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突然だが、俺は同性愛者だ
自分だって同性愛者は違う人から見たらキモイと思われるって分かってる
だから
この事は高校からはまだ誰にも言っていない
それと、俺(小林湊)には過去に大きなトラウマがある
────────────────────
それは俺が中学二年生の頃だった
「なーんかつまんねぇなぁぁぁ!」
と、俺の親友、山口が言った
「つまんねぇってなんだよ」
思わず俺はツッコんだ
「こぉ…なんか、えぇ?!そうなのぉ?!っていう経験がしてぇ」
何言ってんだこいつ
「あっいい事思いついた」
大体山口の言ういい事はいい事ではない
と、思っていると横から山口がとんでもないことを言い出した
「暴露大会、とかぁ?(ニチャァ」
「ば、暴露?」
「そー!暴露大会!」
今回もだ、全然いい事じゃない
「んじゃ!どっちから言う?俺?」
「出題者がお前なんだから山口から」
「おけまる水産 」
「…… 」
何言ってるのか意味不すぎてスルーした
「まっ、俺の暴露いっちゃいまぁす! 」
「いけいけー 」
「なんと、俺実は…ちんこついてない」
「は?」
山口はいっつもくだらん嘘をつく
どうせ今回もそうだろう
「嘘とかいーから、どうせ今回も…」
と、言い終える前に山口が
「そんなに疑うなら俺んココ見てみる?」
ココ、と言いながら山口のアソコを指差して言ってきた
「おぉ上等だ」
いつもの山口ならここでもう嘘だと揶揄ってくる。だが、今回は違った
「…?見ねぇの?」
俺は困惑してしまった
いつものおふざけモードではなく真剣モードで語ってきてるのが
「え、お前…マジなん?」
「マジよりの、マジィ」
ここまで認めてくるといつもの山口じゃないので、俺まで納得してしまった
「…まぁ、あ、お、お前にち、ちちち、ちんこがあろうがな、なかろうが、山口は山口だ」
俺は山口にちんこがないと聞いた後、猛烈に山口のことを意識してしまった
「ま、んなことは嘘だけど」
そう言われた瞬間、俺は初めて殺意というものを知った
「ま!次はお前の番!」
山口お前なんも暴露してねぇだろ、とも思いつつも渋々暴露した
「ぜ、絶対引くなよ?」
「おー!引かねぇよ!大切な友だから」
俺は山口の言葉に甘えて
「じ、実は…同性愛者なんだ…」
「えぇ?!そーなん!」
「へ…?」
山口はいつも通りだった
「なな!同性愛者って事はぁ俺ん事…好き?」
「いやいやいやいや、山口は親友」
「あーやっぱそうだよなぁ〜」
流石に同性だったら誰でもいいってわけじゃねぇからな!と、2人で健気に笑い合っていた
でもそんな幸せは一瞬で壊れた
「ええええ!小林君って同性愛者なん!!?」
「は…」
こいつは非常識か。 普通こういう事大声で言わないだろ…勘弁して
「おい!そういう事大声で言うなよ高橋! 」
咄嗟に山口が注意してくれた
そう、俺の幸せをぶち壊した源…高橋和葉。性格悪いのになぜか人気者、賄賂でもやってんのか。
「いーよ…山口、」
「いいよって…誰にもバラされたくなかったんだろ?」
「そだけど…もうみんな聞こえちゃってるっしょ」
「っ…」
あー…見たくない
俺より辛い表情してる親友のこと
いろんな感情がごちゃごちゃした顔だ。
「あ、小林君さ!後で俺んとこ来てね〜!
