朝起きたら、見知らぬ部屋に真っ赤な痕を身体中につけた俺と、金髪のイケメンがいた。
だっ…誰だこの日本人離れした顔を持つイケメンは…
カーテンの隙間から差す光で起きた俺は、寝起きのふわふわした頭から秒で切り替わって覚醒状態になる
昨夜何があったのかなど、記憶がなくても状況が物語っている。
現にキスマークだと思われるものを身体中につけた俺と、背中に引っ掻き傷をたくさんつけたイケメンが寝てるのだ。しかも少しばかりか、尻に異物感も残っている。
はっきり言おう
「ヤった…男とヤった…」
発情期なんてものはない癖に…
ましてや、バースなんて性はない癖にどうして性欲が爆発したのか意味がわからなかった。
急に謎の恐怖心に駆られた俺は、ベッドから起きて、昨日着ていたであろう散乱したスーツに身を包む
そして、財布からお金を取り出してサイドテーブルに置き、「さようなら」と置き手紙をして先にチェックアウトをする。
自分が犯した過ちだろうが、ワンナイトの相手だ。
…遊びとして忘れよう。
どうせ、相手もそう思ってるから。
***
一回家に帰り、風呂に入ってから会社に出社した。
自分のデスクにつき、フゥーと深く息をつく
コト…という音を立てて、マグが置かれる。
「城田さん…」
「お疲れですね。何かありましたか?」
メガネをかけてキリリとした雰囲気を纏う城田さんは俺の同僚だ。
「いや…大したことないよ。いやあるんだけど、気持ち切り替えようと思って…」
城田さんが淹れてくれたコーヒーを飲みながら言う
「そうですか。今日時間あるなら飲みに行きますか?」
「うーん…久しぶりに行こっかなぁ…」
「予約しときます。」
もうちょっと可愛くできないかなーとか冗談混じりにウザ絡みしたら、「余計なお世話だ」と丁重に突っぱねられた。
***
城田さんと一緒に定時で上がって、馴染みの店に行く
注文した生ビールを2つ店員さんから受け取り城田さんと話す。
城田さんはメガネを外して目頭をぎゅっと抑える。慣れないメガネは辛いらしい。
城田さんは会社同僚である前に昔からの飲み友だ。いつも煌びやかな彼女が俺と同じ会社に入社していきなり印象がガラッと変わったのは結構びっくりした。
「で?何があったの?」
城田さんがいきなり砕けた口調になる
本人曰く、「会社じゃないんだから、外ぐらい許しなさいよ」らしい
「…ワンナイトしちゃった」
「…は?」
予想通りの反応です。
城田さん。あかねさんとは、砕けた話もしょっちゅうする。だから、彼女なら大丈夫だという絶対的な確信があった。
「で。目が覚めるのを待たずに逃げ帰ったと。」
俺は朝の出来事をそのまま話した。
「あんた。バカじゃないの?」
「はいそうですよね。分かってます。酒飲んで記憶なくしたのはバカです。」
「とりあえず。あんたが最後に記憶のあるバー行くよ。案内して!」
ハイ出ました。あかねさんの面食い。俺が危ないからやめてほしい
城田さんには後で報復される未来があるけど一応勝てる。
だけど、このあかねさんには最初から絶対に勝てないので、仕方ない。
***
「こんばんは。いらっしゃいませ」
黒髪が素敵な店員さんに爽やかな声で挨拶された
ここも馴染みの店だが、あかねさんとは初めてくる。
「すみません。2日連続で…」
なんだか申し訳なく感じて、謝ると爽やかな笑顔で全然大丈夫ですと言われた
注文するカクテルを聞かれたので、昨日頼んだものと同じ度数の高いブルームーンを頼む。
一緒のものを頼むのは、もしかしたら記憶が戻るかもしれないと、そんな淡い希望を抱いたからである。
***
「昨日金髪のイケメンここに来てませんか?」
直球で聞くあかねさんに俺がしどろもどろすると、そんな俺の姿が笑えたのか、
目を細めて笑ってから言ったーーーー
「金髪のイケメンですか…?来てませんねぇ…」
来てない?そうなると、途中で拾われた事になる…どこだろうか…
そんな事を考えていると、突然バイブ音が鳴る
「あれ?誰からだろう…」
あかねさんがバッグを漁る
「大丈夫ですか?」
硬直して動けない俺に気付いたのか、店員さんが心配してくれる。
「ごめん。俺だったみたい。ちょっと出てくるね」
そう言い残して席を立つ。
***
バタンと勢いよく個室のドアを閉める
トイレの蓋を開けて下半身の衣服を脱ぎ深く座る
トイレに来たんじゃない。
自分から鳴るバイブ音を止めに来たのだ
少しまだ濡れている尻の中に手を入れる
余韻なのかまだ完全には閉じきっていない為、2本程度ならすんなり入った
「ふっ…あぅ❤︎んッ…んはッ…❤︎」
全然届かない。もどかしさの原因は、まだまだ奥にあるのに届かない。
それよりか、心なしか、バイブがさっきよりも強くなった感じがしてーーーーーーーー
**気持ち良すぎてやばい…**❤︎
「んぁッ…はぅ❤︎…んッ」
やばい…イキそう…❤︎
「大丈夫ですか?」
店員さんだ。心配して来てくれたんだ。なのに俺は…
「だっ、大丈夫です!上司からの電話だったみたいで…」
そう答えると突然バイブがさっきよりも強くなる。
遊ばれてる…俺が危機とも知らない癖に
「世一ぃ…嘘はよくないなぁ」
突然声色が変わった
「ローターを抜いてほしいならそこのドアを開けないと…」
なんで俺がこの状況なのを知っている?
「なっ…なんで…」
「外までその喘ぎ声が聞こえて来てたぞ…よほどそれは気持ち良かったらしいなぁ」
しまった。聞かれていた。見苦しい喘ぎ声を…
「店員さん…その」
「店員さん?違うだろ?“世一ぃ”…昨夜あんなにヨガって来たのにもう忘れられるとは心外だなぁ」
あっ…あぁ…思い出した。こいつは。こいつは。ワンナイトのイケメンだ…
それなら扉を開けない理由もない。
だってこいつは俺の体を犯した奴だから…
鍵を開ける
ーTo be contentedー
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コメント
2件
この作品めっちゃ好きです~!!🥹👍🏻 続き楽しみすぎる🥹 主さんが書く作品全部素晴らしいです🥹👏✨