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『舞台人形の踊り子』〜ミア(12)〜
私は舞台上でのみ生きる人形
舞台に上がり、踊り、拍手を受け、カーテンコール
これこそが私の生きる意味だった
その人形の役目がある日終わったのだ
嫉妬に狂い、歯車の取れたようなポンコツ人形が私を舞台から突き落とした
私の足は折れ、医者からは踊るなと言われた
来週に控える、人生史上最高の劇。
私を落としたポンコツ人形は私が落ちたことによって主役へと成り上がった
「私はこの体がどうなろうと踊らなければいけないの。そんなことぐらいわかるわよね」
「黒の王女様」
今目の前にいるのは未解決殺人犯のウボキという女
私を殺そうとしている…はずだ
「私は今あなたのことを殺すわけじゃない」
「じゃあどうして目の前に現れたの?」
「今回の公演に出れば足は壊れ、もう一生踊れない。そうなったら死にたくなるでしょ?
だから前もって来てあげたの」
「…まぁ、あなたの言う通りね。踊れなくなった人形は廃棄処分だもの
…せめて公演を見終わった後に殺してちょうだい」
「そうするよ」
最期の公演。
いつものように踊りは順調にいかないが、いつもよりも生きている感じがする
私に当たるライトが希望の光のように思えた
そして終わりお辞儀をした時。
希望の光は私目掛けて降りかかって来た
これで私の人生という名の劇は終幕した