コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
✧潔カイ前提
✧カイザーにねすが片思い
________
もしも魔法が使えたのなら僕はどうしていたのかな 。
カイザーに思いを伝えていた?もしくは世一を刺していたかもしれない 。
いくら泣いたって結果は変わらない、目を拭こうとハンカチを取り出した時涙とは違う軽い何かが落ちる音がした 。 ソレを確認しようと目を動かした 。
其処には酷く冷めた色をした蒼い星が落ちていた 。
「は、…?」
非科学的、というか魔法でしかありえない光景が眼の前に広がった 。
其の星はとてもカイザーの色に似ていたので壊さないよう大切にハンカチに包んだ 。
吃驚して涙は止まった 。
____
明るくなり昨夜より光を無くした星が便の中で弱々しく光っているのを横目に腫れた目を誤魔化すように笑顔を取り繕った 。うまく笑えているのかな 。
練習着へと着替え何時ものようにカイザーのもとへ行こうと足を進めたところどうやら世一が来ていたようだ 。
僕は邪魔なのかもしれない、そう思うとまた涙が零れた 。
神様は僕が嫌いなのか忌々しく輝いた緑色の星だった 。 苛ついたので踏み潰した 。
どうすることもできなく部屋の前で立ち止まっていると世一が出てきた 。無意識だったのだろう 、世一の上に乗り殴ってしまった 。
ボロボロと星を零し気が付いたときにはカイザーに頬を叩かれていた 。
「、カイザー!、 違うんです 、世一が 、… !! 」
「…クソ消えろ。頭でも冷やしたらどうだ? 」
視線を世一を向けると哀れんでいるような目で此方を見ていた 。
青い星を集めるだけ集め僕は其の場を去った 。
「世一、血が出ている。医務室にでも行こう。」
「ん…、ネスはいいのかよ?」
「放っておけ。風邪でも引いているのだろう。」
___
やってしまった 。無意識とは言えカイザーの大切な人を傷つけた 。間違いなく僕は嫌われただろう 。 目から溢れる星を止めることもできなくて唯泣くことしかできなかった。
__ どのくらい泣いたのだろう 、何時ものように星を瓶に入れシャワーでも浴びようと部屋から出た 。
「ネスか、どうだ?頭が冷えたのか。」
? … 綺麗な金色と青のグラデーションが効いた背の高い人が話しかけてきた。
でもなんだか大事な存在な気がしたので受け答えはしておいた 。
「何方か存じませんが頭を冷やすとはどういうことでしょうか?」
「つまらない冗談はよせ。世一を殴っただろう。」
「はあ…、その世一を殴ったのか知りませんが貴方には関係ありませんよね、、?さっさとどいてもらってもいいでしょうか。」
「…重症だな。謝りに行くのか?」
「面倒くさい人ですね。邪魔です。」
其の人を押し退ける様身体を割り込ませれば世一、という名の人へ謝りに行った 。
___
「世一はいますか?」
ノックを三回し聞いた名前を述べる。
「えッ、ネスか?どうしたんだよ、、まさかカイザーに殴られた?」
「?。謝りに来ただけです。…僕が魔法を使えたら貴方の傷を治せたんですけどね、。」
「魔法?ネスは魔術師だもんな」
「魔法、は使えませんが僕のお部屋にあった星の欠片を上げます、とても綺麗な蒼色で見ていて心が落ち着くんですよ。」
「へー?確かにすごい綺麗だな、、部屋に飾っておく!!ありがとうな!!!」
「いえ、元はと言えば僕が貴方を殴ってしまったのがいけなかったので、傷は痛みませんか?」
「ん!全然大丈夫!!足さえ無事だったらセーフ!!」
「そうですか…申し訳ないと思っています。病院代がほしいなら言ってください」
「いやいや!!いいって、!!マジでなんともねーから!ピンピンしてる!」
「貴方がそう言うならもう誤りません、、ところでカイザーとはだれですか?あの首元に青い薔薇の入れ墨が入った方でしょうか?」
「??そう、だけど。お前記憶でもなくなったのか?あんなにカイザーに尻尾振っていたくせに???」
「尻尾…僕とあの人はそう云う仲だったんですね。なにかとありがとうございます。」
