さよなら

⚠︎ 死ネタ

ご本人とは関係ございません

＿

真っ黒なスマホからの　通知音が

静かな部屋に　響き渡る　。

メールが　届いたみたいで

中を見ると　、　ターゲットの情報が

箇条書きになって　丁寧に書かれている

そう　、　俺は　殺し屋

常人には　理解し難い　仕事

俺だって　好きでやってる訳ではない

…   それしか　道がなかっただけ

楽な事に　、　そのターゲットは

いつも　俺が仲良くしていた　桃だった　。

…   感情なんて　そんなもん

とっくの昔に　捨ててんだ　。

今更　思うことなんてない

📢　）　なぁ　、　今日　一緒に帰らね　？

🌸　）　ん　、　いーよ　（　笑

ここまでは　順調

問題は　この後　、

こいつは　真面目だから寄り道なんて

反対するに　決まってる　。

🌸　）　…  ？　紫　どーしたの　、？

📢　）　ｯ  、

…   まぁ　、　明日でもいいか

また　次の日

そのまた次の日も　、

一ヶ月経っても　数ヶ月経っても

そいつのことを　俺はなぜか　殺せなかった　。

ナイフを手に取ってみても

銃を構えてみても　駄目だった

いつしか　裏社会での俺は

怒鳴られるのが　当たり前になっていて

失望の目を向けられることも　多くなった　。

いつの間にか　、　桃の誕生日になっていた

おめでとう　、　と　一言　言うと

何故か　校庭の　桜の木下に　呼び出された　。

🌸　）　俺ね　、　紫のこと　好きなんだ

．　　　　…   だからね

．　　　　　好きな人には　幸せになってほしいの　。

…   意味がわからない　。

こいつは　自分の誕生日に　なんで

ナイフを　逆手で持っているんだろう　。

🌸　）　…   ばいばい　。

桜 の木下は　血の海で染まった　。

後から　警察や　先生に色々聞かれけれど

何も答えなかったからか　桃は

自殺と判断された　。

一瞬の出来事だった　、　でも　それでも

…    何故か　、　その時に舞い散った

血で染まった　赤い花びらは

今でも鮮明に　頭にこべりついて　離れてはくれなかった　。

あいつは　どんな気持ちで

どんな　心情で　あの

満開の桜の　前で　…

自分を　、　刺したんだろう　。

…  あん時

俺が　もし　殺してたら

どうなってたかな