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前回の続き。
歌詞パロ、死ネタ含まれております
🐙🌟『』
👻🔪「」
🥷🔫[]
💡〈〉
🤝〖〗
🌩️🦒〘 〙
となっております。
よければ推理…的なものをしていただければ喜びます(笑)
それでは
…
…
…
…
ですからもしもこの天の川がほんとうに川だと考えるなら、
その一つ一つの小さな星はみんなその川のそこの砂や砂利の粒にもあたるわけです。
つまりは私どもも天の川の水のなかに棲んでいるわけです。
「切符を拝見いたします。」
「さあ、」
「これは二.五次空間の方からお持ちになったのですか。」
「何だかわかりません。」
「よろしゅうございます。」
「おや、こいつは大したもんですぜ。」
「こいつはもう、ほんとうの天上にさえ行ける切符だ。」
「天上どこじゃない、どこでも勝手にあるける通行券です。」
彼が天国に行けるように祈っていてください。
星導と小柳の失踪から数日。オレ含め残されたディティカにオリエンス6人のうち、2人だけがこの真相を握っていた。
その1人はオレであり、2人が失踪する1日前。深夜1時に スマホが鳴り響く。眠い目を擦って こんな時間に誰だよ、と思いながら ブルーライトを目に浴びせては 、 るべという名前が表示されていて。電話に出るなり、『オレね、今から小柳くんのこと絞め殺すんですよね。』と告げる。正直、オレは何を言ってるんだこいつ。と思ったが、嘘とは思えぬ声のトーンと少し荒い息。嗚呼、こいつマジかもしれない、と思ってしまったが生憎、今は任務で遠出をしていてすぐに星導達の家へと行くことは出来なかった。だから、焦るように 〘待って、なんで。オマエ急すぎんだよ、事情説明しろって〙と 述べれば、星導は淡々と事の事情を話し始めたのだった。だが、聞いた事を後悔するほど重たく小柳の死への考えが煮詰まる時間は何処だったのか。そんなことを考えるようなヤツじゃないのに何故。と考えては、誰かの影響だったのか。とも思えて。だけど、考えている場合ではなかったから、小柳の話をある程度終わらせた後に 西の方へ用事があると言ってたことを思い出しイッテツへと電話をかける。時間も時間で出るのが遅かったがイッテツに焦り気味に事を説明すれば、〖オレ見てくるよあの二人〗と焦り気味に返してくれたものだったからそれを頼りにイッテツからの報告を待つ。30分経っただろう深夜2時、イッテツからの着信が来てそれに応答すれば〖ねえ、どうしよう。あの二人もう居なかった!!〗と泣きそうな声で告げるもので。そこからは、朝までイッテツと電話を繋いでもらい、オレは意見を言い、イッテツはオレの意見の元 外を走り回り 2人の行方を探した。が、見つかることは無かった。
そして2人が居なくなった報告を受けた数日後、亡くなった2人の身辺整理をする為に 任務がないライ、カゲツ、イッテツ、オレの4人は星導と小柳が暮らしていた家に集まった。最低限の言葉を交わし、持ち場を決めては無言で作業が始まったが、誰かが喋っても会話が続くわけでもなく、沈黙が続く。その時にカゲツが[見てよ、タコの真似!]とふざけ出しても、それが空振りへと終わってしまいライが〈カゲツ〉と声をかけ咎める。そうしてすぐに会話が終わってしまう。重たい空気の中、誰かが口を開くことなんて出来ない状況で部屋には静けさが含まれる物音だけが響く。
〘こういう時にるべが居ればな…〙と 不意に声を零してしまった。こういう気まずい空気の中、不謹慎にならない程度にふざけた発言をして場を和ませてくれるのは星導だったから。だからこそ、オレの発言に続くように イッテツが哀れみを持つ目で〖リトくん…〗 と何かを言いかけるがカゲツがそれに被せて[タコが居れば、この空気もちょっとは軽くなってるんやろね。]と 悲しげに漏らす。それにライは何も言わずに 何かを見詰めている。どこを見ているんだ、と目線のその先を辿れば、洗面所を担当していたイッテツの顔がうすら笑みを浮かべていて。そのことにカゲツも気付いていたらしく、オレとライを集め、噂話をするかのように [イッテツ壊れたんか………?]とカゲツが不安げに聞いてきた。そうすると気付かぬうちに背後にいたイッテツが割り込むように〖壊れてないよ!!失礼だなーほらいつも通り!〗と変わらぬ笑顔を見せてくれたことで 場は少し和んだが、オレ含め3人は イッテツのことが心配になった。