じゃまたね!」
は?なんなのアイツ
こんな事しといてなに蔑ろにしてんだよ
正直色悪い
「…ごめん…俺のせいで…」
「えっ…いや、俺が同性愛者って言ったからこんな事なことなっただけで、まじで最高100だったら山口は60ぐらいしか悪くない 」
「ははっ笑それ俺が悪いじゃん笑」
「ごめん笑冗談笑」
よかった、笑ってくれた
「取り敢えずもう今日は帰ろ」
「え、でもさっきこばっち呼ばれてたくね?」
「いやいや、あんな事してきたやつのとこなんか行きたくない」
「あ、確かにw」
「今日ゲーセン寄ってかえろーぜー」
「おっサンサー」
その日から中学時代はずっと同性愛者のことをいじってきたり、変なあだ名もつけられたり、陰口とかいじめをされてきたけど、全部山口が救ってくれた。俺が落ち込んでる時にそばにいてくれたのは絶対山口だった。
まだ、ここまではよかったんだ…いや、山口を傷つけたのは許さないけど、
ある日…
「おはよー同性愛者こばっち〜」
「うるせぇ!同性愛者同性愛者うるせぇんだ!」
あ、また救ってもらっちゃった
あ、因みにこばっちとは俺の愛称だ
「っ笑ありがとな」
「っ…\\\ま、まぁな!」
「あー流石にもう慣れてきたなぁ〜笑」
「え?」
「もう堂々と同性愛者って思い切って言っちゃおっかなぁ」
「ダメ」
「ぁえ?」
「それは絶対ダメ!」
「え、あ、ぇ…な、なんで?」
なんで山口に拒否権があんだ。と思いつつも
山口にはそれなりの理由があんだよな。と二つの意見が頭の中でぐるぐるしていた
「なんか…えっとぉ……っ!」
何かを閃いたような顔をしてこっちを見てきた
「今まで俺が怒ってたのがバカみてぇじゃん」
なんだ、そんな理由か
「まぁー…バカな行動ではない!断じて」
俺はその山口の行動にどれだけ救われたことか
「サンキューな!」
こうやってだんだんと幸せな日々を取り戻していた…だが
昼休み
「なぁー山口〜今日も一緒に飯食べよ〜」
いつものように山口を飯に誘ってやった
いつもなら、「おけまる」と帰ってくるのだが、今日は違った
「あー…ごめん、なんか高橋に呼び出されてて…」
高橋…?なんであいつが山口を…
「え、それでお前行くの?」
「まぁ…そのままスルーして大事になったら嫌だからね」
正直、親友を傷つけた当本人に親友を合わせるのは気が引ける。だったら俺が代りに行くくらい気がドン引きしてる。…なんか意味違う?
でも、本当に行ってほしくないけど山口の言う通り大事になったら元も子もない
「じ、じゃぁ…またな」
「おー!生きて帰ってくる!」
ま、山口なら大丈夫だと思っていた
だか、問題はここからだ
キーンコーンカーンコーン
まだ山口が帰ってきていない
もう予鈴鳴っているというのに
「山口はサボりかー?」
先生が教卓の前で1番後ろでも嫌でも聞こえるくらいの声量で聞いてきた
「はいー休みっす〜」
おい適当なこと言ってんじゃねぇ
…まぁ確かに今はそういうしかないのか
取り敢えずもうソロで帰ってくるだろうし静かに授業聞いてる事にした
おい…もう下校だぞ
まだ山口が帰ってこない
高橋狂ってんだろいつまで呼び出してんだ
うわぁ…どこに呼び出されたか聞いとくべきだった
…今更後悔しても遅い。と、思いながら俺は廊下歩行というルールを脳内から追い払って、ひたすら校内を走りながら山口を探した
どこを探しても見つからない
でも、唯一まだ探していない場所がある
そこが、体育倉庫だ。1番行きたくない。けど、もう山口がいると考えられるのはここだけだ…
そう思いながら俺は静かに扉を開けた
すると…
「ひっ?!」
俺は思わず後退りしてしまった
なんと俺の目の前には血だらけで倒れている山口がいた
「山口!山口!!」
体を揺すっても起きる気配はない
確か、心臓マッサージの仕方と言うのをさっき授業でやった気がする俺は必死にその授業を思い出し、山口に心臓マッサージをした
「っはぁ、はぁ…や、山口…」
俺は長い事心臓マッサージをし手と心もへとへとだ、…でも、休憩なんかできない。
俺はもう心臓マッサージで起きない事を確信し
なぜ山口がこうなったかを探偵のように考えた
まず、山口は高橋に呼び出されてここへ来た。そして、高橋が山口を…?でも、なぜ。俺が知らないところで喧嘩をしていた?いや、そんな事はない。なぜって、山口は俺と学校や放課後、あの事件以来一緒にいない日がないからだ。あの2人が喧嘩する暇なんてない。…だとしたらだ、だとしたら……?今ので余計にわからなくなった。…高橋に山口が呼び出されたんじゃなく、山口が高橋を呼び出した?…俺が毎日毎日みんなにいじられて、それに我慢できなくなった山口が俺がいじられてる源の高橋を呼び出して…ここでやり合った…?…その可能性は十分ある。……でも、山口が俺から離れるような仕草は見た事ないしされたこともない、って事は…これも…違う?…だとしたら……?
