高校二年生になった春─。
新しい仲間と、
新しい教室で、
新しい自分になる。
いつも通りのはずの校門が やけに鮮やかに見える、
コツコツコツ
廊下に響く足音。
暖かい日の光に照らされる─。
初日に遅刻するのが怖くて早くに家を出たためだろうか、
周りに生徒ががほとんど居ない。
ガラガラ─
クラスを確認した後、教室の扉を開ける。
誰もいない教室。
清々しく空いた窓から、 暖かい風が頬を撫でると
桜の花びらが入ってくる。