そこから数日、度々集まるようになったオレ達はイッテツを心配視するようになった。だって、突然にイッテツが 〖ねえ、みんなで一緒になろうよ。8人でオレらでしょ?〗なんて言い出すものだから。勿論、オレは反対したがカゲツはそれに賛成するような素振りを見せて、ライは何も言わず、複雑そうな顔をするだけで。思った以上に限界なんだな…イッテツもオレらも。と改めて思えば一層心配視するようになってしまったのだ。
目先のものしか見えてなかったオレにはバチが当たってしまった____。
るべとロウは死んでしまった 。 オレらに何も言わずに2人で焼死体となって。 その日からリトやカゲツ達がおかしくなっていくイッテツに心配の眼差しを向ける中、オレはカゲツにも心配の目を向けていた。だってそうだろう、カゲツは同じディティカであるロウとるべに憧れて真似していた部分などはあった。日に日に元気なカゲツではなくなっていることにも気付いていた。
だから、オレはお祭りへと誘ったんだ。お祭りの日にお散歩しない??って。
でもそれが間違っていたみたい_____。
星導と小柳が死んじゃった、2人で失踪して焼死体で見つかっちゃったみたい。正直最初は悪い冗談でしょ、と思ったけど、イッテツやライ達の反応をして嫌でも本当のことだって分かってしまう。2人に褒められたこのくせっ毛もボク自身の存在も2人から貰った贈り物も。幻影を追ってしまう。
全部失っちゃった。憧れの人が、大好きだった人が突然どっか行っちゃった。
悲しいな、この現実を受け入れたくないな。星導と小柳と話したいなと毎日思うようになった、それと同時に何処かが壊れたようになったイッテツを見ては心配と同時にイッテツも失っちゃうのかな、と恐怖も覚えて。
でも、イッテツが 〖みんなでひとつになろう〗なんてことを言い出した時はビックリしたけど、僕もアリだなって思った。だってそうしたら何も失うことなんてないじゃん、ずっと8人で居れるじゃん。それからというもの、イッテツの言葉が忘れられなくて死ぬことを考えることが多くなった、
そんなある日、恋人であるライが お祭りの日に お散歩に行こう。と誘ってくれた。ボクはめちゃくちゃ嬉しくて舞い上がった、だからこそ 不注意が起こってしまった____。
お祭りの日、人が賑わう中 オレたちは川沿いを歩く。横を歩く彼の顔が 久しぶりに心の底から笑えてる様で。とても嬉しくて、今までの暗い空気が今だけ吹き飛んだような気がしたんだ。彼とする他愛ない話に気を抜いていたんだ。歩いているうちに急にボクの肩から川へと一直進する僕のオトモ。それを追い掛ける。オトモが川へと落ちないように、そうしてオトモを追い掛けるうちに川へと落ちてしまい、戻れなくなってしまった。ごめんね、ごめんね。
でも、オレはこの展開を望んでいたのかもしれない。いや望んでいなかったのかもしれない。
今思えば、 オトモは浮いてるんだから濡れるわけが無い。ただビックリして追いかけた それだけで、カゲツの死は成立するのだろうか。もしかすると__もしかしなくても、カゲツにもやっぱり希死念慮は確実にあったのではないかと たまたまそれを、優しいオトモが感じ取ってしまい 手助けしたのではないかと。〈ねえ、カゲツからきこえちゃった?〉なんて言ってみてもこちらを見つめてくるふたつのまあるい黒目に濁りはない。当たり前だけど、これが 否 全てが悔しくて。
病室にて、オレはベッドに眠るカゲツに声をかける。
〈天国は遠いね、カゲツは如何惟う?〉と、息を引き取った彼に言葉をかける。天国は遠いからこっちの世界へと戻ってきてくれないか、[天国遠すぎたから戻ってきた!!]なんていつもの笑顔で言ってくれないだろうか。
