過去__半年前
風に舞う、青々としたクローバーを見た途端、身体の芯から凍りつく。
🐇「なんで…なんで、」
__見て、四つ葉!すごいね、いっぱい飛んでる。
__幸せの象徴だっけ?縁起いいね、写真撮ろ!
周りの声がうるさく響く。
幸せだとか、縁起が良いとか、
今の僕にとってはそんなポジティブなものじゃない。
これはきっと復讐。
あの日、僕がいむくんに送った手紙。
これと全く同じ、クローバーを敷き詰めた封筒に。
“僕だけ見ててよ”
なんて、ふざけた手紙を入れ込んだ贈り物。
彼を追い詰めるきっかけになった、あれ。
それがなんで今になって僕に届いた?
だって、僕がやったことは誰も知らないはずでしょう?
なのに、なんでこんな。
🐇「…なんで……」
呆然とする僕の目の前を、封筒から出てきた紙が飛んでいく。
🐇「あぁ”……っ…」
“見つけた。”
どこからか、彼の笑い声が聞こえた気がした。
💎__…ふふっ、笑
現在
💎__…ふふっ、笑
夢の中でアイツの声がした、気がした。
それを皮切りに、夢から急浮上する。
__「…あぁ…、」
まだ夢の中にいたい、アイツを見ていたい。
なんて思っても叶うわけなくて。
いつの間にか涙で濡れた瞼をこじ開ける。
守り切れなかったアイツ。
寄り添っていたら。近くにいたら。…もう少し早く、元凶に気づいていたら。
そう思う度、あの頃の自分の無力さを呪う。
でもきっと、そんな黒い感情ですら…絶望ですら、復讐の糧になるから。
それが終わるまでは、この思いは消さないように。
机の上に置かれた、アイツと復讐相手のお揃いのキーホルダーを手に取る。
これから身に起こることに、アイツとの関連性を匂わせるために。
より、追い詰めるために。
アイツが殺された状況と全く同じ場面、展開。
せっかく用意したんだから、最後まで。
向かいの家のバルコニーに、キーホルダーをぶら下げる。
それは光を反射して、俺の目にダイヤ型の光が映る。
__「…見てろよ。」
だって、こういう運命だったんだから。
少女レイ&×××××
曲パロ
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