「おー、、?カイザーに会いに行くのか?」
「いえ、少し練習でもしようかと。」
「はーん。無理すんなよ!!」
お辞儀をし医務室から出ればカイザー、という人に出くわした。
「世一に何をしたんだ。」
「謝りに来ていただけです。では。」
「待て、練習するんだろう?俺もやる。」
「はあ。世一のそばにいたらどうですか?」
そう吐き捨て颯爽と其の場から離れあの綺麗な瓶を眺めてから練習をしようと部屋に向かった。
___
「キレイだなあ、…」
つい言葉が漏れてしまうほど見惚れた。小さくキラキラと光る蒼い星に時折混ざって光る紫色のとてもとても小さな星。魔法使いが魔法を使った時の光みたいでお気に入り。
目に焼き付けた後練習場へ向かった。
___
「…バレなかったな、案外ネスはバカなのか。」
記憶をなくしたであろうペットの部屋に入りあたりを見渡す。
ベットの横にあるキラキラとした菓子のようなものが目に入った。
金平糖のような形をしていて光のせいなのか、妙に光っているような気がする。
一つ、蒼い金平糖らしきものを口に入れてみた。
パチパチと口の中で弾け存在のしない記憶が脳に流れた。
驚いてしまい記憶の内容があまりわからなかったのでもう一つ口に入れてみた。
実際に映像が見えるわけではないのだが、醜愛、恋慕、愛寵 。 醜い感情が全身を駆け巡った。
これはネスの気持ちなのか?気持ち悪くなってしまい其の瓶をわざと落とした 。
ガラスの割れる音で少し肩を跳ねらせた。地味に自身の髪色に似ている星を何個か踏み潰せば其の場を後にした。
__
嫌な予感がした。脳が激しく揺れなにか思い出す感覚。
、そうだ 。僕はあのきれいな星を流して記憶がなくなったんだ 。
どうせ無くなるならこの忌々しい気持ちも全部、全部なくなってしまえば僕は楽になれるのかもしれない。
「実践あるのみ、ですかね 。」
泣きたい、と思えば泣ける身体ではない。蒼い綺麗な星を手首に当てて左右に揺らせば少しは涙が出るかもしれない 、怖い 。怖いけれど気持ち悪い感情を殺したい。
震える手で蒼い星を握れば思い切り腕に突き刺した。
「ッ、ひゅ 、…あ” …いた 、」
恐る恐る手を離せば蒼い星が赤黒く染まりボタボタと血が垂れていた。
「ぁ、ひぇ…は、ー… ”げほ、ぐ 、ッぉえ…、”」
痛い、痛い痛い 。そんな気持ちとは裏腹に軽快な音を立て星は流れ落ちる。
脳がぐわぐわと揺れ誰かに助けを呼ぶ暇もなく浅い呼吸しかできない、
このままでは死んでしまう。痛む腕を抑えながら足を引きずりドアまで来た。
星を抜こうにも肉が食い込み涙が溢れ出る。この時出ていた星の色はきっと鈍く輝く朱色だっただろう。
静脈が切れた。いたい。助けてほしい、カイザー、… ?カイザー、ってだれだっけ、
「なんだ、ドアがクソ重いぞ。」
誰か来た、よかった、助かる?…
「_、!?ネス 、なんだ其の腕は 、クソ痛そうだが大丈夫なのか?」
「ひゅ、… ゎ”かん、な、いたぃ…です 、 」
「今から医務室に連れて行ってやる。其の腕が治ってから話をクソ聞かせろ。」
見覚えのある声に身を委ねれば痛い腕を無視して瞳を閉じた。
_____
「、、…あれ、」
「!。目が覚めたのか、全く俺に世話をかけさせて、どういうつもりなんだ 。」
どうやら深く星が入りすぎていたようで3日、眠っていたらしい。
眼の前にいる男に礼を伝えた。
「貴方が僕を運んでくれたんですね。有難う御座います。迷惑かけてすみません。」
「ああ。ところであの星はなんなんだ?」
「?貴方に関係ないですよね、、?貴方は僕のなんなんですか?、」
「クソ調子に乗るな。どうもこうも、ここへ運んできた時に言ったはずだろう?」
「はあ、すみません覚えていないです。」
「もういい。話にならんな。」
呆れさせてしまった。大事な存在だったはずなのに、でもまあ、
今の僕には関係ないか 。
ねぇカイザー、もしも僕が魔法使いになってもきっと…きっと君には甘い魔法なんてかけれないです。
「そうですか、では」
さようなら 。
_君を忘れたかった