長いよ
瑞類あり
司類あり
地雷の人サヨナラ
キャラ崩壊注意
通報やめてねえええ!
かつ、かつと音が響く。
暗くて冷たくて、寂しくて。
早く誰かに会いたいのをぐっと我慢する。
ここはどこだろう?
誰かいないのかな。
そんなことを考えながら進むと、見覚えのある後ろ姿が見えた。
ま「瑞希、…」
瑞「まふゆ?!」
瑞「よかった会えて!今迷っちゃっ」
ま「うるさいよ」
瑞「…え?」
ま「わーぎゃーわーぎゃーうるさい」
ま「早く出てって」
瑞「え、ま、…ふゆ?」
瑞「ど、したのっ……?」
ま「うるさい」
ま「どいて」
瑞「いっ゙……」
淡々とした口調でそう言い残すと肩をぶつけて歩いていってしまった。
いつものまふゆだけど、らしくなくて
何が何だかさっぱりわからない。
瑞「ど、どうしちゃったんだろ…、」
「……」
その時、ふと後ろに気配を感じた。
咄嗟に振り返るとそこには、ぽつんと奏が。
何も言わず、ボクを見つめてくる。
瑞「か、奏?大丈夫?」
瑞「まふゆのこと?確かに心配だけど」
がしゃん、大きな音を立てて落としたのはヘッドフォン。
ピンク色のヘッドフォンに大きめのヒビが入る。
瑞「ちょっ、奏?!ヘッドフォンが!」
奏「……いいよ」
瑞「え?どういうこと?よくないじゃん!」
奏「もういい」
奏「〝これ〟は必要ない」
いつもよりキツめの口調で言い放った奏。
壊れたヘッドフォンを放り投げると、どこかへ行ってしまった。
瑞「…あーあ、これじゃ使えないよ」
慌てて拾うが手遅れに違いない。
さっきまでのヒヒが、まるで仲を引き裂くかのように割れていた。
瑞「皆どこいっちゃんだろ」
もう一度会えるかも、と。
奏が去って行った方向に足を進めてみる。
「瑞希」
瑞「え?」
絵「瑞希♪」
瑞「あ、え、絵名?」
声がする方へ体を向けると
そこには絵名が立っていた。
妙にご機嫌そうに、にこにこしていて
なんだか少し怖く感じる。
瑞「よかった…、絵名がいて」
瑞「奏もまふゆも今日ちょっとおかしいんだよ〜」
絵「おかしいのはどっちだろうね?」
瑞「え」
絵「✘なのに可愛いものが好きってさ」
絵「おかしいじゃん笑」
瑞「は、…え、」
そんなこと言われるなんて思ってもみなかった。
瑞「きゅ、急にどうし」
絵「アンタはニーゴにはいらない」
瑞「っ゙、?!」
絵「だから消えて」
絵「ね?」
その言葉と同時に体を強く押される。
体が傾いてよろめいたボクは。
瑞「うわ゛ああ′′あ′′ああッッ′′~、?!」
急に景色が変わって気づくと教室。
さっきの絵名の言葉が嘘かのような賑やかさ。
瑞「っ、う…痛た」
「瑞希?大丈夫?」
瑞「ッ、…あ、杏」
杏「どうしたの?」
瑞「いや、ちょっとこけちゃって…笑」
杏「…ほら、掴まって?」
瑞「ぁ、…ありがと」
ぐい、と引き寄せられる。
体を起こしたボクをさらに引き寄せた杏。
瑞「え、杏?」
杏「瑞希」
杏「……いつまでも味方だと思わないでね」
瑞「へ?」
耳元で囁かれた言葉には裏切りの印。
苦しみが混ざる風が吹くと、もう杏の姿はない。
瑞「はッ、はっ′′、…え」
彰「暁山」
瑞「弟くッ、…!」
彰「もうお前に付き合いきれねえ」
瑞「あ、っちょ…?!」
冬「暁山」
冬「〝気持ち悪いぞ〟」
冬「彰人も嫌がっているだろ」
瑞「とぉやくッ…!」
瑞「やッ、え、あ、、!」
瑞「つ、司先輩!」
司「暁山」
司「もう話しかけないでくれ」
瑞「愛莉ちゃんっ…!」
愛「貴方のことは知らないわ」
瑞「そんッな、!」
瑞「雫ちゃんッッ…」
雫「私達、似てると思ってたのに」
瑞「はッはっ、ひゅっ、、」
瑞「皆ッ、みんなっ、!!!」
皆がボクから離れていって。
気づくとまた〝孤独〟
大切な人ができて、また見捨てられて。
その繰り返しがこれから先も続くんだ、きっと。
瑞「信じてッ、たのにっ、…!」
皆はボクのこと認めてくれなかった?
ボクは皆に嫌な思いをさせていた?
やっぱりボクのことを理解してくれる人はいないの?
