めりば
納占+探傭→傭占+探納
まったく探でてこないごめん(
メモ帳に書いたからいつもと書き方違う
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白い肌、桃色の頬。
普段は隠されている、水色の瞳。
高く整った鼻、薄く潤っている唇。
その全てが、大好きだった。
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「……イライさん。」
「おや、イソップくん!顔を見に来てくれたのかい?」
「はい。」
ゆるりと近寄り、その柔らかい頬に手を当てる。他の人ならこんな事しない。気持ち悪いから。形を確かめるように……なんて内心言い訳をしつつ、餅のような頬を撫でた。
「ふふっ…擽ったいなぁ……」
困ったように、口角をあげる貴方。少し見えた歯は歯並びがよく白くて、少しだけ犬歯が尖っている。八重歯のようだが、歯並びは綺麗なのでちゃんと犬歯。ちらりと見えた、てらてらと光っていた赤色の舌。
「…ありがとうございます。では」
__止まらなくなる。
これ以上見たら、きっとこの思いを伏せれなくなる。溢れ出した言葉を、優しい貴方はきっと聞いてくれる。けど既婚者がいる貴方に、嘘を吐いて欲しくないから。少し小走りで、自分の元いた暗号機に戻る。後ろを振り向く余裕なんてなかった。
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🔮
少しだけ血色の悪い、青白い肌、
人を寄せつけない灰色の瞳
普段は見せないけれど、その布の下にはぎらりと光る八重歯。
その口元が見えた人、私のこの瞳を初めて「持っててよかった」と思えた日だった
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🔮
「イライさん」
低いような、高いような声。彼の声だとすぐ分かる。嬉しみが声に出ないように落ち着かせつつ、わざわざ走って顔を見に来てくれたことに心を踊らせた。
素肌の頬に当たる手はやはり布越しで、少しザラザラとしていて。けれどその奥に確かな温かみがある。
……人の視線には、目敏い方だ。彼の目線が私の口元に運ばれている。細部まで見なきゃ行けないのは分かっているのに、刺さるようなその視線にからだのおくが熱くなった。
では、と駆け足で離れていく彼を見て、変わらないなぁ。と自分で分かるほど熱い吐息を吐き出してしまう
この気持ちは、死ぬまで隠すつもりだ。同性、しかも男。女性ならばチャンスはあったかもしれないが…きっと、私達が結ばれる確率は無いだろう。
…未来を視ないのか?って、ふふ…案外私は、メンタルが弱い方だから。
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🔮
ある日、傭兵の彼に呼び出された。
ナワーブが呼んでくるなんて珍しい…中庭に着くと、適当に足を広げてベンチに座っている。
「やあやあ。いい天気だね」
「ここじゃ天気なんてカンケーねーだろ。んま座れよ」
言われた通り、隣に座る。話す話題は無くて、気まずく目線を彷徨わせれば、ナワーブから口を開いた
「あんた、好きな人居ねえの」
「……え?」
…びっくりして、明らかな混乱の色を含んだ声を出してしまった。挽回するように「私に気があるのかい?」と笑い飛ばすと、「んな訳。んで?どーなの」とその真っ直ぐな瞳を…目隠しをしているはずなのに、全てを見透かされているようで。目が合った気がして、顔を逸らした
「…いるよ。」
「だれ」
「言わないさ」
やっぱりー?と笑うナワーブ。重苦しい雰囲気はどこかに飛んで、少しだけ安心した。その後はマップごとの立ち回りとかを見直して、解散となった。…いるよ、と答えた時。外からなにかが落ちる音が聞こえたような気がする…
「……あ、そうそう」
「ん、まだ何かあるかい?」
「教えてよ。好きな人。」
「……もお、君ったら…実はね、__」
「なんか察してたわぁ。応援してるぜ」
「…君だって、探鉱者の彼のこと」
「ぁー”!!!うるさいうるさい!応援してるからな!!!!!」
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⚰️
とある日。イライさんが、ナワーブさんに呼び出されているのを見てしまった。
出来心、好奇心…というのは抑えられず。どんな会話をするんだろう、と中庭の扉の前に行き、作業をしているように見せかけつつ中の声に耳を傾けた
「好きな人いねえの」
「いるよ」
___がしゃんッッ
ひゅ、と息が詰まる。僕は何を夢見ていた?
