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虚空の翼-そらのつばさ-  〜幻影編〜

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虚空の翼-そらのつばさ- 〜幻影編〜

1 - 第1話 アインザーム探偵団【お試し投稿】

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2023年08月09日

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まだ日が昇りきらない時間帯。開館前の美術館の扉の前に、男女含めた3人の探偵が立っていた。真ん中の1番背の高い男が扉を開け、3人が中に入ると、燕尾服を着た老夫が出迎えて来た。

「おぉ、貴方達が、探偵の方ですね?」

「はい!そうです!」

3人の中の1番背の低い男が、元気よく返事をした。

「私はこの美術館の館長キィストと申します」

「早速なんですが、こちらへ……」

老夫は腹と腰に手を当て、深々と頭を下げた。そして、視線を左に向け、片手で示すと、3人の先導した。

「昨夜、こちらで物音がしたんです。確認したところ、美術品は盗まれていないようなんですが……。もし、物音の正体が人だったら、いつ盗まれるか分からないので…。調べてくれませんか?」

キィストは不安げに説明を行うと、3人の表情を伺った。

「「「わかりました!」」」

3人は同時ににっこりと笑って返事をした。キィストは安心したように笑うと、また深々と頭を下げて言った。

「建物内への出入口は全て閉じさせて頂くので、調査が終わり次第、報告をお願いします」


虚空の翼

〜幻影編〜



みんな!この町、アインザームへようこそ!

私達3人は、アインザーム唯一の探偵団!この町に居ない警備隊の代わりに事件を解決しているんだよ!


この町はそこそこ発展してるんだけど、町長さんが外との交流を禁止にしているから、世界に全く知られていないんだ。だから警備隊もアインザームに配属されていないんだって


じゃあ、呼べばいいんじゃないかって思ったか?でもな、アインザームはあまり、事故、事件が起きない平和な町なんだ。だから警備隊を呼んでもただ無駄なだけだから、もし、そんな事が起きた時のために、俺達が代わりを務めているって訳だ


あと、ここは山に囲まれているから、移動が大変だし、最初に言ったように、町長さんが他の場所との交流を禁止しているから、呼ぼうにも呼べないんだよね〜……


っていう感じで、僕達は、たまーに起きる事件、事故、調査とかの依頼を解決してるんだ。まあ、本当に少なすぎてほぼ暇なんだけどね…


そう!暇なの!今回の依頼はすっごく久しぶりだから、張り切っていたんだけど……。やっぱり、いつもと同じ感じになっちゃったかも……?


調査に入って10分後。

3人の探偵は頭を抱えて悩んでいた。生物が入り込んだ形跡がなかなか見つけられないのだ。

「ん〜……。どこから入ったんでしょう……?」

1番背の低い白髪の探偵、ウォルケは床や天井など、辺りを隅々まで見渡して形跡を探そうとしていた。

「ネズミとかでしたらダクトとか、換気扇?でも確信は持てませんし……。もし人なら……」

探偵団の紅一点で水色髪の探偵、ヒメルはネズミか人かで絞り、入り込んで来そうな場所を観察した。

「駄目だ……。全くわからん……」

背が1番高い紺色髪の探偵、フリーゲンは2人の言葉を聞いて絶望しているところだった。

実際、3人の探偵としての腕前はいまいちだ。毎回依頼をされる度に相当な時間がかかる。

「手掛かりもないですし……」

フリーゲンの言葉に同感しながらも、ウォルケは部屋の中の絵画や絨毯までも調べていた。

「もう大丈夫だって館長さんに言うか?」

調査に手を尽くしている2人とは裏腹に、フリーゲンは壁にもたれかかり、完全に諦めていた。フリーゲンは考える事や学問が極端に苦手なため、すぐに知恵熱が出たようだった。

「いやいや、駄目ですよ!しっかり調査しなければ!」

ヒメルはフリーゲンが放った意見をすぐに否定し、調査を行い続けた。

その時。3人と、館長以外誰もいない、誰も入れない美術館に、3人と館長以外の声が後ろから聞こえた。

「おやおや。これはこれは、探偵の皆様ではありませんか。調査に行き詰まっているようですね」

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