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sxxn赤黄ほのぼの、微R…?
ドジっ子👑さんを書きたかったのですが…あれ
※(特に🎮さん)口調掴めてませんキャラ迷子
テンションバグってる時に作りました
👑side
ある日の夜、2人でお鍋を食べながら一緒にテレビを見ていた時のこと。アナウンサーがこの近くのイルミネーションの紹介をしていた
静かな夜の、外の景色とは対照的にスクリーンいっぱいに広がる蛍光色
画面越しにも伝わるキラキラとした幻想的な雰囲気それに影響されたのか、彼の思いつきによって発せられた言葉
『クリスマスっぽい事したくね?』
ークリスマス1週間前、俺たちの物語はここから始まったー
バトル漫画の冒頭シーンに出てくるようなそんな大げさなタイトルコールはまさに今の俺たちの状況を表すのにぴったりだ。
そう今日は12月24日。”クリスマスっぽいこと”という事で今作っている”ある物”とは……
かっかっ…と規則正しい音が広がり、それとともに甘い匂いが漂う
黄「疲れたぁ…」
生クリームをかき混ぜる手を止め、少しの間簡単に手を休める
視界の端にちらりと映るのは『初心者向け簡単、猿でも分かるふわふわショートケーキの作り方!』と書かれたレシピサイト
名前からも分かる通り作っているのはもちろんケーキ、クリスマスの!
人一倍不器用な自信(?)のある俺にとってこのレシピサイトはもちろん頼りになる先生ではあるんだけど
さるでも…ん”ん”っ…w
何度も見ているのにやっぱり笑ってしまう
だってなんか煽り力高ない…?
これなら俺らでも作れるんじゃね?、そう言ってこれを見せてくれた彼は、さっき交代した時に良い感じのデコレーション買ってた気がすると言って自室に戻り材料探しの旅に出ている
一人で大丈夫か?と笑って聞かれたが…おれそんなに信用ないかなぁ!
…ただ不本意にも、そう言われてしまうだけ過去に失敗している自覚はある
なっちゃんに安心してもらうためにも十分気をつけんと!!
そう言って意気込むと勢い余ってボウルからクリーム飛び跳ねてしまった
あぶないあぶない、ゆっくりせんと
幸運なことに落としたのはちょっとだけ
…まだぜんぶ落としてないからせーふや
特大フラグを立てた事に気づかないまま慣れない作業に気を引き締め直した
いつの間にかかき混ぜている内に生クリームも随分と重くなってきていて結構疲れた
なっちゃんとさっき、ほんとにさっき交代したばかりやから…たぶん10分も経ってない、はず
それなんに、もう何十分もしているような気がする
お菓子作りって大変や…
ただ、初心者なりに計量など気をつけてはいるので結構上手く出来ているんやないかな
手を休める口実に冷蔵庫の中を見てみると、3,4時間ほど前に2人で焼いて作っておいたスポンジが。時間をおいたおかげで冷えていそうだ
そうこうしている内に紙袋を抱えてなっちゃんも戻ってきた
赤「色々あった」
黄「わ、いっぱいやね。なっちゃんありがとぉ」
その中に入っているのはチョコスプレーや銀色の…何やったっけあれ、え~っと…銀色のつぶつぶしてるやつとかいろいろ!
