俺は中3の時、ある幼馴染がいた。
髪色は緑色でモサモサしていて、
頬にはそばかすがあり、無個性だった。
そのくせ、正義感は人一倍強く
間違っていることは間違っていると
主張する奴だった。
だから、それが目障りで
俺はそいつを虐めてた。
「来世は個性が宿ると信じて、
屋上からのワンチャンダイブ!」
そう言い放つとそいつは
睨み返してきたため、黙らせると
結局何も言わずに俯いた。
「かっちゃん!!」
ヘドロに拘束されている俺を
救けるために突撃しているそいつ。
個性もないくせに。
そうこうしている間に
オールマイトの登場により、
事は収まった。
ーー君が、助けを求める顔してたっ!!
そんな言葉にも俺は拒絶し、
「俺はお前に助けなんか 求めてなんかねぇぞ!!! 助けられてもねぇ! 無個性の出来損ないが 見下してんじゃねぇぞ!! 」
「死んじまえクソナードが!!!!!」
あの場の誰よりも真っ直ぐに
俺を助けようとしていたそいつの
想いも行動も否定して、
全部、切り捨てた。
顔すら見ずにそいつから
背を向ける。
そいつが最後にどんな顔をしていたのかは
今じゃもう分からない。
それが、そいつを見た最後の日だった。
「実はな、1週間前あたりから○○くんとその母親が行方不明になっているんだ。」
そいつが学校に来なくなって、
1週間立った時、帰りのHRで
そいつが母親と一緒に
行方不明になっていたことを知らされた。
その後俺はいつもより早く家に帰った。
光己はリビングのテーブルで
顔を覆って項垂れていた。
「…今日、家に警察が来たのよ。
ご近所の証言からウチと
仲良かったことを知って
事情聴取に来たのよ、」
「……」
「…家の中、少し荒らされた
形跡があったんですって…
事件にまきこまたんじゃない
巻き込またんじゃないかって、 」
いつも元気な母親は別人のように
くらい声色で話す。
「どうしよう、
二人が帰ってこなかったら…」
ーー死んじまえ
その日、自分が投げつけた言葉の重さを
酷くもさ思い知り、後悔した。
結局、あの事件は今でも未解決なままで
俺は今でもそいつを探している。