オレの不注意で自らを犠牲にしてしまったカゲツにそう思ってしまう。そうしてひたすらに微笑えない冗談を積み上げては壊し続けた。
でも、もしカゲツが戻ってきてくれなかったら、オレの生きてる価値など無価値に近くなってしまう。だってカゲツが生き甲斐だったから、カゲツが居たからこそオレは2人の死も受け止めれた。だから、カゲツが居ない世界など意味が無い、死んでしまおう。と思い始めた。が、そう簡単な話ではなかった。だって仲間だって居る。残して死ぬなんて無責任な話だ。だから葛藤してしまう、カゲツの命とオレの命。そうしてオレが死んだら残されたマナやイッテツ、リトとウェンはどうなる?。そうして葛藤が繰り返された。
感情論理 考えを巡らせて 、
最終稟議 最後の決断を迫られて 、
妄想癖 あれこれ想像して 、
利益管理 オレと皆の命を比べて 、
錆びた審美 訳が分からなくなって 、
熟れう甘美 自分を優先してしまいそうになって、
溟い想像 カゲツの死を想像して 、
[〈棄て切れないよ、〉]
そうして、睡眠薬を投与しては夢を見て、睡眠薬を投与しては夢を見る。
永遠に覚めない夢へと入ってしまう。
私は、
神様の御ありになる天国に
人間如きが征けるとは到底、思えません。
I think it’s just go
死後幸福なんてウソだ、そう小さい頃から信じて生きてきた。それをカゲツにも伝えていたんだ、死んだ後も幸福なんてないよね。と、だからさ。遠い天国なんて行かずに オレと此処で話そうよ、天国になんて行けてないでしょ?
そうして目を開ければ、いつもの鉄道内。少し古びた、でも安心感を覚えてしまうようなこの鉄道にはいつも通りカゲツが居て雰囲気が星導と小柳に全く一緒の顔が見えない人。オレはずっとここに居たいと思えるんだ、何も暗いことは考えなくていい。だって落ち着くから、そうしてカゲツの横に座り話し始める。
〈ねえ、カゲツ。本当の幸い〉って、なんだと思う?と目の前に座るカゲツに問い掛ける。そうすると彼は [オレは ライ含めて7人が 本当に幸せになるなら、どんな事でもするよ。でもさ、どんなことがみんなの幸せなんやろなー、]と 足を揺らしながら 言えば続けて 〈オレはわかんない。でも、誰だっていいことをしたら、1番幸せになれんじゃないかなって思うんだよねえ。〉と言った。
だからオレは、彼が言うことに頷くしかなかった。だってオレはカゲツが言うことが間違ってないと思ったから。
でもそこに 小柳と雰囲気が似た顔の見えない誰かが 「オレもわかんねえな、ほんとうにどんな辛いことでもそれが正しい道を進むことに必要な出来事なら、峠の下りも上りもみんな本当の幸福に近付く一足ずつだからな」と言うのだ。声も雰囲気も言うことも小柳らしくて、オレはそれにまた 頷く。それも間違っていないと思ったから。
そしてまた星導に似た顔の見えない人が 小柳の横に座り 、 ただを手を繋ぎ 横をキープしている。それも星導らしくて、この2人が やっぱり小柳と星導がいる様に思えて。
この夢から覚めない事を祈る。だって3人の死を受け入れきれてないから ____ 。
そして眠っている間に カゲツと2人っきりになっていた。
〈2人っきりになったね、カゲツ〉と 手を取り見詰める。〈ねえ、オレカゲツの為ならなんだって出来るよ、カゲツの為になにかすることがオレの幸い。〉と言えば、[うん、オレだってそうだよ]と返してくれる。でも、それが本当の幸いなのかやっぱり信じ切れなくて、
〈ほんとうのさいわいは一体なんだろう〉と告げる。
それにカゲツは 、 困ったような顔をして 。 でもオレが大好きな犬のような人懐っこさのある笑顔で
[オレもわからんわ!]と 返してくれた。
オレが本当の幸いを見つけたら カゲツはきっとオレを褒めてくれるよね。凄いねって頭撫でてくれるよね。ね、オレ 幸い探しに行くよ。
だからさ、カゲツ待っててよ、銀河鉄道で 。
見つけ出したら オレ またここに来るから ___ 。
そうして目を覚ませば、「藥效成分」、「芳香臭」、「眞赤に點滅るネオンライト」
