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nmmn注意
ピピピッ…
甲高く部屋に響く時計の音
現在の時刻はAM6:00
隣に視線を落とすと
静かに寝息をたてて眠る初兎の姿が認められた
「おはよう」
そう言って静かに額にキスを落とす
初兎が起きない程の大きさの声で
初兎がこのキスの存在に気付かないように…
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
重い体を無理矢理起こして仕事場へ足を運ぶ
まだ仕事場にも着いていないのに
「初兎に会いたい」
そんな気持ちで胸が締め付けられる
俺が朝から夜まで仕事に行っているせいで
最近は初兎と会話を交わすことが出来ていない
初兎は寂しがり屋だ
おまけに不安になりやすい
だからたまにはゆっくりと会話をして
出来るならお互いに温もりを感じたい
でもそんな事、もう半年は出来ていない
「今日は帰りたいな…」
そんなお願いをしてデスクに向かい合った
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
独りの部屋で目が覚める
最近、大好きなまろちゃんに会えてない
厳密には会えているけれど
まろちゃんは僕が寝てる間に帰ってきて
そしてまた仕事に行ってしまう
もう半年はそんな感じで
毎日毎日
「今日は帰ってきてくれるといいな」
なんて、叶うのが難しいお願いをする
まろちゃん、お仕事、頑張ってるんだもんね
まろちゃんは
記念日はちゃんと僕に時間をくれるし
時間が取れなくてもプレゼントをくれる
大好きだから許せるの
でも…やっぱり
「寂しい…よ……」
そんなか細い声は
僕独りしかいない部屋に良く響いた
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
上司「いふ、ちょっと会議室来い」
「…?」
いきなり上司が話しかけてきた
普段だったら絶対にこんな事ないから
「資料ミスってたかな」とか
「取引無しにされちゃったかな」とか
俺らしくない事を考えながら会議室へ向かう
「すみません。遅れました」
上司「気にしないよ。そこ、座ってくれ。」
「はい、失礼します。」
緊張して早くなった鼓動を落ち着かせる
怒られるかな。クビかな。
上司「では、本題といこうか。」
「はい…… 」
上司「いふ、君に同棲中の彼女が居るというのは本当かな?」
「ぇ…あ、はい……」
上司「そうか。では、君はもう帰りなさい。」
「……え、?」
上司「だから、帰りなさい。いふ、ここ最近ほとんど帰えれてないだろう?仕事の方は君のお陰で落ち着いているからね。何時ものお礼だと思って、今日は帰りなさい。」
「っ、!ほんまにええんですか、? 」
上司「あぁ、何時もありがとうな。 」
「いいえっ!此方こそですっ、!ありがとうございます! 」
「久々に初兎とちゃんと話せる」
そんな事実に少し口角を上げながら初兎に連絡をいれる
『今から帰る』
𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄 𓐄
「ぇ、!?」
突然まろちゃんからはいった連絡
まろちゃんが連絡してくる事なんかほとんどなかったから心配の気持ちでメッセージを見た
そしたら まろちゃんから…
「今から帰る」
と連絡が入っていた
びっくりして思わず声を漏らしてしまったが
本当にそれくらい嬉しかった
そして僕もまろちゃんに返信をする
今日は張り切っちゃうな、笑
『ご飯作って待ってるね!』
第1話「会いたいな」 完