「ねぇ常盤くん。今日、常磐くん家に行ってもいいかな」
学食を食べていた時、当然言われた言葉に俺は一瞬戸惑った
「うぇ!?別に、いいけど、、」
「ありがとう。」
でも、彼女の言葉にはいつものキラキラを感じれなかった。何かあるんだと、俺は察した。
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「お邪魔します。」
「い、いらっしゃい、!」
靴を綺麗に抜いで、揃えてから俺の家の中へ入ってきた。
「あ、ハンガーどうぞ!」
「ありがとう。」
綺麗に上着の脱いで、ハンガーにかけてから、彼女は口を開いた
「常磐くん。今日は話したいことがあるんだ。」
「は、話したいことって、?」
「私が、男装を始めたきっかけを」
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(蘇芳視点)
私は、生まれた時はとても裕福だった。お母さんもお父さんも妹も、とっても幸せそうな顔をしていた。
「お父さん!今日はクリスマスだからケーキ買ってしてくれる?」
「あぁ!もちろん!だから、いい子に待っていろよ?」
「はーい!!」
「もぉ〜あなたったら(笑)」
でも、そんな幸せは長くは続かなかった。小学生6年生の時。事件が起きた。
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「蘇芳。放課後、6年3組に来てくれるか?」
「私?分かりました」
この時、断っていたら、こんなことになっていなかったのかもしれない。
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「先生?来ました」
「ありがとう。先生。蘇芳さんと2人でお話かしたかったな。」
「話?」
「あぁ。ねぇ。子供はいつ作る?」
「え、?」
担任の口から、信じられないような言葉が出てきた。
「結婚はいつにしようか。ウェディングドレスや、家はどこにしようか!」
「え、?せ、先生、?」
私は戸惑いを隠せきれなかった。
「あ!実際にやってみるか♡」ドサッ
「!?いや、、ッやめて、、ッ」
「そんなに暴れないでね?」
「いやッ!!やめてッ!!」
間一髪、近くを通った校長先生が気づいてくれたおかげで私は助かった。
担任はこの事件で退職。親は担任の目の前で謝罪の手紙を書くように言った。
「あと少しでもワシが遅れていたら、、」
「、、、ポロポロ」
私は、今回の事件で男性恐怖症になってしまった
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中学になれば、私の容姿に嫉妬してよくいじめられていた。
「なぁ蘇芳。お前クラスの陰キャとヤッたんだろ?」
「え、?ヤッてない、、」
「言い訳はいらないからwねぇみんなー!!!!」
「こいつ!!陰キャとヤッたらしいよー!!!」
「違うッ!!」
でも、悲劇はこれだけで終わらなかった
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「ただいm、、え、?」
家に帰ると、真っ赤な壁に割れたグラス、ボロボロカーテン、傷だらけな机。そして外には何台ものパトカーや救急車がいた。
そして、ブルーシートの中には、両親の遺体があった。
「お姉ちゃんッ!!」
唯一の妹の陽香は私より先に帰ってきていた
「これって、、」
私は、パトカーの中にいた犯人と目が合ってしまった。その瞬間、背筋が凍った。
「え、?なんで、、」
そこにいたのは、6年前、私を犯そうとした担任の姿があった
「ニヤァ♡」
「ヒイッ、、ポロポロ」
私は、あの事件の後、県外の学校へと転校したはず
私はその場で倒れ込み失神してしまったしてしまった
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それから1年後、大学の受験勉強のため、図書館に来ていた時、彼に会った
「あの、、」
「ビクッ」
「これ、落としませんでしたか?」
「あ、、ありがとうございます、!」
「いe、、あれ?それって○○高校の制服!?」
「は、はい」
「俺もなんだ!今年受験生で、、」
「そうなんですね、!私もです、!お名前は、、」
「ご、ごめんね!俺は常磐!」
「私は蘇芳。よろしくね。」
「よろしく!ところで、蘇芳さんはどこの大学に行きたいの?」
「私は○○大学だよ!」
「嘘!?俺も!!」
「そうなんだ!」
不思議なことに、彼と一緒にいるときは男装の時でも、普段の時でも男性恐怖症の症状は出てこなかった。
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そして、運命の合格発表の日
「蘇芳さん!どうだった?」
「、、受かった!」
「俺も!!よかったね!!」
自分のことより、他人のことを優先して褒めてくれる彼にいつしか恋心を抱いていた。
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(常磐視点)
「って、いうこと、、」
話終わった彼女の目には涙が溢れていた
「蘇芳さん、、」
「ごめんね。こんな重い話で、、」
俺は、無意識のうちに、彼女を抱きしめていた
「常磐くん、、!?」
「ごめんね。」
「なんで常磐くんが謝ってるの、、」
悔しかった。もし、もっと早く気づいていたら、彼女の心は少しでも軽くなっていたのかな。そう思うと、「後悔」の言葉しかない。
「ごめんね。急に謝って」
「全部。最初は常磐くんがいい。
「え?」
「初カレもファーストキスも、はじめての子供も、初のデートも。全部全部、常磐くんとがいい」
驚いた。昔の自分ならからかっていたと思っていたけど、今は違う
「俺、やっと気づいたよ。蘇芳さんの誕生日の日に知らないまま、なんで蘇芳さんを誘ったのかずっと頭の中で考えていたけどやっとわかった」
「?」
「俺、蘇芳さんが好きなんだよ。」
「!!」
「俺、蘇芳さんに釣り合う男になれるかな、、」
「今でも十分釣り合ってるよ!」
俺は、彼女の腰に手を回して唇を重ねた。最初はびっくりしていたけど、少しして、俺に身を委ねてきた。
「常磐くん。やっと言える。大好きだよ」
「俺もだよ。蘇芳さん」
コメント
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なぁ〜泣ける話作るなよぉ😭 めちゃくちゃ感動して半泣きしちまったよぉ😭