※nmmn注意
※ご本人様と関係無し
※shpci 苦手な人は見ないで
※ワンクッション
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shp「暇や…」
彼はそう呟き、欠伸をした。
ジャケットのフードを被り、寝転ぶ。
その様子はまるで、猫のようだった。
彼はこの国の王太子であり、名をshpといった。
shp「執事ー、なんかないのー?」
「そうですねぇ…。それでは、街に行くのはどうでしょう? 今日は祭りがあるようですよ。」
shp「ほーん…、」
祭りか……。いい暇つぶしにはなりそうやな。
shp「そんじゃ、行くか」
shp「人多いなぁ……」
街には沢山の店が並んでおり、大賑わいであった。
「この国一番の祭りですからね。遠くから来た方もいるようですよ。」
shp「なるほどな…、」
執事が何か買うか、と聞いてくるがそんなものには興味はない。
shp「俺は少し回るから、そこで待ってろ」
「流石にそれは……。shp様が誘拐される可能性もないわけではありませんし………。」
執事が困ったように眉を下げる。
もし彼が誘拐でもされたら、同行していた彼に責任が問われ、クビにされてしまうだろう。
shp「わかった。着いてこい」
街を歩いていくと、明るかった今までの道と異なる暗い道を見つけた。
それがどうも気になり、彼はその道を歩み始めた。
shp「何や……ここ……、」
そこには先ほどの騒がしい景色はなく、静かで、もっといえば汚い景色が広がっていた。
家も、強い風が吹いたら吹き飛ばされそうな壁の薄い、弱々しい家であった。
「ここは、スラムといいます。」
shp「これがスラムか……、、」
噂には聞いていた。だが見るのは初めてである。
スラムの状況は、思っていたよりも深刻だった。
「国王様も、どうにかしようとしていますが、なかなか解決出来ず……」
shp「………」
少し歩き、周りを見渡す。
すると、子供のような笑い声が聞こえてきた。
その声の方へ、彼は歩み寄っていった。
そこには、彼と同じくらいの年の身長の高い男と6歳くらいの子供がいた。
「あははっ! ciお兄ちゃん、もう一回して!」
ci「ええで〜? よっ、と! どう?高いやろ!」
「うん、すごく高い! 僕もこのくらい大きくなれるかなぁ〜?」
ci「なれるに決まっとるやろ!! いっぱい食べて、大きくなろな!」
そう言って、笑う彼に目を奪われた。
綺麗な淡い水色のクルッとした髪も、
ぐるぐるしたよくわからない眼鏡も、
その眼鏡越しに見える、橙色の瞳も、
全て輝いて見えた。
今まで、退屈で、暇で、楽しくなかった……何かに 一生懸命になることができなかった彼にとって、橙色の瞳を持つ彼との出会いは、神が与えた贈り物だろう。
「…? ねぇねぇ……あの人だぁれ?」
ci「ん〜? 分からんなぁ……」
目が合った。それだけで胸がドキドキして顔が熱くなる。
shp「あ……ぇと…、、」
キョドってしまう。
クソ……カッコ悪い……。
ci「どうしたん? 大丈夫か?」(顔近づけ
shp「…、っ…! 」
いきなり顔を近づけられ、驚いてしまう。
近いから、橙色の瞳がよく見える。
すると黙りこくった俺を見てキョトン、とした顔をした。かわええ……。
shp「だ、大丈夫……、!」
ci「んふ、そぉ? 何でここに来たん?」
shp「祭りを見に来て……」
ci「へぇ…、そうなんや!! 大きいお祭りやもんな!」
「お祭り!? 行きたい! ciお兄ちゃん、行こうよ!!」
ci「んぇ…そうやなぁ、でも迷子なるかもよ? 俺がなんか買いに行くから、ここでお留守番な」
「はーい!」
shp「あ…じゃあ一緒に行きます? 」
まだ彼と一緒にいたい。それだけが俺の脳内を埋め尽くしていった。
ci「ぇ…うん、一緒に行こ、! 名前なんていうん?」
shp「shp。ほんじゃ、行こっか、ci」
ci「おん、!」
ci「うわぁ~…噂通りでっかいなぁ」
shp「ciは、この祭り来たこと無いん?」
ci「おん、! ちっちゃいお祭りとかなら行ったことあるけど、こんなにでかいのは初めて!」
ciはキョロキョロと周りを見て、ソワソワしていた。迷子になりそうで、これはしっかり見ておかなくてはならないな、とshpは思った。
ci「あ、これわたがし、よな? これ買うわ!」
ciはわたがしを見つけて、目を輝かせた。
わたがし…好きなんかな?
shp「わたがし好きなん?」
ci「一回だけ食べたことあって。あいつが好きそうだったから 」
あいつとは、あの子供の事だろう。
shp「ふーん…、、」
ci「shpは、買いたいものないん?」
shp「えぇ…そうやなぁ…」
そう言われても特に無い。
ciに着いてきたのも、ciと一緒にいたいからだし。
ci「ないん〜?w 」
shp「ん…まぁ、、 」
ci「じゃあ、俺の大好物教えてやるよ! 」
ciはそう言うと、コッチコッチ、と手招きした。
ci「これや!」
shp「ペペロンチーノ?」
ci「おん、! 俺の名前、ペペロンチーノからきてるんやって!」
shp「へぇ…」
ペペロンチーノ……覚えとこ。
ci「じゃあ、そろそろ帰るか…!」
shp「ん…せやな」
気がつけば、日が暮れていて人も少しずつ減っていっているようだった。
ci「shp、今日はホンマにありがと! 助かったわ〜…、!」
shp「別に何もしてへんけど、、」
ci「んふ、それでもいいの!」
shp「……、、」
もう……会えなくなってしまうのか…。
やだな。
彼は、初めて時間が過ぎるのが早い、と感じた。
ci「……shpに会えなくなるの、やだなぁ〜…」
shp「…ぇ…、、」
ci「また、会わん?」
shp「、! おん!!」
ci「にへ、! じゃあ、俺とshpが初めて会った、あそこで待ち合わせね、!! 」
バイバイ、と手を振り、ciは走っていってしまった。
また、会える。ciと。
楽しみやな、明日が。
「あの…shp様……、」
shp「ん? あぁ…すまんな。お前のこと忘れとったわ。」
後ろを振り向くと、執事が少し腰を低くして立っていた。
shp「じゃあ、帰るか」
今日は初めてのことが沢山あった。
そして、彼と_ciと出会うことができた。
俺は、ciの瞳のような綺麗な夕やけを見ながら歩き始めた。
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