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目が覚めると、私は浴衣に着替えて布団の中にいた。隣には、それはそれは美しい宇賀神先生の寝顔があった。
昨日の事を思い出してかなり赤面する私。
私はそっと布団を出て浴衣から、普段着に着替えた。
どうも、浴衣じゃ捜査の雰囲気が出ない。
「先生、先生…!
起きてください!」
「んー…
おっぱい…」
「何寝ぼけてるんですかぁぁ!?
このエロ男ぉぉぉ!」
私の蹴りが宇賀神先生の腹部にヒットする。
「ゴホッ!
…そんなに乱暴に起こさなくったっていいでしょ!?」
「せ、先生がいやらしいから…!」
私は言う。
「男なんてみーんな、いやらしいですよっ!」
「と、とにかく捜査の続きをしましょう!」
「はぁぁぁあ?
こんな天気のいい日にぃ?」
「雨でも雪でも関係ありません!
さぁ、朝ごはん食べたら行きますよっ!」
私は鬼の形相でそう言った。
♦︎♦︎♦︎
朝ごはんを食べ、私たちは捜査の続きに戻った。
昨日の聞き込みによれば、亡くなった|神田弘《かんだひろし》さんは、広島からの会社総出の京都旅行中だったらしい。
つまり、会社員18名と一緒だった訳だ。
物取りでもないため、恐らくその18人の中に容疑者がいると思われる。
が…
多すぎる…
18人にアリバイを聞いた所で…
しかし、一点有力な情報があった。
神田さんの死ぬ10分前の携帯電話には着信があり、|園田久子《そのだひさこ》さんという社員がかけていたらしい。
園田さんに事情を聞くと…
「えぇ、確かに電話しましたよ。
亡くなった神田さんはこの社員旅行のお会計係だったので、いろいろとそれを聞きました。
その時彼は確かに誰かと一緒にいるようでした。
なぜって?
「このペン直しといてくれんか?」って声が聞こえて、相手から「分かった」という声が聞こえましたから。
声の相手?
多分男性の声だったと思うけど…
ぼんやりとしか聞こえなかったので…
はっきりとは…」
と言う事だった。
「うーん、相手が男性という事なら…
18名のうち10名には絞れるんですけどね…
それでも多すぎますよねぇ?」
私は困ってそう言った。
「事件現場に少し用があります。」
「え?」
先生が言うので、事件現場に向かった。
「やはりそうですか…」
先生は言う。
「何か分かったんですか、先生!?」
「ここにボールペンが落ちているんです。」
「はぁ?
それが?」
「いえね、このボールペン、分解さらてるんですよ。」
「だから…?」
「鈍いですねぇ。
故・神田さんは、電話先で、「このペン直してくれんか?」と言ってます。
つまり、修理してくれないか?と。
犯人はそれをしようとしたのでしょう。」
「はぁ…
修理しようとしたボールペンじゃないんですか、じゃあ?」