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テラーノベルの小説コンテスト 第3回テノコン 2024年7月1日〜9月30日まで

ゆあん

っ、

えとさんの話を聞いて、 2階から3階、 3階から屋上に続く階段を一気に駆け上がっていく。 るな…‼︎ 頭ん中は、るなのことだけで。 屋上のドアが見えてくると、 普段は鍵がかかっているはずのドアが半開きになって いるのが見えて… 階段を駆け上がった勢いのまま、 足を振り上げ、 目の前のドアを切り飛ばした。 バンッ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎ と、 屋上に出るためのドアが壊れそうな勢いで開き、 そのまま屋上へと飛び出す。

ゆあん

るなっ‼︎‼︎‼︎

るな

あ………………。
………… ゆあん、くん…?

俺の目の前に飛び込んできたのは、 3人の女の前で、へたり込むように座り、 呆然としているるなの姿で… よく見れば何故か濡れていた。 るなの目の前に立つ女の1人の手に、 逆さに持たれたペットボトル。 そこから、水滴がポタポタと落ちている。 この状況を見て、 なんとなく何があったのかが把握できた。

ゆあん

お前ら…何やってんの?

女子生徒

Σゆっ...ゆあん様っ‼︎?

女子生徒

なんでゆあん様がこんな所にっ...

女子生徒

あ、あのっこれは...!

女子相手にぶん殴りそうになる衝動必死に抑えて、  自分を落ち着かせるように、深いため息を吐く。 やべぇ… 。 下手したら、俺こいつらのこと殴っちまうかも。

ゆあん

こいつに何した?
言ってみろよ。

女子生徒

そ、それはっ…、その…

ゆあん

同じことしてやろうか?
あ"ぁ?

女子生徒

ひっ...

言い訳なんさせねぇ、 ギロっと、 鋭くした目で睨みつけると、 3人は気まずそうに目をそらしながら黙り込んだ クソが マジでぶん殴りてぇ。 でも、それよりも…

ゆあん

るな..........!

るなの方が心配だ。 座り込んで呆然としているのは、るなのもとに駆け寄り、 しゃがんで、るなと視線を合わせる

ゆあん

大丈夫か?って…。
大丈夫なわけないよな。

るな

はは…。

乾いた、ぎこちない笑みを浮かべる 胸が痛くなる。 俺がもっと早く駆けつけてれば… 俺のせいで____…

ゆあん

…ごめんっ、

制服の長袖のシャツの袖で、 濡れているるなの顔拭く

るな

ゆ、ゆあんくん!
シャツが汚れますよ⁉︎

ゆあん

いいよ別に。いくら汚れたって。
でも…これじゃ全然拭けねぇなぁ…
教室に戻るか。
るな、立てる?

るな

は、はい....

先に立ち上がって るなに向かって手を差し伸べると、 るなは俺の手をぎゅっとつかんだ。 そのまま、 るなの体を起こすように引っ張り上げる。

ゆあん

行こ。

るな

はいっ...

握った手を離さず、 そのままるなの手を引いて歩き出そうとすると…

女子生徒

なんで...

女子生徒

ゆあん様っ‼︎‼︎
なんでなんですか‼︎‼︎?

今まで黙っていた女が、 ヒステリックに叫んで詰め寄ってくるから、 るなを自分の背中に隠す。

女子生徒

なんで、そんな地味で、ブスに
構うんですかっ‼︎‼︎?
その子より可愛い子なら、
いくらだっているのに‼︎‼︎

ゆあん

.....あ?

るな

っ、

女子生徒

なんでっ…‼︎

ゆあん

なんでなんでうるせえなぁ。

女子生徒

っ、

ゆあん

こいつがブス?
はっ、笑わせんな。
陰でこんな陰質なことやってる
お前らの方がクソブスやろ。

女子生徒

なっ...!

ゆあん

''なんでこいつに構うのか?"って?
そんなこともわかんねぇの?
俺がこいつに興味があるからに決まってんじゃん。

女子生徒

っ、

ゆあん

つか、俺がかまってやってんじゃなくて
かまって欲しくて、俺が勝手にこいつにちょっかい出してんの。

女子生徒

何でゆあん様のような人が...!

ゆあん

はぁ?お前、俺の何してんの?
人のこと、見た目でしか見てねぇくせに
それだけで、キャーキャー勝手に騒いで
まとわりつかれる、俺の身にもなれ?
るなにこんなことまで仕上がって
…まじでぶっ殺すぞ?ぁあっ!?

女子生徒

ひっ、

カッと頭に血が昇って、 思わず女相手に手が出そうになり身体に力が入る。

るな

ゆ、ゆあんくん!

