ころちゃん、と呼びかけられる。体が揺さぶられ、その後にも何か言っているようだが、よく聞こえない。意識をゆっくりと起こして、目を擦り、ぼんやりとしている視界を合わせる。
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青
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そういえば他の兄弟の声がしない。とっくに家を出てしまったのか。これは相当まずい。まずすぎて逆に冷静になってきた。
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圧に負けた。朝ごはんの代わりにバナナを持って玄関を出る。ワンチャンこれ可愛い女の子とぶつかったりしないかな、なんて考えながら僕は学校へと走り出した。
……ちゃん
……ろちゃん
ころちゃん
ころちゃん!
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目を開けると、なーくんが僕の顔を覗き込んでいた。
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そうか。僕はモンスターに肩を貫かれて意識を失っていたんだ。あれだけの出血をしても人って助かるものだったんだ、と自分の体じゃ無いことのようにびっくりする。
痛みとかはどう、と聞かれて初めて患部を見ると包帯が巻かれていた。治癒魔法の後に巻いたものだろう、予想していた痛みよりかは大分楽になっていた。もちろん、腕を動かすとまだ痛むことはあるが。
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橙
いつの間にか、というより元々そこにいたのだろうが、ジェルくんより気付かない自分に対して驚いた。混乱は人の視野を極端に狭めてしまうらしい。
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感謝はしている。感謝は。
ーーいや、感謝しているからこそ自分の不甲斐なさが悔しいのか。今まで無かったジェルくんの擦り傷も、なんでもない事のように笑っている彼の表情も。
ああ。何で現実はゲームのように行かないのだろう。
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桃
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そんな僕の感傷的な気分をぶち壊してきたのはさとみくんだった。
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「「「すげぇ」」」
確かに、さとみくんは何かを背負っている。やけにデカいなと思う訳だ、ボスなのだから。体に少しの傷を作り、しかし返り血一つ浴びていないその姿は正に"強者"の風格だった。
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桃
さとみくんの登場、それに続く怒涛のボケ合戦により場の空気が和む。ありがとうグレゴリオ山中。
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なーくんに茶化されつつ、連れて少し離れるさとみくん。しけ込むつもりか、とジェルくんと話していたらいつの間にか戻ってきたさとみくんに殴られた。この世界に来てからかなりの頻度で僕の頭部が被害にあっている気がする。
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場が再び重厚な雰囲気で包まれ、厳正なるじゃんけん勝負が行われた。二十八回に渡って行われたその大会の結果、なんと僕となーくんに白羽の矢が立ってしまった。
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コイツらは割と策士なのではと思う僕であった。
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