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3 - 透明な時計の男

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2023年06月29日

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メイは手と足を使ってどこに壁があるのか探ってみた。あたりは暗くてなにも見えない。でも、床に何か柔らかいような硬いようなよくわからないものがあった。カシャカシャっという音がしてなんだか聞いたことある音だなと思った。しかもちょっとだけ生臭い。これってもしかして…?

「……大きいゴミ箱の中にいるのかな…?」

その予想はビンゴでしゃがみながら開くと思うフタらしきものを両手で上に押した。するとそれが簡単に開いた。その瞬間冷たい風が髪をなびかせた。眩しくも暗くもない…ほら、夏って日が落ちるの遅いじゃないか?その夏の夜7時ぐらいの暗さで点々と火の明かりがついている。家が同じ感覚で置かれていて、家の外装が外国みたいな三角屋根で石の階段もあった。こういうのは初めて見るメイはこの風景に釘付けだった。少し変わった世界にきたんだ!とわくわくしているようだが…その反面、一人ぼっちというのが頭に浮かんだ。コンクリートみたいな歩道には誰一人歩いていない。むしろ、住んでる気配がしない…。ひとまずゴミ箱の中からでることにした。

「誰もいないのかな…。…、このまま誰もいなくてお腹空いて、死んじゃったらどうしよ…。」

最近の若い子供って過激的に考え過ぎだ。すぐに、不安になることを考える。少し自信のある希望を持ってその事実を受け止めてそれに対抗していくのが今のベストだと僕は思う。そうメイがいうと隣にあった石の階段の2段目に腰をかけた。これからどうしようか…そう僕がいっても見守ることしかできない…いつかメイのそばにいって助けたり、話したりしたいんだが…今じゃ多分できないか。てかなんで守りたいとか近くに居たいとか思うんだろう。僕は転生した、前の記憶もない奴なのに。もしかしたら死ぬ前に一緒にいたことがあったのか?全く覚えてないし、僕がどんな奴だったかも…分からないなぁ…。でもいつか思い出すことを願ってメイを見守ってるか…。メイはしばらく階段に座っていたが、暇で暇で…。とうとう立ち上がって、周りを歩き始めた。

「…!これって!動くお花なのでは!?すげぇ!」

メイは階段の隣に咲いていた左右に動く花を見つけ興味が湧いた。すぐ近くに動いてる花があったのに気づかなかったなんて…。それとなんだか…前までは住んでる気配なかったけど、今はワチャワチャしてるな…。みんな起きたのかな?良かった〜!私一人ぼっちじゃなかった!メイは安心を取り戻し、その花を後にして町探検をすることにした。それに合わせて、メイに面倒くさそうな視線を向けるものが…。

「…!また…か。人間がきたのはこれで3回目…。はぁ〜。久しぶりに面倒くさそうになりそうだぜ。あの二人だけでもう十分なんだがな。まぁ、人間を見逃すわけにはいかねぇ。懐かしいぜ…。」

と、言ったあとマントに付けてあった小さな時計の針を12に合わせた。すると、姿が見えなくなりどこにいるのかわからなくなった。

「さっ。みんなが居ない間にあの人間を捕まえなきゃな。俺は少し変わった警備員だしな…。」



「この電柱、よく見てみるとサメみたいな顔してる…なんかかっこいい…。」

と声を漏らしている。街探検はとても楽しいものでほぼここの街を知りつくしたようだ。まだ人影は見ていないが…。あと、あの花に名前をつけた。不思議なピンク色でかわいいっていうか美しいって言う言葉がふさわしかった。初めて美しいということを知った。その美しい花の名前は、スター・スペシャル・インパクト・ベル・ファイヤーブレイク・フラワー・ピック・スマッシュ。格好よくて、美しくて…まぁいろんな意味を詰め込んだ名前!あんなに生き生きしてるお花初めてだったしちょっと変わった名前にしようかなって思って。ニックネームはスター。お花の中で一番輝いてると思うからスターにしたんだ!毎日スターのところに行って水やりをして上げるんだ。絶対に、忘れたりしないからね!


