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看守の部屋
エス
エス
ガタンッ
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
エス
ジャッカロープ
エス
『お前は看守だ。』 『義務を果たせ。』 『余計なことを考えるな。』 『判決のことだけに 集中していれば良い。』
『お前は看守【エス】だ』
『囚人達の事を知り、 裁定する。 囚人達…… いやここ(ミルグラム)を 管理するのもお前だからな?』
考える事をしているエスに ジャッカロープは前足で 叩く
エス
ジャッカロープ
エス
食堂
少し離れた机にて
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
僕は囚人達に 少し話がある、といい その場を後にした
看守の部屋
ジャッカロープ
僕の名前は【エス】
僕には記憶が無い
だが、 ここ「ミルグラム」の看守 だということ
そして、 囚人達への裁定も 僕がしなくてはならないこと
その上で 僕は疑問をぶつけた
エス
僕は人に滅多に 「弱み」を見せない
たとえ、それが仲間でも
だけどこれに対して 「答え」が知りたかった。 僕の……自分以外の「答え」が。
ジャッカロープ
ジャッカロープはそういうと 僕の膝に飛び乗り、 一呼吸置いて言った
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
ジャッカロープはそう言うと 僕の膝から降り 僕の反対の方を向いて ポソッと言う
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
そう言うと ジャッカロープはドアの前に 立った
おそらく開けられなくて 困っているんだろう。 でも、 この空気に言いだせずにいる。
エス
ジャッカロープ
エス
僕が開けてやると ジャッカロープはその間を 通った。
ジャッカロープ
それだけ言うと ジャッカロープはどこかへ 行ってしまった
エス
僕の判断材料は 囚人達の歌と尋問の答えだけだ
それに赦されなかったら どうなるか、 これは僕にもはっきりと 知らされていない。
おそらく知ってしまったら 僕が正しい判断が出来なくなり 結果が変わってしまうから、 だろう。
ここに来てから 様々な「期待」を受けてきた。
「赦してほしい」という期待
「赦さないでほしい」という期待
そして 僕にとって正しい判断を 下すことへの「期待」
別に「重い」なんて思ってない
ただ全ての「期待」には 答えられないだろう、と 思っているだけだ。
エス
時計を見るといつの間にか ご飯の時間は終わっている
どこからかジャッカロープが 僕を探す声がする
僕は看守だ。
囚人達と仲良く、 とまではいかないが それなりの関係を築けたら とは思う。
それが僕にとって正しい判断を する為でもあるのだから。
エス
僕はハルカの監獄へと向かった
尋問部屋
ハルカ
僕は生まれつき 人が出来ることが出来ない
僕は周りのより劣っている
僕はただ「普通」に なりたいだけなのに…
だから、僕は「愛されない」
これって僕のせい?
犬だって幼子だって 何もできやしない
それなのに愛されている
それなら……
「比較対象」を無くせばいいんだ
そうすれば僕を見てくれるかも しれない
そして僕はあらゆるものの 「命」を奪った
なのに……僕は
エス
ハルカ
エス
ハルカ
エス
ハルカ
エス
ハルカ
エス
ハルカ
エス
ハルカ
エス
ハルカ
エス
ハルカ
僕は間違えていた
僕は狂っていた
それは覆ることのない事実だ
でもここなら僕の気持ちを 分かってくれるひとがいる
僕がダメだと決めつけない ここなら……
僕は「普通」に なれるかもしれない
僕が変われば……
今度こそ、 「愛される」かもしれないから
尋問部屋
ユノ
人はくだらない
ここは人が人を罰する
そんなのキリがない
ここに来て、 多少楽していると思う
少なくとも今までよりかは?
エス
ユノ
エス
ユノ
ユノ
エス
エス
ユノ
ユノ
エス
ユノ
エス
ユノ
ユノ
エス
ユノ
エス
ユノ
エス
ユノ
エス
ユノ
エス
エス
ユノ
看守さんの私情で 赦すという判断をしたかも しれない
そう思うと気に入らない ところもあるけど 少なくとも今は
今までより楽しめてるし
もう少しここでの生活を 楽しんでみようかな?
看守の部屋
ハルカとユノの尋問を終え 休憩していると ジャッカロープが入ってきた
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ズルズルッと僕がコーヒーを 飲んでいるとジャッカロープが 膝の上に飛び乗ってきた
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
ジャッカロープ
正直反発したい気持ちは あった
この「赦す」か「赦さない」かを 判断する為の いたちごっこのようなものに
けど、ジャッカロープの有無を 言わせないような雰囲気が それを許さなかった
エス
ジャッカロープ
エス
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
見るとジャッカロープが ドアノブを前足で指してる
エス
僕はドアを開けてやった
ジャッカロープはその間を 抜けて行ってしまった
エス
僕の机には刑法の本、 心理学の本などが 積み重なっている
看守として知っておいた方が いいだろうと書庫から 持ってきた本ばかりだ
僕はさっき読んでいた本に 手をかけ、再び読み始めた
僕が出来ることはこれしかない
たとえこの「赦す」「赦さない」が 僕の間違った自己満足だと しても僕には抗う事は出来ない
ミルグラムは僕にとって 「鎖」でしかない。 いや、 僕もミルグラムというものに 囚われているのかもしれない
それでも…いい
やってやるよ
僕は(ぼくらは) 看守なのだから
廊下
ドア越しにジャッカロープは 静かにいた
ジャッカロープ
ジャッカロープは 厨房に向かいながら思う
ジャッカロープ
ジャッカロープ
ジャッカロープ
ジャッカロープ
まぁ、 後悔のないようにしてくれ
一応、 建前はお前の意志なんだからよ