「アイツが噂の奴じゃんww」
「まじでキモいw」
「周りと違って恥ずかしくないのかなw」
瑞「やだッ、…うるさいうるさい!!!」
瑞「か、なで!まふゆッ、絵名っ! 」
瑞「どこ、?!どこ?!」
瑞「置いてかないでッ!!」
瑞「嫌だ!離れたくない、!」
瑞「……ボクは、また…1人なのか」
「瑞希」
瑞「誰ッ…!」
瑞「もうボクのことを認めてくれる人なんていないってのにっ!!」
「そんなことないよ」
「きっと君にも認めてくれる仲間ができるさ」
「僕にだってできたんだからね」
「焦らなくてもいいんだよ」
瑞「うるさい!」
瑞「ボクはお前とは違うんだ!」
瑞「誰からも必要とされない存在なんだ!」
「そんなことないって言ってるだろう?」
「現に僕が必要としてるじゃないか」
類「瑞希 」
瑞「類ッ……?」
類「ああ、そうさ」
類「誰がどんなに否定したとしても」
類「僕は君の味方だ」
類「お互いに辛さを知っている仲間だからねえ」
瑞「っ…ぅ゛ぅッ、泣」
類「大丈夫だからッ…」
瑞「類っ……」
瑞「類、……」
瑞「あぁ゛……、あったかいなぁッ泣」
類の優しさが心に染みてくる。
中学時代、お互いが孤独に打ちのめされていた頃。
あの時から類は優しかった。
そして今も。
ボクを認めてくれるのは類だけ
ボクを裏切らないのは類だけ
類だけはボクの味方
ボクには類しかいないんだ。
「……ずき」
「…ずき!」
「瑞希!」
瑞「……ッあ、」
類「起きたかい?」
瑞「る……、い…」
目が覚めると、そこは屋上だった。
知らないうちにボクは寝ていたらしい。
類「大丈夫かい? 」
類「瑞希、泣いていたけど… 」
瑞「あ、………」
類に言われてようやく気付いた。
流れている涙を一筋、拭うように頰に触れる。
瑞「類ッ……!!」
類「……わッ、と」
瑞「類っ、…!類……、!」
怖い。
頭の中にあの時の恐怖が残っている。
また裏切られるんじゃないか。
実は皆、ボクのこと好きじゃないんじゃないか。
類「…大丈夫だよ」
ふわ、と類の手がボクの頭を撫でる。
あったかい。
安心する。
瑞「ずっと、……ここにいたいな…」
類がいれば何も怖くない
類さえいれば何もいらない
類が側にいればそれだけで十分だ。
類「フフ、君が落ち着くまでここにいるよ」
瑞「う゛んッ、……」
ぎぎ……
「類?!」
類「え?」
「何でお前、暁山と抱き合っているんだ!!」
声の主は司先輩。
司先輩が話すたびに、夢のことが脳裏に浮かんで身が震える。
類「あ~、いやこれは…」
司「お前、オレという彼氏がいながら他の奴と抱き合うとはなんだ!」
類「瑞希だからいいだろう?」
司「言いわけあるか!!」
瑞「ビクッ……」
司「じゃあお前は、オレが冬弥と抱き合っていたらどう思うんだ!」
類「仲睦まじいねえ、と思うよ」
司「それでいいのか?!お前は!」
瑞「あ、あ~ちょっとストップストップ!」
瑞「ごめんねー司先輩!」
瑞「おたくの類をちょっと借りてたんだ笑」
司「全く、暁山もからかうのはいい加減にしろよ」
瑞「あっはは〜、ごめんごめん!」
瑞「類もありがと!」
瑞「おかげで元気出た笑!」
類「瑞希…、!」
声が震える。
怖い。
思い出したくない。
司「ではそろそろ帰ろう!」
類「あー…そうだね……」
司「じゃあな!暁山!」
瑞「う、うん!」
類「じゃ、また明日。瑞希」
そう言って類が背を向けた瞬間。
激しい孤独と苦しみに襲われた。
類がいない。
心が空っぽで何も考えられなくなる。
瑞「はッ゛あっ、…ひゅっ、ふ゛ッ」
息が上手くできない。
頭がぐわんぐわんする。
類がいなくなるという事実に耐えられない。
瑞「ひゅ゛っ、…かひゅッ′′、」
瑞「る゛っ、……ひッ′′ッ…!」
瑞「はッ゛っ…、かは゛っ′′、!」
類「瑞希、言い忘れてたことがあるん」
類 「瑞希?!」
瑞「ふっ゛、…はひゅッ、う′′ッッ」
類「大丈夫かい?!」
瑞「ッッ、…(フルフル」
類「1度息を止めるよ!」
厚めのハンカチで口元を覆われる。
すぐに空気がきれて、息が苦しいことには変わらない。
類「1分止めよう」
瑞「んん゛ッんぐっ、ッ′′!! 」
類「暴れないでくれ!」
類「瑞希、」
瑞「はッ゛、はひゅっ……」
類「その様子じゃ1人では帰れなさそうだね」
類「送っていくよ」
類「その前に司くんに先に帰るよう連絡しておかないとね」
しきりにメールを打つ類。
瑞「類………」
類「瑞希?どうしたんだい?」
瑞「いか……ないで」
類「え?」
瑞「離れないで見捨てないで」
瑞「ボクのことを認めてくれるのは類だけだから」
瑞「類までいなくなったらボク生きていけない」
助けて助けて助けて
瑞「類…」
片依存って感じです
恋愛系にしたつもりはない
気づいたら3700字も書いてて笑える
終わる気しなかった
依存ってなんだっけ
コメント
2件
めっちゃよかったです!!! そして瑞類の依存ってあんまないのでめっちゃ見てて楽しかったです!!!