エミリアが結婚式場でレグルスを待っていると大きな音が鳴り響きながら扉が開いた。「ああ、ごめんねこんなに可愛い子をここでずーっと待たせてしまって!君はさっきの衣装も良かったが今の白いドレスがとても似合うね、やっぱり君を花嫁にして良かったと今でも染み染み思う、やっぱり僕と君はとてもお似合いの夫婦だと思うんだよね!」そう言いながらここに入ってきたレグルスはさっき何があった誰にも分からないような笑みを浮かべながら楽しみような声で発言した。さっきまでとは全然違うレグルスの様子にエミリアは少し不信感を抱きながらも結婚式を続行していたが、「笑顔を禁ずる」と言う約束に対して理解ができずにいた。眉をひそめているエミリアに対して、そのことについて長ったらしい説明しているレグルスに対して口を開いた。「私ね、結婚ってすごーく幸せなものだと思ってるの」と言うと次はレグルスが理解できないと顔をひそめて「はあ?」と理解できないと言う言葉の代わりにため息をついた。その言葉に負けないとエミリアも「好きな人同士が、一緒にいたいって思ったことを形にする儀式。好きってすごーく大きなことだから、たくさんの人がいる中で一人を見つけて、そしてその相手もお返しみたいに好きになってくれて……それって、すごいことだと思うの」そしてエミリアはずっと自分の中にあった疑問な点をレグルスに投げかけた。「ねえレグルス、あなたはどうして゛奥さんたちを番号で呼ぶの?゛」そう聞くとレグルスはまた長い長い、説明をやりだした。その意見に反論するかのように言い放った。「……そう。でも私、スバルにエミリアたんって呼ばれるの、嫌いじゃないわ」 その名前の持ち主には少し心当たりがあった、「エミリアたんって呼んでくれる声に、スバルの気持ちが詰まってる。たまにエミリアって呼び捨てにされると、特別なときだってすぐにわかる。それが無駄なことなんて全然思えない。名前って、そういう想いが込められるはずだもの」あぁ思い出した!つい一時間前まで教育という名の拷問をしていた相手だと気付いた瞬間に口から笑いが込み上げてきた。エミリアが不信感と困惑の入り混じった表情をしながら「どうして、そんなに笑ってるの?」と聞いてきたからレグルスはこう答えた。「だってさあ、さっきまで痛い痛いやめてやめてって泣き叫びながら僕に向かって言ってた奴のことを簡単に忘れるわけないんだよねえ!いやあ傑作だったよ、思い出すだけで笑いが止まらなくなるぐらいに!確かに君の名前を出すたびに絶対に手を出すなって泣きながら言ってたんだよ!君も目がないよねえあんな奴のことを好きになるなんて、僕の方が二千倍は勝ってるって言えるのにさあ!」そう言われて気付いた。これがベアトリスの言っていたスバルを攫った白髪の男だということに、今まで気付けていた自分に怒りを覚えながらもその怒りの矛先はレグルスに向いた。
「貴方が、ベアトリスの言っていた白髪の男ッ、!!」怒りを声に乗せながら話すとレグルスは顔を歪ませ「あのさぁ、なんで旦那様に向かって怒ってるわけ?あんな奴がどうなったってどうでもいいでしょ?逆にいい気味だと思わないのかなぁ?」その言葉を聞いた瞬間に制御が効かなくなったエミリアは無意識のうちに氷をレグルスに向かって投げつけていた。だけどそんな攻撃は効くわけもなく、すぐに氷を破壊し、エミリアの首をスバルの時のように力を込めて絞め始めた。
「ぐ、ぅ…はな…….じてぇ!スバルを……たぁ….すけな……….きゃぁ……..…….!」と言うとさっきよりも首を絞める力が強くなってきた。そうしている間にいきなりドアがレグルスの方向へとぶっ飛んできた。
「エミリア様!ご無事ですか!?」と赤毛の髪を持つ最強─ラインハルトがきた。
「ゲホッ!ゲホッ!ええ、大丈夫よラインハルト、」とエミリアが言うとラインハルトが少し微笑むとすぐに表情を戻し、口を開いた。
「エミリア様、こんな状況の後にご無礼を言いますが、私が敵の相手をするのでエミリア様はスバルのことを探してきてくれませんか?」と言うラインハルトにエミリアはすこしも考えずに「ええ!もちろんよ!」と言った。