女子にくってろうとする俺の腕を掴んだのは… るなで。 俺の右手を抱きしめるように、両手でつかむ るなが、 ダメだと言わんばかりに、必死に頭を左右に振る。

ゆあん

ちっ...

…るなが止めてんのに、 暴れるわけにはいかねぇか。 そう思い、 やり場のない怒りをぶつけるように、 目の前の女たちをにらみつけ、 舌打ちした。

ゆあん

こいつに、次、何かしてみろ。
…わかってるよなぁ?
わかったんなら、
さっさと消えてくんない??

女子生徒

ね、ねぇ、もう、行こうよ!

女子生徒

ヤバいよっ...

女子生徒

っ、

女子生徒

ほら!!

3人は、俺の前に、 パタパタと足音を響かせながら、屋上から出て行った

ゆあん

......

るな

......

3人の女子がいなくなったことで、 シン…と静まり返る、屋上。 るなは俺の右腕に抱きついて 腕に顔を埋めたまま動かなくて…

ゆあん

....るな、

るな

…暴力は、だめですからね
絶対。

ゆあん

…はい。ごめんなさい。
(未遂だったけど。)

るな

でも…、助けてくれて、
ありがとうございます…。

ゆあん

いや…
俺がもっと早く来てれば、
こんなことにならなかったのに…
まじでごめん。俺のせいで…

左手で、 るなの濡れた髪に触れる。  すると、 俺の腕に顔を埋めていたるなが顔を上げて、 俺を見上げてきた。

るな

ゆあんくんのせい...?

俺を見上げて、 不思議そうにそう言うるな。

ゆあん

いや、俺があんたに興味持って
ちょっかいかけて…
絡んだから、

るな

なんでそれがゆあんくんのせいになるんですか?

ゆあん

あー…
自分で言うのもアレだけど、
なんか、俺に恋を抱いている女の子が多いらしいよ。

るな

おぉ!

ゆあん

だから、
俺がるなと仲良くしてんの
見て、その女子たちの反感かって
こんな目にあっちまったから…

るな

ふむふむ。
皆さん、ゆあんくんと、友達になりたいんですね!

ゆあん

うん。...うん?

るな

好意とは、そういうことじゃ?

ゆあん

んー...いや、

るな

あの女の子たちは、ゆあんくんと仲良くなりたくて、私 るなにお話をしてきたと…
ふむふむ。なるほど、なるほど。
そーゆー事だったのかぁ〜。

いや、違うと思うけど… なんか、るなってたまにずれてるよな。 天然っていうか… 俺と友達になりたい、っていうか、 単に、 俺と仲良くしてる、るなをいじめたかっただけだろ。 頭から水かけられたこと、忘れてんの?

ゆあん

ま、いいや。

るな

変にポジティブ、つーか… まぁ この少し天然なところも、 俺が好きなところの1つだしなぁ〜。

ゆあん

とにかく、
これから、こんなことがないように
俺が守るから。

るな

守る?え?

ゆあん

もう、気づいてるかもだけど…
俺さぁ、好きなんよ。
るなのこと。

るな

え?…

るなの全部独り占めしたいくらい 誰にも奪われたくないくらい、 好きなんよ。

正直さぁ、自分でも驚いてる

こんなに誰かを好きになるなんて… 自分でも、思ってもいなかったから。 愛だの恋だの、ただ、飾るための言葉だと思ってた。 だって、 俺の周りには、 昔から俺の顔しか見てない奴らばっかで、 『俺のどこが好きなん?』って聞いても、 『イケメンだから!』 『かっこいい!』 って、そんな上っ面のことばかりで、 なんか虚しくなって… どうやったら、そんな奴らのこと好きになれるんだよ、 って、 そんな奴ら、相手に恋愛感情とかありえねぇって ずっと思ってた だけど… るなに出会って、 ちょっとしたきっかけで興味持って、 それから、 るなにちょっかい出すようになって… そうやって、少しずつ少しずつ、 の朝に関わっていくうちに、 愛だの恋だのくだらねぇって思ってた俺が… 初めて、 『好き』と言う感情を知ったんだ。 表情だったり、行動や言葉だったり、 全てが愛しいって 俺に愛や恋を教えてくれたのは、るななんよ。

ゆあん

自分勝手かも知れんけど…
るなにも俺のことを好きになって欲しい。
るなと思い思われる関係になりたいんだ。

るな

ゆあんくん...

るながジッと、俺を見上げてくる。

ゆあん

るな......

るな

....

あれこれ結構いい雰囲気…じゃね?

るな

るなも....、好きです。
ゆあんくんのこと。

ゆあん

え......

キッ...

キタ____(*☻-☻*)____!!!!!!!!!!!