彼には既婚者が居る。よく話してくれる、綺麗な女性だと言っていた。ただ僕に優しく微笑みかけてくれるだけ、ただ僕によく話しかけてくれるだけ。そんなのは全て、あの人の優しさなのに。何を勘違いしていたんだ。動揺して持っていたバックを落としてしまった。最悪だ、最悪だ……慌てて拾う。胃から食べた物が逆流してくる感覚を覚え、口を抑えながら部屋へ戻った。誰にもすれ違わなかったのが、幸いだろう。
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🔮
今日は、…とくに、何も無い日。試合もなければ、ランクマッチもタロットもダブハンもない。平和だ……ペン先に行こうかなぁ、とは思ったが、昨日のナワーブの言葉を思い出す。応援してる…か。…
少しだけ、勇気を出してみてもいいんじゃないかな。
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🔮
「…居た、イソップくん!」
「…あれ、イライさん」
ぱたぱたと駆け寄る。大丈夫、いつも通り問うだけ。
「今、暇かい?」
「……ぁー」
知ってる、今日は試合も何も無かっ___
「すみません。試合が入ってて…」
「…ぇ」
…ぁれ?試合、今日は非番じゃ…私の見間違い?いやでも、しっかり何回も確認したはず
「……っごめんね!気にしないで」
「…はい。それでは」
私は結局、全員の自室に続く階段を上がるイソップくんの背中を見ることしか出来なかった。やっぱり同性なんて、お茶に誘われても嫌だよね。
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⚰️
頭が痛い。
僕の部屋は2階なのに。3階まできてしまった。降りる勇気と元気は無い。壁に凭れて、足に力が入らなくなってきて。ゆるりと床に尻を着けた。普段の僕ならありえない。
「…はぁ」
「…イソップくん?何があったの、こんな所で」
低い、少し枯れた声。顔を上げると、大きな体が目に入る。少し無理をして首を上げると、そこにはノートンさん。相変わらずデカイなぁ…なんて遠くに思いつつ、心配させぬよう重い体に鞭を打って立ち上がった
「……なんでもありません。」
「なんでもない顔じゃない。何。失恋した?」
「…… 」
こういう所で勘がいい。けどどこか、この人も同じ目をしている事に気付く。
「…奇遇だ。僕もなんだよね〜。」
「だからなんですか」
「…傷の舐め合い。僕の部屋、こない?すぐそこだけど」
頭が割れそうな程痛い。この痛みとぽっかり空いたこの酷く脆い心が、偽造の粘土で埋まるのなら。それがいい。
気づけば僕は、頷いていた
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🔮
あの後、結局ナワーブの部屋に雪崩れ込んだ。ただひたすら泣く僕を、ナワーブは何も言わずに抱きしめてくれる。
少しだけ体を離し、ナワーブの顔を見た
「…おまえ、目真っ赤だけど。」
けらりと笑うナワーブ。明らかな作り笑いなのを、僕は知ってる。目の酷い隈、赤い跡、僕と同じ目。やっぱり僕らは似たもの同士なんだ…と、また涙が溢れ出す。歪んでいるが、ナワーブの顔を見つめた。ナワーブもまた、視線を絡ます。こんなのただの、傷の埋めあい。ばかばかしい、なんて、きっと彼も思ってた。
数秒視線が絡まる。どちらともなく、顔が近付いた
甘い、少しのリップ音。ファーストキスはレモン味、なんて言うけれど。
彼の煙草と珈琲の匂いが交わって、苦くて仕方ない。鼻が、つんと痛んだ
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コメント
13件
ありがとうとても素敵な内容で私はしねましたわ……()
ネタが天才的だった