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看守の部屋
エス
僕は【エス】
この監獄「ミルグラム」の看守だ
支度をしているとガタンッと どこから人語を話すウサギ、 ジャッカロープが入ってきた
ジャッカロープ
エス
あれから数日経ち、 今日はコトコとサクラの尋問
エス
ジャッカロープ
エス
ふいに僕の膝の上に飛び乗って ジャッカロープは聞いてきた
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
新たな囚人ー「サクラ」
アイツは僕の調子を 狂わせる時がある
僕は看守。 尋問時も主導権を握るのは 僕だ
それなのにサクラと話してると いつの間にかあちらに主導権を 握られているように感じる
それに少し僕に似てるのか、 とか余計な事を考えてしまう
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
そう言ってジャッカロープは ドアの隙間から出ていった
僕は椅子に座り 刑法の本を読む
エス
『きっとどう頑張っても変わらない』 『与えられた事をするだけ』
前の尋問でサクラはそう言っていた
サクラの言うことは僕にも当てはまる
きっとミルグラム(ここ)は 僕が囚人全員を裁き終わるまで 僕を逃がさないだろう
いや、裁き終えても どこも行かせないかもしれない
三審後のことは僕も分からない
ただ僕は看守で囚人達を 知り、裁定をする義務がある。
僕はただ仕事をすればいいだけ
何も余計なことは考えずに 僕自身が「正しい」と思う方へ 判断するだけ……なのに
エス
第一審が終わった後 僕はジャッカロープによって 眠らされた。
その時に見た頭の片隅に 残っている少しの記憶(ゆめ)
その中で…僕は
エス
ダメだ、これ以上考えては
僕は思い切って立ち上がり 部屋が出て、囚人の監獄ー 「パノプティコン」に行く
エス
尋問部屋
コトコ
私は杠琴子。大学生だ
悪を憎み、嫌っている
弱者を苦しめ、痛めつけて それなのにのうのうと生きてる悪人をー私は許さない。
エス
コトコ
エス
コトコ
本当の正悪を決め、裁く 「ミルグラム」の性質は すごくいいと思っている
私の思想にも近いし
ただ看守である「エス」次第で 変わってくる
この子が シンの正義を持たない限り ミルグラムの正義を最大限 発揮することはできないだろう
エス
コトコ
エス
コトコ
エス
エスの強ばっていた顔が 険しくなった
エスってまだ子供よね?
少なくとも私より年下なはず
それなのに… 子供らしくないというか
そもそも何故ここは こんな成長期の子供を看守に?
中・校生なんて まだ善悪の基準が曖昧だ
そんな頼りない存在に 裁く権利を与えるなんて 少なくとも違和感を感じる
コトコ
エス
コトコ
エス
コトコ
エス
コトコ
エス
やはりこの看守ではダメだ
「ミルグラム」を正しく扱えない
まだ知らないんだ、 シンの正義を。
エス
コトコ
エス
コトコ
エス
エスが私の目を下から見て 睨みつける
エス
コトコ
エス
コトコ
エス
コトコ
エス
コトコ
私はゆっくり扉を開けた
するとエスが呟くように 言ってきた
エス
楽しんでる、か
……そうなのかもね
コトコ
それだけ言い、 私は部屋を後にした。
エス
エス
赦すなら「共犯者」 赦さないなら……
……シンの正義は僕が創る
僕はここの…看守なのだから
監獄部屋
サクラ
私は月城朔。
最近ここに連れてこられた囚人
私にはここまでの記憶が無い
人を〇した記憶も
よく分からないまま、 この監獄に入れられた
エス
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
この看守さんも 記憶がない、と カズイさんが言ってた。
それなら自発的にやっている ものではなくあのウサギ ージャッカロープに 与えられた「役割」なんだろう
15歳の少年少女に囚人を 裁く権利
その判決で変わる処置と未来
15歳のこの子が背負うにしては 荷が重すぎる
この子はジャッカロープに 「洗脳」されている。
感情を殺し、 ただ自分の正しい方を選択し どんな結末であっても 受け入れる。
まるでロボットのよう。
言われた事をする。 与えられたことをする。
自分自身を保ちたいなら 己を律し、意志を持たないと
でも、分かる気がする。 自分より上に立つ人に 「逆らえない」という気持ち
エス
エスは私を睨むように見る
エス
サクラ
サクラ
エス
サクラ
サクラ
サクラ
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
エス
エス
サクラ
サクラ
サクラ
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
サクラ
エス
サクラ
エス
あぁ、この子はダメだ
この子はこれ以上ここに 居させてはダメだ
ミルグラムもこんな子を 「看守」にするなんて冷酷だ
『うるさい! お前は オレの言う事だけを聞け!!』
サクラ
『お前に僕の何が分かるって 言うんだよ!! 何も分からないくせに 分かったように言うなよ!!』
サクラ
この子といると この子に言われたような言葉が 聞こえる時がある
…どうして?