ここは手術台の上みたい。どうやら睡眠薬の過剰摂取で 死にかけたオレは胃洗浄されるらしい。いや、本当にそんな理由だったのかな、まあそんなことはどうだっていいよね。
ねえ、幸い見つけられるかなあ。
少し不安になるね 。でもさ横には カゲツがいて 。
麻酔で動かないカラダを無理言わせて手を伸ばそうとする。だけど、それは幻覚だったようで 瞬きをすれば消えてしまった。でも、死の淵に立ったオレが幸いを探しに行くことを 頑張れって励ましに来たんだよね、カゲツは。
オレ頑張るから、見ててね。そうしてまた目を瞑った、次に目を覚ました時には手術が終わってますようにと。
ライの為になら、ボクはアンドロメダになっても構わないよ 。そう願って、川へと落ちた。ライが幸せならそれでいいんだ、そうして意識を失った。
次に目を開けた時には、汽笛が鳴る。それはボクが死んだ証。昔、聞いたことがあるんだ、死んだ後に誰かとまだ一緒に話したい、まだ一緒に居たいと願った人がいると銀河鉄道に行けるんだよ、っておばあちゃんから聞いた。
だからさ、ライの為にって言っておいて僕まだ生きたかったみたいだね。ライは多分きっと辛かったよな、置いていってごめん。だから、夢で銀河鉄道に来てくれないかな、まだお話出来へんかな
そして銀河鉄道はとても綺麗で素敵な旅が出来るものだと思っていた。
だけどさ、そんな綺麗じゃなかったわ。
马兰花に覆われた硝子窓、戦争をも思わせるような荒廃した駅。
物静かなこの箱庭には 甘いエチレンで腐り果てていたんだ、イーペルのように、
その光景にボクは 1つのことを思う。 ライがこんな場所に行かなくて良かった、こんな景色を綺麗なライの目に映らなくて良かった、と思った。
綺麗な目にこんな荒れ果てた場所は映しては行けないから、僕はライに見せないでくれてありがとうねって褒めてもらえるよね。そうやって希望を持った。
そうして周りを見渡しているうちに 銀河鉄道が来る。中から顔のない人が出てきて、1人じゃなく2人。いや人と数えていいのだろうか、でも少し身構えると 丁寧が口調で敵意など全く感じさせない様子で
「切符を拝見いたします。」 と 手を差し出される、
ボクの片手には 銀河鉄道行きの切符が握られていた、だからそれを笑顔で差し出すのだ。 ライの夢の中で 銀河鉄道へと乗り込み、話すことを楽しみにして。
「さあ、」
「これは二.五次空間の方からお持ちになったのですか。」
「何だかわかりません。」
「よろしゅうございます。」
「おや、こいつは大したもんですぜ。」
「こいつはもう、ほんとうの天上にさえ行ける切符だ。」
「天上どころじゃない、どこでも勝手にあるける通行券です。」
そう2人の会話を聞いているうちに、手に握られていた切符が 特別な珍しいものだったことを知った。
そうして乗り込むのだ、銀河鉄道へと。
中には小柳と星導に似た雰囲気を持つ顔が塗りつぶされた人。2人は手を繋いでいて、顔が見えなくとも幸せそうだった。その光景を見て ライが愛おしくなってしまう、
いいな、あの二人みたいにボクもライと手を繋ぎたい。そう思いながら座席へと座る、ふかふかとしていて夢の中にいるみたいな感覚がした。
静かな空間、止まった時間。そしてゆっくりと動き出した、そして止まった。
今まで開かなかったドアが開いたんだ、そこにはライが立っていた、少しやつれた気もするけど相変わらず綺麗な顔をしたライ、ボクの大好きな人が。
「ライ!!」と、席から立てば 小柳と星導らしき人が 『「いらっしゃい」』と声をかけた。初めて声を聞いたんだこの2人の。2人と声が全く一緒だった、でもライも同じことを思ってるみたい、驚いてる顔をしてた。でも直ぐにこっちを向いて 「カゲツ、やっと会えた」と笑顔を向けてくれて。
泣きそうになったよ、ボクも 「待ってた」と返せば ライは抱き着いてくれた。その後に啜り声が聞こえて、ライもボクと同じ気持ちだったのかな。と思えば、ボクも抱き返した。
