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注意※ 小説初心者です。
使い方がいまいちわかりません。
そのため、チャットは断念しました(泣)
BL表現が少しあります。
キャラの解釈不一致&キャラ崩壊あります。
以上よろしければ、本編へどうぞ!
………………
「………… 」
ここは、ある病院の一室の前。
その部屋には、生きている人がいるのにも関わらず、無音で、只ひたすらに静かであった。
そんな少し不気味な病室の扉の前には、黒と白の混ざった着物を着た青年が立っていた。
片手に薄い紙袋を抱え、立ち竦んでいる。
何もせず、ただ立っている。
〝 ……あの~、入らないんですか? 〟
その様子を見かねた、その場に居た看護師が、青年に声をかけた。
「 嗚呼、済みません 」
その言葉に、はっと我に返ったのか。
青年は顔を上げ、ドアノブへと手をかけた。
「……失礼、します」
ぺこり、と。
頭を少し下げてその部屋に入る。
人の生きている音のしない、無機質なその空間には、全身に包帯を巻いた青年が寝転んでいた。
太『 やぁ、青年 』
太『始めてみた顔だけど、誰だい?』
身体中に包帯を巻いた見るからに不健康そうな青年は、にこりと胡散臭く笑った。
その青年の名は、“ 太宰 治 ” と云った。
異能力、人間失格の持ち主で、
この世界に溢れかえっている異能の数々を触れただけで無効化する事ができる。
異能が全てのこの世界で、彼ほど驚異的な異能は他にないだろう。
そんな、最強格の異能。
勿論、そんな異能が当たり前にほいほいと使えるわけもなく、
彼が今、入院しているのはその異能のせいだ。
彼は、今。
異能の酷使が原因で、他社の異能を消すだけではなく、自らの存在である、記憶を消すという、
所謂、異能の暴走状態に陥っていた。
言い換えると、記憶喪失と云ったところである。
「……私は、ただの伝言係です」
「太宰治さんで、宜しいですか?」
太『そうだけど、何か?』
律儀に確認する俺を、怪訝そうに見つめる太宰。
伝言係、というのが今一頭に来ていないのかもしれない。
「貴方は、記憶喪失だと聞きました」
太『……いきなりだねぇ。まぁ、そうだよ』
「もう記憶は消えていってますか?」
太『うーん、いやぁ?多分まだ消えていないんじゃないかな』
「それは良かったです」
話の中で、彼の記憶喪失の進行状態、
同時に彼の様子も確認する。
見たところ、あまり変化はない。
何時も通りだ。
太『ところで、話を戻すけど君、伝言係って言ったっけ?』
「まぁ、はい……」
太『伝言係って、何のさ。予想はつくけど』
「嗚呼、やっぱりつきますか?」
太『そりゃあね……』
はぁ、と深々とため息を付きながら窓の外を見る太宰。
その様子に苦笑しながら、彼を見つめた。
おそらく彼は予想していたのだろう。
この記憶喪失が、止まることはないと。
「まぁ、そうですね……」
「貴方の予想通り、何時か貴方が忘れてしまうであろう彼等からの伝言を伝えるためのものです」
太『あぁ、やっぱり?』
「はい。彼等は諸事情により此処に入れませんので、急遽私が代理を務めさせていただきました」
太『成程ねぇ。なんで君だったのさ』
「その事情、まぁ此処に入る条件に上手く当てはまらなかったので」
太『ははぁ……』
何故条件に当てはまらなければ此処に入れるのか、普通であれば気になるであろう事柄に、
至極どうでも良さそうに頬杖をつきながら俺を横目で見る彼。
そんな奴を尻目に、
俺は封筒の真ん前にあった手紙を出した。
太『それは、君の云う』
太宰『彼等からの伝言、とやらかい?』
「えぇ、時間もありませんので、早速ですが伝えさせていただきます」
「貴方がこれから忘れてしまうであろう、彼等からの伝言を」
そう言って、俺は “ 中島 敦 ” と書かれた便箋を、
ゆっくりと開いた。
………………
はい、朗読お疲れ様でした!
手紙は思いついた方から伝えさせていただいていますので、あんまり順序は考えていません。
不定期投稿ですが、投稿まで怒らずに待っていてくれたら嬉しいです!
では、ここまで読んでくれてありがとうございました。
次回、またお会いしましょう👋