「何笑ってんだ…人間…。今まで出会った奴の中でヤバそうだな…。まぁ、いい意味でだが?あの二人は話かけても問題なさそうだったから姿を消さなかったが…。こいつは例外。よりによって女だしな…。少し難しそうだが。」

というと、少しずつメイに近づく。メイはその電柱によりかかって手をぶらぶらさせている。全く気づいていないようだ。その透明な奴はメイの手を少し嫌そうに握った。

「?!な、なに!だれなの!?」

「……」

「離してよ!私なにも悪いことしてないじゃない!なんか喋ってよ!」

「…あー。」

「それだけ!?」

「あぁ。」

「…はぁ。なんかよくわからないのに捕まっちゃった…なんかうっすら見えるけど、よく分からないや。でもちょっと安心した。ここに人がいるんだなって。」

「…変わったやつだな。俺の予想だったが、泣いてうるさくなってどっか行って行方不明になるのかと思ってるたが。それが全部外れたな。」

「あなた!喋れるじゃない!あと私はそんな馬鹿じゃないっば!」

メイは初めて透明な人と話をした。これってとっても不思議なコトだけど疑問に思ってないのがすごいな…。僕だったら怖くて話にならないよ…。

「…じゃあ俺についてこい。ここは少し危険だ。手を引いてやるから歩いて行こう。」

「えぇー。なんであなたについて行かなくちゃいけないの?危険かなぁ?私にはそうは思わないけど…」

「お前はなにも知らないんだよ。…結構前の話なんだが俺の友達がはしゃぎすぎておっかないやつにぶつかってよ。それが案の定怒らせて、それに俺まで追いかけられて…あれはやばかったぜ。だからお前は…」

「はぁ、なるほど、わかったよ。」

「全然伝わってないな、まぁいい。早くいくぞ。」

「えぇ…。わかったよ。ついてけばいいんでしょ?はぁぁあ…。」

メイも透明なやつもどっちも呆れている。普通にいうとこれがいわゆる、相性が悪い!ということだな。どっちもバンバン言いたいこと言ってるから意見交換ができないんだろうな。

「そういえば、なんだけど。あなた名前は?」

「…。それどうしても知りたいか?絶対に必要ないと思うんだが…。」

「必要だよ!だってさっき階段のそばにいたお花に名前つけたもん!。」

「関係なくないか?」

「名前はね!スター・スペシャル・インパクト・ベル・ファイヤーブレイク・フラワー・ピック・スマッシュって言うんだ!ね、大事でしょ?」

「お前ネーミングセンスなさすぎ。長すぎる。俺だったらフラワーにするんだが。」

「それ短すぎ!愛がこもってない!」

と花の名前の言い争いをしている。仲は悪いが自然に話は出来るようだ。あたりは街から森に変わって道もゴツゴツになってきた。鳥みたいな不気味な鳴き声とメイたちの話し声しかきこえなかった。そして、二人とも面倒くさくなって話をやめてしまった。さっきまでうるさかったのに、しーんと…。静寂に包まれて。メイはこんなに静かなところだったんだ…と自覚した。一緒にいるはずの透明な人は話さないとどこにも居ないような気がして、だんだん怖くなってしまった。とうとう泣き出して姿がなにも見えない人に話しかけた。