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その後すぐに結婚式場からレグルスの屋敷に向かったエミリアは見境なく扉を開けてスバルがいないか確認していた。「スバルー!何処にいるのー!」と呼びかけながら屋敷中走り回っていたが全然見つからない、もう死んでしまったのではないかと血の気が引いてきた時に、微かに血の匂いと枯れながら叫ぶ様な声がもう扉が空いている左奥の部屋から聞こえた。急いでその部屋に入ると、特に変哲もない様な部屋に見えたがもしやと思ったエミリアはベットの下にいると思って、力を込めてベットを動かそうとすると普通のベットでは考えられない様な軽さだったためダミーだと確信してベットを動かすと、地下に繋がる終わりの見えない様な階段が見えた。
「この下に、スバルが閉じ込められているのね、」エミリアはその先に進んで行った───
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暗い暗い視界が広がる、あの後俺は気絶したらしく今起きた。「いッ!だぁ、!ぇ…..みりぃ………….ぁ」自分で感じり声を聞いた感じ、痛みは少しは引いたがまだ全然痛いし、喉も枯れ枯れらしく本当にこんな使えなくなった自分が嫌になってくる。これでもしもエミリアに失望されたらどうしよう、みんな助けられなくてあの夢みたいに死んでいたらどうしよう、嫌な妄想ばかり頭の中で膨張してくる。初めの時からずーっとここでこう言う夢や暴力をされていたせいでストレスが限界突破したんだろう。
────目が見えなくなってきた
レムやエミリア、ベアトリス、ラム、ペトラ、他のみんなの目の色も髪の色も服も、一生見えなくなると考えただけでもう枯れたはずの涙も鼻水もどんどん出てきて、みんなに使えないなんて言われたら俺はどうなってしまうんだろうか、「あ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛ぁ゛あ゛あ゛ッ───!!」と誰にも届かない様な叫び声を発した数分後だろうか。もう聞きたくも無いこちらに向かってくる足音が耳に勝手に入ってくる、またレグルスがきたのだろうか、また首を絞められたり腹を斬られたりするのかな、──もういやだ
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やっと最後まで駆け下りると目の前に扉があり急いで開け中に入ると、部屋中に血の匂いが染み込んでいた。「ぅ、なんだかとーっても血生臭いお部屋だわ、っ!もしかして、この血、って、ス、スバルの、」それに気付いた時体が一気に冷え下がった。部屋に染みつくぐらいに血が出たなんて一体何をされたのかぐらい純粋無垢なエミリアでも分かる、意を決して脚を動かしたエミリアはスバルのいる所まで向かった。鉄格子の部屋が広がる場所でスバルを見つけるのはそんなに苦ではなかった、いや、逆に苦であって欲しかった。
「ス、スバルッ!スバルッ!!ごめん、ごめんなさい、ぅ…..うぅ……….…」エミリアが見たスバルは相当危険な状態だった。スバルの脚は太ももから下がなくなり、腹は斬りつけられた跡に、首にはエミリアと同じ首を絞められた痛々しい跡、腕には何度も何度も何度も斬りつけられた跡、そんなスバルを見たエミリアは脚が動かせなくなっていた。匂いが本能的に近づきたく無いと感じる、「で、でも、早く動いてスバルを助けに行かないと、スバルが、スバルが死んじゃうッ、!」覚悟を決めたエミリアは鉄格子を壊してスバルの近くまでよると、酷く怯えた様な表情をしたスバルが「ぃあ……..やだぁ….」と呻いていた。「ねえスバル!私の声聞こえるッ!?ごめんなさい、こんなに長く一人にさせて、」と言うと呻いていた声が止んで、手で隠していた目を開かせてこちらを見てくれた。「ぇ、みり…..あ゛?よ…..かっだぁ…..…、」と小さな枯れた声で言ってくれた、目で見えなくても分かる、エミリアの透き通って聞いているだけで安心できる声、もう眠りたいなぁ。
「やだ!スバル、お願い眠らないで!すぐに治療するから、死なないで、」すぐに治療魔法を開始のだが、少ししか治療ができないエミリアはスバルの腕と腹の斬り傷を治すことぐらいしかできない。焦りながら治療しているエミリアにスバルは「え…..みり…ぁ…..おれ゛の……….あじ…..さがじ………..……で…」そう言うとスバルは体を脱力して眠ってしまった。エミリアはスバルを起こそうとしたが、それよりも言っていたことがどうしても気になり脚を探すことに決めた。
コメント
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🫶
続きありがとうございますますます😭また続きを全裸待機しております(^o^)