その日から ライはよくここに来るようになった。でも、ここに来るっていうことは ライはさ、いつも眠っているってことなんよな。ねえ、ライやっぱり此処に居ちゃいけないやろ、まだアイツらがまだ居るでしょ?イッテツ様子おかしいんじゃないの???起きて、ほらここに居ないで。と心の中で思うけど、やっぱりライが居るのは嬉しくて。そんなこと言い出せなくて、そしてライが 〈ほんとうのさいわい〉を探すようになった。それには星導らしき人も小柳らしき人も入ってきて、みんなで話し合ったんだ
そして考え込むうちにライは寝ちゃった、そしてその間に星導と小柳は降りていったんだ。南十字で、『後悔しないようにしてくださいね』「騙されるなよ」と 言葉を残して。
やっぱりあの二人はボクが大好きなあの二人だと気付いてからは何か希望が持てた。
そして目を覚ましたライと少し話せば、自信満々に〈本当の幸いを見つけてくる、〉なんて言うから応援してしまう。
でもさ、やっぱりさ。見つけなくていいからずっとここに居てよ。ボクやっぱり1人は寂しいや____。
[こんなせかいどうして…]
病室で目を覚ます、その瞬間に涙が溢れた。
やっぱりカゲツの居ない世界は怖くて、信じられなくて、希望なんてもてないよ、
『「こんなせかいどうして??」』と、疑う。
やっぱり幸いなんて見つけられる自信がなくなってきた、カゲツが居ないとオレ 何にも出来ない。
責めてくれたっていい、言ったことと違うって叱ってくれたっていい困ってる人助けろや!って言われてもいいからさ。今すぐカゲツの所に行っちゃダメかな?
なんて、 透明な言い訳を零して。
そうして、オレは退院後に 自宅に戻った。
そして睡眠薬を飲み、リンゴ を食べた。カゲツいまから行くね、そうしてカゲツとのお揃いの指輪を嵌めて川へと飛び込んだ。カゲツが死んだ場所と一緒。
頭の中では、カゲツと遊園地に行ってメリーゴーランドに乗った記憶。一緒に珈琲を飲んだ記憶。色んな記憶が蘇って、死んだ後もカゲツと思い出作れるかな、なんて思いながら目を瞑る。皆、ごめんオレは一足先に逝きます。一生恨んでくれたっていいから許してください。この行いを。本当に最後のお願いです。
〈ねえ、 銀河鉄道 迄 迎えに来て?〉
そう言って、オレはブルーシートのウエディングドレスを纏って そう願った。そうして目を覚ませば 銀河鉄道の中に居てカゲツが言った。 [迎えに来た]とそうして 銀河鉄道は動き出した。死を意味する場所、南十字 へと、2人で手を繋いで 、 エチレンの匂いがするリンゴを食べながらそれまでお話しよっか。
もう離れないね、ずっと一緒だよカゲツ。
ほんとうのさいわい > 2人が永遠に離れないこと
オレは、遺体安置室にて カゲツの袖に縋り付き頬を撫でた。そして カゲツの左手薬指にお揃いの指輪 という名目の 結婚指輪を嵌める。
〈結婚、しようね。〉としゃがみこみ 一人泣いた。
ロウとるべが死んで、カゲツが死んだ。そして後を追うようにライまで死んでしまった。ロウはるべに殺され死んでしまったるべはロウと一緒に焼死した、そしてカゲツは事故の溺死という名の自殺なのかもしれない。そしてライは、溺死に見せかけたエチレンガスと睡眠薬の過剰摂取による死亡。
ディティカとオリエンス合わせてめちゃつえーだったのに、ずっと8人だと思っていたのにオリエンスだけになっちゃった。
ロウは何があった、どうして死のうとした??死を神聖化するようなヤツじゃなかった。誰かの影響?何故、ロウの周りで何が起こった。誰も分からない、だってるべもカゲツもライも死んでしまったから。手がかりがない、イッテツも何も知らないと言っていた。
るべもどうしてロウを殺めるまで行ってしまったのか。普段なら冷静な判断をするはずの彼が、どうして。分からなかった、そんなに追い込まれていたのか。なあ、教えてよ。
カゲツも、本当に事故だったのだろうか。何を思っていたの、オレの前では普通だったじゃん。ライから聞いた、カゲツはオレの前では元気がなかったって。オレもカゲツの同期であり仲間だろ、大切な人だろ。なんで、なんで。いやオレが気付かなかっただけ?
