽だからこそ大人しくリードに繋がっているだけだ。
風楽は、色んな奴と喋り、色んな奴と出会ったことがある。大半は地獄に落ちただろうが。
その中でも渡会という子供は、誰よりも異様に美しく、不気味な雰囲気を纏っていた、戦闘能力はピカイチ、気配のコントロール、誰よりも人を殺す能力に満ち溢れている。
「さて…早めに葬儀屋の手配でもしておくか。」
グラスにワインを注ぎそれに口をつける。
明日は何人死者が出るのか。奏斗はそれが楽しみでたまらなかった。
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「渡会さん起きてください。」
「ん…やぁだ…奏斗がいーい…」
「…ボスからの伝言がありますが」
「んぅ?」
「指定の時間までに俺の部屋に来なければお仕置だ、と。」
するとピクリ、と雲雀が少しだけ頭を出す。
「指定の時間まで、後、10分ですよ。」
「ん……奏斗からのお仕置ぃ…?」
ちょっとだけ、受けてみたいかも……でも怒られて奏斗に嫌われるのは嫌だなぁ……
奏斗の命令は絶対。
「…わかった、起きる、もうお前は仕事に行っていいよ。俺は奏斗のところ行くから。」
渡会の行動原理は風楽の命令だ。
どんな好奇心があっても、風楽の命令に故意で背くことは自分が許していない。
直ぐに着替え、早足で奏斗の部屋へ向かう
「ボス、来たよ」
「入れ。」
「おはよぉボス〜」
「雲雀、今日は頼んだよ。」
「!っうん!」
「期待しててね!ボス!」
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ボスの言うことは絶対だ。
俺のボスは風楽のガキなんかじゃない。
ここのファミリーは絶対に潰さないといけない。それが命令だ。
なのに俺は、俺はこんなガキの世話をしている場合では無いのに。
…こいつ、風楽が大事にしてる感じだったよな。
いい事思いついた。
こいつは顔もいい、ボスが喜ぶかもしれない。
持って行けば……っひひ、
思いつけばすぐ行動だ。
……アイツが寵愛するぐらいだ、侮れない。
そう思い男は一旦自室に戻り多めに睡眠薬を浸した布を片手にバレないように隠し持つ。
そしてナイフの構え方を教えるふりをして雲雀の口元に素早く持っていく。
「うん、うん!なるほ…ど……ぅ…」
くたり、と力が抜けた体を支え、自室に戻りスーツケースに押し込む。
そして俺は自分のファミリーの基地に足を向けた。
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「ん……ぅ……?」
俺、ネズミのやつに、睡眠薬で眠らされたんだっけ、匂いでバレバレだっつの、下手だなぁ…
これで拠点には入れたかな。廃ビルっぽいから違うのかな。でも人の気配は多い。縄で縛られてるけど…直ぐに抜けられそう。それにナイフも…1本取られたけど、胸のところにはまだある…よし、行ける。
「目が覚めたか?」
「……」
「そんなに睨むなよ。痛くはしなかっただろ」
「もうすぐ俺のボスが来る。それまで大人しくしとけ 」
「お前…奏斗を裏切ったのか?」
ドスが聞いた低い声。殺気も子供のそれとは思えない。
ぶるっ、と男の体が栗立つ。
すると扉が開き、いかにもボスだと言うような男が入ってくる。
中年ぐらいだろうか。
雲雀は一瞬そっちに目を向けたが直ぐに興味がなさそうにそっぽ向いて男に目を向ける。
「ボス、」
「あぁ、分かってるさ、こいつを使おうって話だろ?」
「はい、」
「もう風楽には電話を入れた。」
「ッ、奏斗に電話したのか!?」
「なんだ?そんな焦って、ボスに怒られんのが怖くなったか?」
焦ったように雲雀が声を荒らげるのを見た下っ端の方は煽ったようにそう言う。
すると雲雀は目を伏し目にしてその男を静かに睨む。
「もうお前ら最悪。
奏斗に嫌われたくないのに。」
「風楽はお前のことを特別扱いしているらしいじゃないか。お前が攫われたと思えば飛んで来るだろう。」
「っはは、あははっ!あはははっ!奏斗を罠にはめるの?無理だよそんなこと。お前は俺の事を人質にすることも出来ないから。」
「何を言っているんだ?もう既に捕まっているだろ」
「俺よりも馬鹿なヤツって意外に多いんだね。」
「っなんだと!?」
「おい、手を出したらお前、分かってるよな。……お前、俺のところに来いよ。」
「……あ゙?」
雲雀の幼い顔に青筋が浮かぶ。
怒りで瞳孔が開いて、奥歯が軋む音がする。
そんな雲雀の様子を無視して男は続ける
「あんな横暴な風楽のやつの所よりも、俺の所の方が安全で、楽しいだろう。それに風楽のファミリーはもうすぐ俺の手によって堕ち…」
刹那。男は膝を着いて首を垂れる。
他の側近の男たちも同じように首を垂れる。
「おい、今、なんつった。
おい。言ってみろよ、もう1回。俺のボスがな んだって?
