2話
あれからシェアハウスが終わった。
俺にとっては苦痛でもあり、ちょっと嬉しかった。
シェアハウスをしている時トレスしたかの様な夢を繰り返し見た。
キラキラと輝いているステージ
腹に響くようなスピーカーの音
笑顔で歌い踊っている5人がいる。
赤髪のポンパの人
アホ毛が跳ねているしてる水色から紫にグラデーションの髪の人
優しい、落ち着く低い声の紫の混じった白髪の人
青髪の高身長の人
髪が長い黄色と黒の髪の人。
観客は音楽に合わせてペンラを振ったりしている。
美しい光景だ。
5色のペンライト。
赤、水、白、青、黄。
そこに、俺の色はない。
俺の姿はない。
ねえ、
俺も、そこに立ちたい。
桃色の光が混じった会場を
俺もそこに立って見てみたい。
そう呼びかけたいけど、
声は喉の奥で固い塊になって出てこない。
そんな、夢。
最近、自暴自棄になるときがある。
桃
ガシャンッ
落ち着け、
心の中で唱えながら薬を飲む。
桃
桃
薬を飲んで改めて冷静になる
割ってしまった。
桃
そう、呟きながら一昨年の誕生日のことをぼんやりと思い出した。
赤
桃
赤
赤
桃
赤
ずっと、か
桃
赤
桃
寂しさと哀しさで腹が疼く
その疼きと共に吐き気が襲ってきた。
なんとかトイレには間に合った
嗚咽を漏らしながらげえげえと胃液だけを吐いた。
桃
桃
1人で何やってるんだろ。
桃
その日はずっと泣いて過ごした。
その日からメンバーのことを思い出す度に腹が疼いて吐いた。
食欲がなく、あまりご飯を食べていないせいか胃液しか出てこない。
咳き込みながらげえげえと嗚咽と共に胃液を吐く
その苦しさと寂しさでまた泣く。
吐いた後は心にぽっかりと穴が空いてしまった感覚で何も考えられなかった。
考えたくなかった。
何日かそんな日々を過ごした。
桃
それを思い出しただけで腹が疼く
でも吐くのを我慢した
このまま吐き続けたら物理的にではなく何かが失くなってしまうような気がして。
自分でも、よくわからない。
桃
今日も薬を飲む。
こうでもしないとファンミをできなさそうだったから。
きっとメンバーは嫌なんだろうな、
前殴られたところがずきずきと痛む。
桃
薬、くすり、クスリ、クスリ
桃
桃
薬がないとたぶん俺は生きていけないと思う。
いわゆるODってやつ。
薬を飲んで腹の疼きも、吐き気も殴られたところの痛みも
全部、薬で。
でも、心にぽっかりと空いた穴だけは
薬ではどーにもならない
桃
カチッ
桃
前の自分を忘れかけつつ
ピンク頭でバカしてるリーダーないこを演じる。
クスリて創った仮面を心に身につけて。
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