これ…きたよなぁ?! まじか‼︎‼︎? い、今、言ったもん‼︎ 俺のこと、すっ、すす、好きって‼︎‼︎ わ、まじか‼︎‼︎ やべ、 なんか嬉しすぎて吐きそうなんやけどっ‼︎‼︎

ゆあん

るな、、、、!

るな

思い思われる関係…
お友達ってことですよねっ‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎

は?

るな

ゆあんくん、優しいし....
るなも大好きです!
なりましょう!お友達に‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎‼︎

ゆあん

お、お友達…?
あの…いや、えー…
そういう意味じゃ…

えと

もう無理…
ァハハハハハハハハハハははは‼︎‼︎‼︎wwwwww
ァーハハハハハハハハハハと!!!!www.

ゆあん

Σえとさん⁉︎

屋上のドアから、 腹を抱えてもらいながら、転げるように現れたのは、 幼なじみのえとさんで。

ゆあん

なんでお前がいるんだよ‼︎

えと

あはははははっwwwwww
ずっとドアの向こうにいたし!w
途中まで、一緒に階段駆け上がってきたじゃん!
1部始終見てました〜wwww

そう言って、 えとさんはたった今、飛び出してきたドアへと 視線を向けた そこのドアの向こう側から見てたのか… 今の1部始終を。 まじか…

えと

あー、おもろっwww
あんたのそんな姿、www
私でも初めて見るわwwww

ゆあん

う、うるせぇ!!

るな

??

えと

あ、ごめんね〜www

ポカーンと、 俺とえとさんのことを見ているるなに気づいた えとさんがるなに近づいていく

えと

…えっと
るなさん、だっけ?

るな

はい!

えと

私、こいつ…ゆあんの幼なじみね

るな

ゆあんくんの幼馴染み‼︎

えと

えと、って言うんだけど、

るな

えと、えとさん?

えと

うん。
ねぇ、私もるなさんと
お友達になりたいなぁ?

るな

Σぇえっ‼︎?
お、お友達っ...!?
わっ...
るななんかでいいんですか!!?

えと

『なんか』じゃないよ。
ダメかな?

るな

だめじゃないです!!!
なりましょう!!!
お友達!!!

ゆあん

ちょ、おい!

えと

やった〜♪( ´▽`)
よろしくね、るな!

るな

はい!
よろしくお願いしますっ♪(๑ᴖ◡ᴖ๑)♪

えと

ゆあんくん、

ゆあん

な、なんだよ。

えと

お友達…
私と同じポジションだね♡www

ゆあん

Σはぁあ!?

えと

あははっwwww

るな

えとちゃん?ゆあんくん?

えと

ごめんごめん、こっちの話w
るな、これからよろしくね!

るな

はい!

えと

んじゃ、私は行くわ。
またねー!

そう言って、 えとさんはケラケラ笑いながら屋上から出て行った、

  お友達… お友達… えとさんと同じポジション… 俺、告ったのに… え。告ったよな? それが通じてないなんて… お友達…お友達…、お友達…………

るな

あのーゆあんくん、

ゆあん

...ん?あ?なに?

るな

えっと、あの、
ありがとうございますっ

ゆあん

え?

るな

友達になってくれて…
うれしいです!

ゆあん

あー.......、うん。
友達、ね

るな

るな、昔からお友達作るのが
苦手でずっとぼっちで…

ゆあん

そーなんだ、

るな

だから
ゆあんくんが話しかけてくれて、
ゆあんくんとお話しする時間が
ほんまに楽しくて…
学校にお弁当食べに来てたけど
今は、ゆあんくんに会いたくて
学校に来てます‼︎ふふっ(*´-`)

ゆあん

っ、え...?///

お、俺に会いたくて…? その言葉の あまりの破壊力に カァッと 顔だけじゃなくて、耳まで赤くなるのが自分でもわかった

ゆあん

ま、まじか...…///

るな

だから、ゆあんくんとお友達になれてほんとに嬉しい!
やったあ〜(*´∀`)♪

ゆあん

ははっ///

るながあまりにも嬉しそうに 満面の笑みを浮かべて、俺を見てくるから… もう、なんか…、今はこれでいいや、って、 友達でもいいやって思う

『今は』…な? まぁ、いつか、絶対振り向かせて見せますよ? 絶対俺のこと好きにさせてやる。 この天然ちゃんに、 俺の思いがいつ届くかわかんねぇけど 思いが届くまで伝え、続けてやるからなぁ。 覚悟してろよ? つーことで、 とりあえずは 友達って言うポジションから始めますか! これはこれで一歩前進だしな

るな

Σはっ!!
ゆっ...ゆあんくん、どうしよう!

ゆあん

ん?どーした?

るな

おっ…お弁当食べてないぃいいっ
昼休み終わっちゃう‼︎‼︎‼︎‼︎
ピィィィッ(泣)

ゆあん

あはははっ

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