「ねー元貴ー」
「どしたの涼ちゃん」
オフとは呼べないほどの数時間の話だけれど、久しぶりに恋人の涼ちゃんと二人きりで過ごす時間を取ることができた。
スーパーで食材を買い込んで、トマトパスタとキノコパスタを作って食事をし、軽くビールで乾杯をしてまったりと過ごしていた。洗い物をやってくれた涼ちゃんのためにお風呂を洗ってお湯はりボタンを押してリビングに戻ると、ソファに座ってぼーっとしていた涼ちゃんが顔を上げた。
間延びするやわらかな声に応じて横に座る。
「別れて欲しいんだけどいい?」
明日焼肉食べたいんだけどいい? と同じトーンで告げられた言葉の意味が分からなさすぎて、流石の俺もなんの反応もできなかった。
「……は?」
頭が真っ白になって、かろうじて絞り出した声はひどく掠れていた。口の中が急激に渇いていくのを感じる。
「ここに置いてある俺の荷物は捨ててくれていいし、あ、合鍵も返すね」
固まった俺に目もくれず、お揃いのキーホルダーがついた俺の家の鍵をリビングの机に置く涼ちゃん。
「うちにある元貴の荷物はどうする? 必要なら送るし、要らないなら捨てるけど」
「ちょ、ちょっと待って涼ちゃん、何言ってんの?」
「何って別れたいって言ってるじゃん」
「それが意味分かんないんだって! エイプリルフールは終わったよ!?」
「日付くらい分かるわ俺だって」
馬鹿にすんなよ、と呆れたように眉を寄せる涼ちゃんが、で、荷物どうする? と首を傾げる。
「……何で?」
「なんで? ……なんでか分かんないんだね」
「わかんねぇよ!」
なりふり構わず怒鳴りつけると、ご近所迷惑だって、と涼ちゃんがため息を吐いた。
「……自分の思い通りにならないといつもそうやって怒鳴るよね。すっごいワガママだし自分が絶対的に正しいと思ってるし。そう言うとこ、けっこう疲れるんだよね。元貴にとっては都合のいい相手がいなくなって不便かもしれないけどさ」
涼ちゃんが言葉を重ねるたび、頭の中がクリアになっていく。
「……つまり、今まで、嫌々付き合ってくれてたわけだ?」
「そりゃぁね。Mrs.のボーカルに言われたらねぇ」
あぁ、これが悪い夢だったらいいのに。
全然面白くも楽しくもないのに、口からは乾いた笑いが吐息としてこぼれた。
「出てけよ」
「じゃぁ別れてくれるんだね?」
「好きにしたら」
わかった、と涼ちゃんが頷く。ソファに置いてあったコートを掴んで、俺の横を通り過ぎていく。
「元貴、冷蔵庫にプリンあるから食べといて。今日中に、ね」
「うるせぇよ!」
壁を殴りつける。
こう言うところが、駄目だったんだろうか。
遠くの方でドアが閉まる音が聞こえ、場違いに明るい、お湯が沸いたことを知らせるメロディが流れた。
読んでくださりありがとうございます。
雑談? 相談? に少々お付き合いいただけると嬉しいです。
ひとつ目。拙作に♡やコメントありがとうございます。とても嬉しいです。
続きの🔞シーン書いてるんですけど、りょちゃん視点にしたら筆が止まった。うっそでしょ、って言うくらい書けなかった。今魔王視点で書き直し中ですが、校了したら没シーンとしてりょちゃんの方も載せてもいいですかね?
ふたつ目。このお話についてです。
これ、分岐点、というのか、展開にめちゃくちゃ悩んでて。今のところ3つくらいルートがあるんですよね。どういった展開がお好きですか? それともパターン別に書く?
コメントで助け舟をいただけるとめちゃくちゃ助かります。
みっつ目。更新頻度についてです。
今日まで毎日更新できましたが、第一次繁忙期に入りそうなので、更新が遅くなると思います。
できるだけ週に一度くらいは更新したいですが……みなさん筆早すぎて本当に尊敬する。まじすごい。すごすぎ。
私がズルズル長いだけなのか。
どうぞこれからもよろしくお願いします。
コメント
2件
1つ目3つ目了解です👍🏻 2つ目は忙しかったら1つ、自分が好きなので全然大丈夫だと思います。無理しないでください!