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[はじめに]
検索避けの為に、名前などはぼかして記載します。
さのすえ⑱です。
よろしくお願いします。
⬇
「⋯じゃ、じゃあ、始めますか?」
「お、おお⋯」
2人は向かい合って布団の上に座り、なんとなくギクシャクしながら、見つめあった。
ここは、さのとせーやが2人で旅行へ来た先の旅館だ。
お互い初めて同性と付き合い、初めて2人で旅行へ来、そして今から、初めてのセックスをする。
同性と付き合うのは初めてなので、勿論お互い同性とのセックスは初めてだ。
付き合って数ヶ月⋯ここへくるまで、何度か試みた事はあったが、全て未遂に終わってしまっていた。
そもそも、そういった事をする為の体で産まれていないので、準備期間が必要だった。
今はネットで調べるだけで、色々な情報がすぐに出てきて、本当に助かった。
できるだけ2人で準備をし、前向きに
進めてきた。
それが今日、やっと叶うのだ。
しかし、2人は、とくにせーやはとても緊張している。
自分が歳上だという事もあり、できるだけリードしたいという気持ちはあるが、いかんせん経験が無い上に、身体的にも余裕は無い。
それに、さのの精神面も少し心配していた。
大人の男として、付き合ってこれだけの期間、体の繋がりがもてていないというのは、不安だろう。
それに、さのには今まで女性経験も無いとの告白も受けている。
どうやら学生時代の淡い恋は、淡いまま終了したらしく、そのまま体の経験はなく大人になってしまったらしい。
そのため、肉体関係自体が初めてというプレッシャーもあるだろう。
せめて、できるだけ良い記憶にしてあげたい。
「な⋯さの」
せーやは、さのの浴衣の袖をひっぱりながら緊張した声で「キスしよ」と、囁いた。
「ん、んん⋯ 」
併せた唇からくぐもった声が漏れる。
さのは、そんなせーやを薄目で見ながら、相変わらず可愛いと心の中で叫んだ。
掴んだせーやの肩からは緊張がうかがえる。
そりゃ、怖いよなぁ⋯せーやくん頑張ってくれてるよなぁ。
自分にできるのは、せめてリラックスできるように努めるくらいだろうか。
さのは、せーやの肩から手を離し、優しく抱き寄せた。
浅いキスをしながら、遅めのリズムで小さく背中をたたく。
しばらくすると、せーやの背中の張りが和らいだ。
とはいえ、さの自身も緊張している。
初めて好きな人とするのだ。嬉しさと、やっとだという思いでいっぱいだ。
今日の為に、充分準備や勉強はしてきたつもりだ。
それがやっと叶う。
高嶺の花だと思っていたせーやと、やっと恋人になれたのだから、待ち時間なんて短いものだった。
「せーやくん」
「うん」
どちらともなく、布団に倒れ込み準備にかかる。
浴衣の隙間から下着を剥ぎ取ると、いつものように、少しずつ秘部をひらいてゆく。
「んん⋯っ」
せーやの長い睫毛が伏せた。
今日までに、何度もしてきた行為。
さのに身を任せ、せーや自身はできるだけ体に力が入らないよう集中した。
「⋯ふっ、ン」
さのの長い指が、何度もせーやの中を出入りする。
しっかり塗ったローションが立てる音は、何度聞いても恥ずかしい。
音と感覚に集中すると、次第に性的な興奮を覚えてきた。
その証拠に、せーやのペ●スが反応してきている。
実際、気持ち良いかどうか、せーや自身わからないでいた。
勿論、今までの人生でそこを使った事は無かった。だから、物理的な違和感の方が強い。
それでも、大好きなさのが、自分とセックスをしたくて、あんな場所を触っているという事実だけで、気持ちは高ぶっていた。
「せーやくんもうちょっとしても、大丈夫?」
「うん⋯」
指を増やし、ゆっくりと出し入れを繰り返す。
圧迫感がある。
「はあ、ん⋯」
さのの顔を見てみると、いつになく真剣な表情をしていた。
あまり見慣れないその顔は、なんだか居心地が悪い。
「さの⋯」
「うん?」
つい呼んでしまったが、いつもの笑顔で返事が返ってきた事にホッとした。
「おれも、さのの触って良い?」
されてばかりでは、なんだ。
自分だってできる事をしたい。
「⋯⋯嬉しいですけど⋯ちょっとだけにして下さい⋯」
すぐイッたら、アカンから⋯
と、ちょっと恥ずかしそうに言った。