ライだって、1回生き延びただろ。カゲツが居ない世界は息苦しかった?もっとオレらを頼ってくれたって良かったのに、1人で抱え込んでんじゃねえよ…。睡眠薬なんてどこから?エチレンガスなんてどこから手に入れたんだよ、なあ?
そうやって考え込んでは頭を抱える。8人にこだわっていたオレたち。1番こだわっていたのはオレなのかもしれない、なあ。ライさ、ロウ達の家から睡眠薬持って帰っただろ。ずっと不審に思ってた、家から出る時の表情が暗かった、何かを隠しているような顔をしてたから。
でも考え込んだって4人は戻ってこない現実を突き付けられる。4人の分まで生きなきゃ、オレ長生きしなきゃ。
イッテツの死も止めなきゃ。死なせちゃダメだ 、 死なせちゃダメだ、オリエンスで4人の分まで生きるんだ。
そして電話がかかってきた。そして言葉に出来ないことを聞いてしまった。
叢雲カゲツ 、 伊波ライの 遺体が消えた ____ 。
耳を疑った 、 誰が ? 何処に ? 遺体が消えるなんてことはあるのか 。 いや、ない 。
誰かが持ち去った ? そうとしか考えられないのだ、でも持ち去るなんて誰がそんなことを。でも、ひとりだけ 心当たりがあったんだ。最近、様子がおかしかった、うすら笑いを浮かべ続けていたアイツ、でもアイツがそんなことするなんてきっとないと信じきってしまう。恋人を疑うことなんて到底できない、きっとオレ自身も結構追い込まれてしまっているから心の拠り所が アイツしか居ないから。
でもさあ 、 やっぱり疑うんだよ。だって怪しいもんアイツ、おかしいもん。なんでアイツら死んだのにさ、よく外出してんの?家に居ねえの?連絡つかねえの?
なあ、教えてよ。オレにいつも何処か行く時に報告してたオマエはどこに行った?いつから無言で外出するようになった?そう思ったって本人には届きやしない。
だから、オレはアイツを信じながらも怪しむようにした。疑いの眼差しを向けた。なあ、本当にるべとロウの遺体ってさ、本物なの??全くの赤の他人じゃねえの?
だってさ、前に連絡が来たんだよ。焦ったような、困ったような声で 言われた、信じ難い事実を。でも焼死体なら 丸焦げで 顔も見えねえもん、アイツらに似た体格のヤツを殺して身代わりにすれば、偽造なんて簡単だもんな、でもさ信じたくなかった。あの二人の遺体は何処に?
何故、偽造した?何故、遺体が消えた?
なあ、オレもう訳分かんねえよ。頭パンパンだって、そうして部屋に籠る、生きることに執着していたオレが アイツら4人の死と謎から目を背けるように。スマートフォンから鳴り響く着信音 、 LINEの通知の音 、 家のチャイムが鳴る音 。 全てを無視して閉じこもったんだ 、 何も分からないオレから逃げる為。信じたいけど信じていいのか分からないアイツの顔を見れないから、声を聞けないから。いざ話すとなったら不自然になってしまいそうで、心の余裕を作る為。落ち着いたら謎を追うんだ、だからもう少し待ってて 。
星導ショウ、小柳ロウの焼死体は 、 DNAが一致せず 。
全くの別人だった _____ 。
叢雲カゲツ 、 伊波ライの溺死体は 、 跡形もなく
消えてしまった _____ 。