威圧感に殺気。こんなにも存在感があるのに、そこに居ないような気配のなさ。布擦れの音すらも聞こえない。
下を向いているから、次この子供が何もするのかが検討もつかない。
「俺聞いてんだけど。……はぁ、もういいや、つまんね。死ねよ。」
すると奏斗を侮辱していた男の首を小さなナイフにも限らずに綺麗に落とす。
「っひっ…」
悲鳴も許されない。直ぐにストン、と音を立てて首が落ちる。
足元に2人分の死体が転がる。
「フー…フー…」
だが、雲雀はまだ満足していなかった。
この怒りを収めるにはまだ足りない。
それは、この組織の人間を全て殺しても消費されないだろう。
雲雀の理性はもう無いに等しかった。
ただ目に入った人間を片っ端から殺していった。
そして不思議なことに、全てが終わるまで、誰の悲鳴も上がらなかった。
誰も雲雀を視認できなかったからだ。
居るのかも分からない朧気な気配に、音もなく迫り、そして鳥のように飛びまわる身体能力。
そして全てが終わった頃に、奏斗が到着した。
部下を外で待機させ、自分一人のみが入る。
普通だったら絶対にしない事だか、もう中の様子なんて察しが着いている奏斗は、その廃ビルの中を進んでいく。
血塗れな道を進んでいく。これまで何体の首無し死体を見つけたのかも分からない。
すると1人の影が見える。それは音もなく気配もなく、そしてとてつもない速さで迫ってくる。
「雲雀、お座り。」
雲雀が奏斗の体に巻き付きナイフが喉元に差し掛かった瞬間、奏斗のその言葉で全ての動きが止まる。
「聞こえなかったのか?お座りだ。雲雀。」
雲雀のチョーカーをするりと撫でながらそう言うと雲雀は直ぐに奏斗から降り、ぺたん、と床に座った。
瞳孔が開き切り、こちらをジッ、と見つめる雲雀の瞳を1度手のひらで閉じさせれば、次に見えたのは虚ろな瞳だった。
「か、な…と、」
「いい子だ。」
白い陶器のような肌には赤黒い血が滴り、顔には乾いた血がべったりとついていた。
「おいで、ひば。」
「かな、と…」
しゃがめば直ぐに雲雀は手を伸ばして奏斗の首に掴まる。
軽々と雲雀を持ち上げ、頭を撫でると雲雀は甘えるように奏斗の首元に擦り寄る。
びちゃ、ぴちゃ、と音を立てながらその場所を後にした。
「ボス…!お怪我はありませんか……?」
「あぁ、もう終わってたからな。」
「…奏斗に近寄るな。」
部下たちが寄ってくると、それに機嫌を損ねた雲雀がナイフを相手の喉元に突きつける。
「…俺はもう帰る。後始末しといて。」
「…YES、ボス」
「あと、しばらく雲雀の部屋には近寄るな。」
そういい残し奏斗は直ぐに車に乗り込んだ。
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「かなと、かなと、かな、と、」
「少し静かにしてろ。」
また興奮して瞳孔が開いて落ち着きがない雲雀にため息がこぼれる。
暫くは誰も雲雀に近付けさせられないな。
何人死人が出るのやら。
風楽は雲雀の凶暴性に気付いていた。
だから誰の目にも届かない場所で静かに育てた。
元々スラムのようなところに捨てられていた雲雀は、戸籍すらなかった。
雲雀は心優しい子供だ。それは風楽がよく分かっている。
初めて会った時、血にまみれている俺を見て、怪我をしたのかと聞いてきた。
周りに自分の親の死体が転がっているのに関わらず。
怪我をしていないと言えばニコッと笑みを浮かべて花をプレゼントしてきた。
「俺が好きな花なんだ!名前はわかんねぇけど…紫の綺麗な花だろ?」
そう言って渡してきたのは【イヌサフラン】だった。
俺はそれを手に取り直ぐに投げ捨てた。
「それは毒が入ってるんだ。人にあげんのは向いてねぇな。」
「毒がある花の方が俺は好きだよ。」
雲雀は、凶暴性と優しさを織り交ぜたような人間だった。
「かなと、ね、かなと」
「黙ってろっつっただろ?」
「はー…はー…」
雲雀は何かに耐えるように歯を食いしばって、口の端からは涎がダラダラと垂れていた。
「まったく、仕様のない奴だ。」
奏斗はネクタイを弛めシャツのボタンを外す。
「いいぞ、雲雀。」
その言葉を聞いた瞬間、雲雀は思いっきり奏斗の肩に歯を立てる。
「フー、フー…ッフー…」
「いい子だ。よくやった。帰ったらいっぱい褒美をやるからな。」
自分の肩から血が流れるのも気にしずに雲雀が落ち着くまで頭を撫で続ける奏斗。
奏斗にこんなことをして許されるのは、生涯雲雀だけだろう。
奏斗は雲雀の目が好きだ。全ての人を魅了するダイヤの瞳。
奏斗は雲雀の髪が好きだ。サラサラで艶がある、花のように美しい髪。
そして何よりも、
奏斗は雲雀の強さが好きだ。殺しの才能がある幼い子供。
なんて美しいのだろう。
可愛らしい見た目とは裏腹に強力な毒を隠し持っている。
まるで美しい花のよう。
風楽もまた、毒のある花が好きなのだ。
コメント
2件
読ませて頂きました!題名の伏線回収が凄くよかったです!!!