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・一次創作
・百合
・自己満
何でもありな方のみどーぞ
「ね、すきだよ、絶対結婚しよーね。」
『当たり前だよ。ずーっと好き。』
突然好きだと言われて驚嘆した。
恥ずかしがって滅多に口に出さないのに。
ましてや結婚のお話。
確かに結婚出来たらいいのにとは何度も思ったが、それはなんだか重い気もして。
結局言えないでいた結果が今。
向こうから言ってくれてすごく嬉しい。
彼女が甘えてくるなんてそうそう無いし。
それにしても今日はやけに甘えんぼうさんだ。
『ね、なんかあった?』
杞憂だとは思うが、一応聞いてみる。
恋人の悩みは早く解決してあげたいし。
「いや、特には、ない、かな?」
分かりやすい。
何かあるときの反応だ。
変に催促するのも少し違う様な気はするがやっぱり気になってしまう。
『なんかあるなら知りたいな。』
言い方が悪かったかもしれない。
言葉って難しい。
「いやね、大した話じゃないよ?」
『それでも聞いてみたいな。』
意外と大した話じゃないと言われた話ほど事が大きかったりもするものだ。
彼女の話は特に知ってみたい。
「あのね、もし結婚出来たとして、周りの人は、っどう思うのかなって、。」
どうだろうか。
同性愛に理解がない人が多いのは事実だが、その内理解されていくかもしれないし。
『どうだろうね。周りにどう思われてもさ、ふたりで一緒に居られたらきっと幸せだよ。』
少なくともそう思っていたい。
大好きな人ふたりでいられる時間はどんな恋愛でも貴重だ。だからこそ大切にしたい。
「ふふ。理解されなくても一緒に居られるなら何でもいいかも。」
『よかった。』
そう言い彼女と抱き合った。
彼女は少し震えているような気がした。
そうだよね。怖かったはずだ。
言い方には少々問題があるかもしれないが、同性愛者は生きてきた難易度も、これからのハードルも普通より高い。
理解されない苦しみも、他と違うこととの葛藤も、ひとりで抱えなければならないことが多い。
互いの理解の元で付き合っているから、離れるのは不安だ。彼女はそれが心配だったのかもしれない。
「ね、ちゅーしよ。」
『いーよ。』
そう言い落とした口吻はどんなのよりも甘ったるくて。
酔ってしまう程に甘ったるくて。
『あいしてる。』
「へへへ」
彼女は嬉しそうだった。
笑顔を見ることが出来て安心した。
「ね、手だしてよ。」
『ん、はい。』
何が始まるのやら。
彼女にされることなら何でも良かったりするが。
「んむっ、ん」
『い”っ、へっ、?』
左手の薬指に彼女の歯型。
頬が真っ赤に染まる。
「ゆびわ。ぜったい結婚しよーね。」
『うん。綺麗なゆびわやね。ありがとう。』
彼女がくれた歯型は宝物。
一点物。
彼女にしか生み出せない素敵な物。
いつか結婚できますよーに。