コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
璃子の恋を応援する!と意気込んでいたけど、最近どうも気になることがある。
それは――
**広瀬先輩が、西山先輩と璃子のことを気にしてる気がする。**
ということ笑
いや、厳密に言うと、**私が西山先輩と話してるとき、広瀬先輩の視線を感じることが多い。**
(……なんでだろう?)
***
**部活終わり**
私はテニスバッグを肩にかけながら、ちらっと広瀬先輩の方を見た。
(今日もまたこっち見てた…気がする。)
でも、話しかけるタイミングがわからなくて、そのまま帰り支度をする。
すると――
「おい、くるみ。」
「わっ!?」
突然背後から声をかけられて、心臓が飛び跳ねそうになる。
「先輩!?びっくりしました…」
「……最近、お前、西山とよく話してるな。」
「え?」
思わぬ指摘に、私は思わず目を丸くした。
「え、えっと…まぁ、そうですね。璃子が好きになっちゃったみたいで、応援してるんです。」
「ああ。」
広瀬先輩は、いつもの無表情を崩さないまま、何か考えるような顔をした。
(あれ…?)
なんとなく、違和感。
(なんか…納得してない?)
「先輩、もしかして……」
私は、ドキドキしながら言葉を続けた。
「西山先輩と璃子のこと、気にしてます?」
「……別に。」
(いやいやいや、絶対気にしてるでしょ!!)
こういう時の「別に」は、先輩が何か隠してるサインだって、私はもう知ってる。
「もしかして、先輩……」
私は思い切って言ってみることにした。
「西山先輩のこと、苦手だったりします?」
「……いや。」
「じゃあ、なんでそんなに気にするんですか?」
「……。」
一瞬、先輩が言葉に詰まる。
そして、少し目をそらしてから、小さく言った。
「……お前が、そっちばっか気にしてるからだろ。」
「えっ?」
(今、なんて言いました???)
頭が一瞬フリーズする。
「お前、最近俺のこと全然見てないだろ。」
「……!」
(それって、まさか…!)
「だから……」
「だから?」
「……いや、なんでもない。」
先輩は少し口を噤んで、そのまま歩き出した。
私はその背中を見つめながら、心臓がドクンドクンバクンバクンとうるさく鳴っているのを感じた。
(もしかして、先輩……)
(……私が、西山先輩と璃子ばっかり見てるのが嫌だった?)
まさかとは思うけど、でも今の言い方は……。
私は先輩の背中を追いかけながら、少しずつ確信に変わっていく気持ちを抱えていた。