この子の思いと私の思いで リンクする所があるの?
エス
看守さんも…エスも 私と同じく鎖で 縛られているなら…
『私があなたの「牙」になるわ』
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
サクラ
サクラ
エス
サクラ
サクラ
エス
サクラ
サクラ
エス
サクラ
サクラ
エス
サクラ
サクラ
サクラ
エス
エス
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
エス
エス
サクラ
サクラ
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
エス
サクラ
そう言って私は出た
大丈夫、言いたいことは言った
……はずだから
『看守さんは 自分の事なんだと 思ってるんですか?』
エス
エス
看守の部屋
第一審後の尋問が終わり くつろいでいるとコンコンと 音がした
エス
ドアを開けてみたが誰もいない。 そっと閉めようとした時 足元から声がした
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープが入ってきたのを 確認し、僕はドアを閉める
さっきのように椅子でくつろぐと ジャッカロープが膝の上に 乗ってきた
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
看守帽を置き、 本をパタンッと閉じた僕は 目を閉じ天を仰ぐ
エス
僕は看守だ。
何をどうやっても 囚人達の罪を知り 裁く義務がある。
『看守さんの言う「僕」って誰…?』
『あなたの存在は私にとっても 「利」があるから』
『お前を否定する』
『きっとどう頑張っても 何も変わらない。 与えられることをするだけ』
『看守さんは自分の事、 なんだと思ってるんですか?』
僕の頭の中に一気に流れる 囚人達の言葉
囚人達言葉は戯言だ、と。
アイツらは「ヒトゴロシ」
どんな理由であっても 人を殺めている
それなのに……
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
ジャッカロープ
ジャッカロープ
エス
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
ジャッカロープ
エス
サクラの言葉に 気を取られていた
僕はここの看守で、 囚人達の罪を裁く義務がある
それだけしか覚えてないし それだけでいい。
僕は僕の事に集中すればいい
僕はベットに入るとすぐ意識を 手放した
ジャッカロープの部屋
ジャッカロープ
エスは囚人達を裁く立場だ
それなのに囚人達の言葉に 惑わされている
俺からも言ってるが 自分が何者か分かっていない 人間っていうのは不安定だ
自分と同じ境遇を持つ人に それがどんな非道な人でも 「心」が揺らいでしまう
そうしているうちに その人の言葉の影響で「自分」を 見つけたくなる。
そうなってしまったら エスに「看守」の役目は 果たせないだろう。
だが今はエスに 集中してもらうしかない。
15歳の子供に 負わせる責任としては重いのは 分かっている。
だがそれがここの方針だ
俺にはエスの精神的管理と 囚人達への飯の準備ぐらいしか 出来ないんだから
ジャッカロープ
サクラの監獄
サクラ
サクラ
『お前らが子供達(かぞく)を 〇したんだろ!!』
『うるさい! お前は僕の言うことだけを 聞いていろ!!』
『お前に僕の何が分かるって 言うんだよ!! 何も分からないくせに 分かったこと言うなよ!!』
コトコト……(足音)
コトコ
サクラ
コトコ
サクラ
サクラ
サクラがコトコに襲いかかる
コトコ
サクラ
コトコ
サクラ
コトコ
コトコ
サクラ
その時コトコはサクラを 抱き寄せた
サクラ
コトコ
サクラ
コトコ
サクラ
『私があなたの「牙」になるわ』
サクラ
バシンッ
サクラ
コトコ
サクラ
コトコ
バタンッ
サクラ
ヒトりボッチナノ?
私は……ヒトヲコロシタノ?
サクラ