「…ねぇ。あなたの姿が見えないからよけいに怖くなっちゃって…、なんか、もう一方の手も握ってくれない…?」

「…。お前泣き虫なんだな、…。でもな、両手をおれが握ったら俺前が見えないんだよな。どうすればいいんだよ、人間」

「じゃあ…お母さん見たく抱いてくれない…?怖いときって、近くに人がいるから落ち着くし…ほら、あなたじゃ透明だから私には見えないじゃない…?」

「…。なんで俺がお前を抱かなくちゃいけないんだよ…、しかも赤の他人だぞ…。俺に抱けるわけ…」

バッ…。

「……。」

「!お前…どんだけ悲しかったんだよ…。そっちからお願いしておいて自ら来るなんて…な。」


……そんなこともあったな…。あいつにも。もうあれが4年前なのか。

「……。くそ…!助けられないのか…!この人を…!俺は何があっても助けたいのに!俺のことはどうでもいいのに。…怖い。怖いけど!今やらないと意味がないのに…。」

あの日またあいつは、ヒーローになっていた



「頑張れ!もう少しだ!」


俺は、途中からあいつが頑張って命がけで助けていることを知って



「…!良かった!大丈夫だ…」


足は震えていて全身ビショ濡れで、俺は抱きしめて上げたり、声をかけてあげた

「…。うぅっ…。ぐずっ…。怖かった…けど助かって良かった…。ありがとう。……!」

あいつは人が良すぎる 優しすぎる でも それは 自分が弱いから 自分を 自分で痛めつけてる…



透明な奴はメイを強く抱きしめた。涙が出るのをこらえて。あいつはまだ小さい、幼い。この人間とおんなじぐらいだ。なのにどうして自分が怖くなるまで助ける?本当に…変で…いいやつなんだよ。

「……。ぐっ…。」

「…?」

メイは透明の人がとっても悲しんでるような感じがした。メイは話しかけながらゆっくり見えない背中をさすってあげた。

「透明さん?大丈夫?私より悲しんでるみたいだけど…。辛いことでもあったの?ほら、このおばあちゃんがくれた黒飴上げるから元気だして!私、飴よりチョコのほうが好きなんだ。だから上げるよ!あと無理な願い聞いてくれてありがとう!嬉しかった、この世界にこんなに感情を持った人がいるんだって…。大丈夫…。あなたは優しい。私がびっくりしたとき、わざと脅かそうとしたわけじゃなかったもんね。ね!だから、辛いことあったら私に言ってよ!一人で考えちゃうともうごちゃごちゃだもんね。透明さん大丈夫だよ!私がついてるからね!」

「お前…。なんで、俺の気持ちを知って…?」

透明さんはもう涙でボロボロだった。姿は見えないけどそう感じる。とても苦しかったんだろうな。この気持ちは誰にも分かんなかったんだ。でもあなたの気持ちは私が分かった。それで気持ちが溢れ出てきたんだ。よくわかるよ。

「だって、私は人だよ!人の気持ちがわからなきゃ思いやりなんてできないよ。」

「…なるほど。人間は気持ちが分かる奴なのか…。 お前名前はなんだ…?」

「あれ、さっき必要ないって…。」

「その話は撤回だ。俺はお前が気に入った。俺の名前はクロック。そして姿は…。こうだ。」

小さな時計を3に合わせた。すると涙で溢れた顔、黒いマント、くつが出てきた。なんと、お腹と太ももがない。なんて不思議なひと…クロックなんだ。

「!透明じゃなくなった!想像してたのとちょっとだけ違うけど。よろしくクロック!私の名前はメイ。人間だよー。」

「…。メイ?なんだかどこかで聞いたことがあるような…。まぁいい忘れた。気を取り直して行こうぜ、メイ。いや、人間のほうがいいか。あと…ありがとう。少し楽になったぜ。なかなかやるじゃねぇか!」

クロックがにっこり笑った。それにつられて私も笑った。そして道も開けてきた。クロックによるともうすぐでつくらしい。どんなところに案内されるんだろうか。またメイはわくわくが湧いてきた。あと、スターは時間があるときに植木鉢を持ってこっちに持ってこようかなとメイは思っていた。しかし、そのスターが恐ろしいことになることをまだメイたちは知らなかった…。





私スター。今からこの街を壊します。いいよね〜?






※気ままに制作中

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