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——鎌倉時代、東北の地。
霧島家は、鎌倉幕府に仕える御家人の一族として名を馳せていた。しかし、彼らにはもう一つの顔があった。
——蝦夷(えみし)を統べる者。
蝦夷とは、大和朝廷に服さなかった東北の民。しかし、その中には強大な異能を持つ者たちが存在していた。
大和の人々が「鬼」「妖」と呼び恐れた彼らは、古の血族だった。
霧島家は、幕府の命を受け、蝦夷を鎮圧し、同時に力を管理する役目を担っていた。
だが、実際には鎮圧などというものは表向きに過ぎず、霧島家自身もまた異能者の血を引く一族だった。
——霧島家の異能は、“獣憑き”。
狼の牙、鷲の眼、虎の爪——。あらゆる獣の力を宿し、戦場において無双の力を振るった。
北方防衛を任された霧島家は、蝦夷を従えることで、東北を完全に掌握する。だが、それは単なる力の支配ではなかった。
——それは異能の共鳴。
蝦夷の異能者は霧島家に呼応し、次々と己を覚醒させた。そして、その中でも強力な異能者たちは、忠誠を誓い仕えた。
「霧島十二獣士」
狼、熊、鷲、狐、蛇——彼らは獣の力を象徴とし、霧島家の命を受け、数々の戦において伝説を築いた。
しかし、異能の力は常に「バグ」を生む。
——元弘三年(1333年)。鎌倉幕府、滅亡。
幕府と共に霧島家も終わりを迎えたかに見えた。だが、その背後で、異能の暴走は始まっていた。
霧島家の異能演舞と、蝦夷の異能が同時に発動。空は裂け、大地は震え、世界は異能のエネルギーに満たされた。
結果として生まれたのが、「北方の裂け目」と呼ばれる異空間への門だった。
この門の存在は、後に「異能の大伝染」として知られる事件へと繋がる。
——そして、現代。
霧島はその血を受け継ぎ、異能演舞を発現させた継承者。