俺は頭をフル回転させて考えた。考え考え考えたが、何も山口みたいに閃く事はなかった。
俺が山口を前にして泣きそうになってきた途端
ゴゴゴゴゴゴ
体育倉庫の扉が開く音がした
この状況が見られたら山口を俺が殺めた絵面になってしまう、と思い瞬足で隠れた
「ギャァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァァ」
う”っ…俺は鼓膜が壊れたかと思って耳の無事を祈った…おそらく今の悲鳴は…女子か?
そして、今の女子の悲鳴で次々と人が入ってきた
「こ、これって…山口? 」
「なんで…やだ…怖ぃ…ポロポロ」
もう1人の女の子は泣き出してしまった
それはそうだ、目の前に血を流し倒れてるんだから
「なぁなぁ…今日の帰りどこ寄って帰る?」
は?
「あーそうだな、ゲーセン?」
こいつら、山口が見えてんのか?
俺は苛立ちが上限に達して、隠れていたのに出てきてしまった
「おい!お前ら山口見えてんのか!!!」
あ、終わったな。と、脳で理解してても俺の体は言う事を聞かない
「え、何、?」
「犯人同性愛者?」
さっきよりもざわつき始める
俺の体はやっとこの状況が理解したのか
この空間から走って逃げ出した
家
はぁ……何してるんだ…
いや、俺は何も悪くない。山口を庇ったんだ
山口…山口!!!
そうだ、俺はあの空間が気持ち悪すぎてその事しか考えていなかった。でも、違う。俺が今本当に考えるべきなのは山口のことだ
何か…手がかり……
そう思っていると、急に俺の脳内にさっきの気持ち悪い空間が蘇った
「なぁなぁ…今日の帰りどこ寄って帰る?」
「あーそうだな、ゲーセン?」
なんでこんな大事なこと考えてる時にアイツらなんか蘇るんだ…俺の脳まで腐ったのか
……いや…待て…これが手がかりなのか?
でも、どこに……ゲーセン……寄り道、
寄り道………寄り道!!!!!
そうだ、やっと閃いた
まず、山口は高橋に呼び出されて、何かをした…?まぁその後、山口が寄り道に体育倉庫の横にある花壇の方へ寄り道へ行ったんだ。山口はあの花壇を他の誰よりも気に入っている。そして、その山口を誰かが……そうだ、絶対に。って事は…犯人は高橋ではない?…
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というのが俺のトラウマだ。そう、俺の親友…山口が何者かに殺害された事だ…その原因が……俺?なのか…?まだそういう詳しいことはわかっていないが、俺は俺が同性愛者という事実が何らかの引き金となってこの事件が起きたんだ思う。そこから俺は、誰かに同性愛者という事実を言うのが怖くなった。