カラフルなのばかりなので飾り付けが楽しみだ
赤「いやいやみことのがお疲れ様、これ置いたら代わるけぇ」
黄「ん!」
…ただ段々と完成に近づいている事を実感して浮かれたのか
それともなっちゃんが戻ってきて安心して気が緩んだのか
すこんっ
黄「へぁっ…?」
なんか小気味の良い音が鳴ったな、と思ったら手の中からボウルが消えていて、上を見ると一瞬銀色の表面が照明に反射してキラリと光るのが見えた
赤「あ”」
空中に放り出され傾いたボウルは、綺麗な放物線を描きながら
…俺の頭にクリーンヒットした
いや、そうはならんやろ
そう呟いて頭を抑えるなっちゃんの姿が一瞬見えた気g
黄「ぅあ”」
まだ完成前のふわふわしてない、どろどろの生クリームもどき?に視界を奪われる
と、同時にぼんやりとしていた思考が冷たい感触によって引き戻された
やってしまった…
前が見えない
咄嗟になっちゃんがタオルをパスしてくれたので顔を拭くと床がすごい汚れているのが見えた
黄「あ”ぁぁぁ…」
全部どろどろ
なっちゃんが新しいタオルを持ってきてくれているがその間にも染みはどんどん広がっている
慌てて床を拭くが、大量に作ったためかタオル1枚くらいじゃどうにもならない
なっちゃんと頑張って作ったのに俺の不手際で…
本当に申し訳ない
ほんま、おれ何やっとるん…
黄「なっちゃ…ごめ…っ」
おこってる、かな…いや、おこってるにきまっとるか
こわくてなっちゃんの顔が見れない
赤「……」
べろっ
黄「ぃぇっ!?」
!?!?!?
何か、っえ、なんか、ほっぺなめられた…!???
??え、なっちゃん…、?
赤「っははwwみことすげぇかお…っw」
悲しみ所か申し訳なさも全部吹っ飛んで 何が起こったのか分からず目を白黒させているおれと対照的になっちゃんは耐えきれない、といった様子でけらけらと笑っている
赤「あはははっっ…ふ…っw…ごほっww」
黄「もぉ、なにっ?」
なんかつぼったのか、あまりにもずっと笑っているのでこっちが置いてけぼりにされているみたいでちょっと腹が立ってきた
なんか…なんか…ふん!
頬を膨らませているとごめんごめん、と言ってきたが全然反省してなさそう
赤「だってみこと床拭いてるけど、クリーム垂れてんじゃんww」
黄「あ、ほんまや」
なっちゃんの指摘通り髪からクリームもどきが滴り、拭いたところもまた濡れていた
焦りすぎてて全然気づかんやった…
赤「みことはテンパってて気づいてなかったんだろうけど、全然気にしなくていいんだよ。 だから謝んないで?」
黄「っ!…うん…」
そう言って慰められるとさっきまでの悲しい気持ちがすっと引いていった
…もしかして、おれを元気づけるためにわざとやってくれたのかな
なっちゃんはすごいなぁ…
赤「……」
さっきまでと雰囲気ががらっと変わり、無言になった彼
黄「な、なっちゃん…?」
はなとはながくっつくくらい近づかれて、ドキッとする
じ~っと顔を見つめられて居心地が悪い
赤「ん~?なんかこうやってみるとさ~」
頬に手が添えられ濡れた髪に優しく手が通されるとちょっとくすぐったい
赤「みことがケーキみたいだなぁ、って」
黄「けーき…?」
おれが…?
訳も分からず復唱すれば軽くキスされた
黄「ん…っ」
赤「ふふ、良いでしょ。俺だけのケーキ…♡」
赤「このまま喰べちゃおっか」
黄「ふぇ…//」
かぁっ、と頬に朱が走る
見せつけるようにクリームで濡れた手を舐められて、耳元で囁かれた内容が分からないほど無垢ではない
黄「でっ、でもまたケーキ作んないと…」
赤「そっちはあとでまた作ればいいし」
そう言って なっちゃんの透き通った赫はおれの瞳をじぃっと見つめている
喋っていないと、見られている事に意識が向いてしまって恥ずかしい
次第にどろりと身体に甘く痺れるような熱が走り、ぐるぐると思考が溺れ、何も考えられなくなって行く
どちらが先に耐えられなくなるのかの勝負
……
今回はおれの負け
黄「ねぇ、なっちゃん」
赤「ん…?」
黄「たべて、いいよ…?」
取って付けたような言い訳の言葉ははるか彼方へ消えてった