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その国の名は茘(リー)
様々な人々が暮らす中、1人の少女が、眠りから目を覚ます。
清花
携帯で位置情報を確認しようとして下を向くと、先程着ていた服と違う。 太い縄で結ばれた手、口には布が入れられている。
違和感を持ち、周りを見渡す。
なんだここ、感覚的にどこかに攫われてるのは分かるんだけど…
車……にしては大きいし。それに何より木で作られている。構造的には、荷馬車が1番近い。というか、荷馬車と同じ造りをしている。
この時代に、車ではなく荷馬車?
瞬間、頭に激痛が走った
外ではなく、頭の中から声が聞こえる。
私ではない。はずなのに、私と同じ声。
バチンッ
昔から、よくお母さんに怒鳴られていた
昔から、両?は、喧嘩していた
8歳になったある日、お母さんに、衝撃的なことを言われた。
理解ができなかった。うちの子じゃない?私が?なんで?私はお母さんの子でしょ?
その一言で、地の底に叩きつけられた感覚がした。
だから、頑張った。
死に物狂いで様々なことを勉強して、追い出されないように努力した。
まずは文字を学んだ。家に置いてあった本を読むために。
そして、料理の仕方、家事の仕方、掃除の仕方。
学べるものを片っ端から学んで行った。
周りは、私を"可哀想な子"と言った。
なんでそんなに頑張るのと聞いてきた子もいた。
なんで?そんなの決まってるじゃない。
だって、
"イイ子"だから
清花
これは、私(この体)の記憶?
……あぁ、なるほど。ここはもう日本じゃないのか。
そして、この外から聞こえてくるどんどん大きくなっている声や音は、花街のもの。
この道を真っ直ぐいくと、代表的なものは、後宮。
……あぁ、私、後宮に行くのか。
あの家から解放されるんだ。
同時に、私のものでは無い者の安堵と、少しばかりの不安が込み上げてきた。