蜜月

自分でも気付かぬうちに

首を横に振る 自分でもよくわからないんだ

大きな手のひらで僕の ほおを包んで

馬鹿みたいだ 女の子だったら、って前提があって

それは覆らない

僕の気持ちを知らないから言える

鈍感。 じっと見つめても キョトンとした顔、してる

やっぱり涙があふれた

言うつもりじゃなかったのに

女の子だったら、もらえた言葉 もらえた気持ち

立ちあがろうとすると 肩を押さえられて

ソファに座らされる いたたまれない

何言ってんだろ 僕には関係ないのに

ウンソクさんは頭をかきながら言う

ずっと思ってた不思議のピースが 繋がっていく

なんでこんなに、会いに来てくれるのか

なんでこんなに いろいろ、よくしてくれるのか

ゆっくり頷く それってもう 信じていいってことだよね

……嘘みたい

はい、って言ったけど 聞こえなかったかも

何度も頷くことしかできなくて

ウンソクさんが僕の肩に腕を回す

優しく抱き寄せられて ウンソクさんにぴったりとくっつく

背中に腕を回して、抱きしめる

僕以外に何人こうして 抱きしめたのだろう、あなたは

それでもいい

ずっとずっとこうしたかった たぶん出会った時から

まだ夢の中にいる あなたの腕の中に

名前を呼ばれて顔を上げると ウンソクさんが僕のひたいにキスした

ふふ、と満足そうに笑って また僕を抱きしめる

もっと、いっぱい しても、いいのに

どうしよう、好きになっちゃった もっとたくさん、あなたを

僕は甘えたがりで 欲張りですぐ拗ねるけど

ずっと好きでいてくれるかな 恋が叶ったのに、もう不安なんだ