❀attention❀
|祓本五夏|キスシーンが含まれます⚠︎︎|
|傑目線|
それでも宜しければ、どうぞお楽しみください☺︎
夏油傑
1割ほどしか埋まっていないメモ帳に目を通し、私は肩を落とした。
私がこうして頭を抱えているのは、一ヶ月後に控えているお笑い番組が原因である。
事務所からそれぞれ1組ずつ選出し、ネタを披露しあうという放送内容を予定しているらしい。
光栄なことにお偉い様からご指名を受けたという事だ だから失敗は許されない。
そのプレッシャーも相まってか、全く筆が進まないのだ
あれでもないこれでもないと考えていると、居間の扉が急に開く
五条悟
引き戸の扉からひょっこりと顔をのぞかせたのは、私の相方兼恋人である五条悟だった
結成時に合鍵を渡しており最近は同居をしている。
悟の家もあるのだが、本人が
「息が詰まるから嫌だ、落ち着けねぇし」
と主張したため、私の家が拠点になったという訳だ
因みに同居の事は事務所にのみ通しており、公表はしていない。
夏油傑
夏油傑
五条悟
五条悟
そう言って彼は、下げていたコンビニの袋からお酒を数本とつまみやらお菓子やらを取り出した
夏油傑
夏油傑
その中でも私は、チョコレートのモンブランに目をつける
美味しそうとは言ったが、何よりもそのコンセプトに目を惹かれたのだ
夏油傑
最近のコンビニは面白い商品を出すなぁと感嘆の息を漏らした。
五条悟
五条悟
夏油傑
夏油傑
悟がほぼ毎日飲むのでストックしてあるのだ。
夏油傑
五条悟
そう言うと悟はいつものように、カフェオレを入れる為キッチンへと向かった。
食器の音をBGMにしながら、私は再びネタ作りをするために鉛筆を持つ
夏油傑
どうにか上手く繋げられないかと鉛筆を回したりしてみたが、アイデアは簡単に降りてきてくれなかった。
仕方が無いので、気分転換に…と酒を一缶空けて2、3口ばかり流し込む
夏油傑
夏油傑
なんて呑気に感じ入っていた そんな時間なんて無いというのに。
五条悟
夏油傑
キッチンからほっと一息ついている悟が出てきた
五条悟
五条悟
夏油傑
夏油傑
五条悟
夏油傑
五条悟
夏油傑
幾ら相方の私であっても、君の全てのボケを拾い切れる訳じゃないんだ
五条悟
五条悟
夏油傑
まぁ私が作ったネタはいつも半分ほど消し飛ばされる形になるのだが
その原因は、他でもない私の相方五条悟。
彼は即興・アドリブの天才なのだ
起承転結の起と結以外をぶち壊し、己の道を突き進む芸風…まさに最強である。
そしてその最強のフォローが私の役割だ。 ウケるもスベるも私の力量にかかっている
夏油傑
悟には毎回ヒヤヒヤさせられっぱなしだ
けれど悟のフォローは私しか出来ないんだろうなと考えると、何だか誇らしくてつい笑みがこぼれる
夏油傑
夏油傑
五条悟
五条悟
五条悟
私が物思いに耽っていると悟が呼びかけてきたので、そちらへ顔を向ける
夏油傑
五条悟
その瞬間、ふに…と唇に柔らかいものが触れた
夏油傑
夏油傑
ちゅっ……くちゅ……
夏油傑
夏油傑
次にぬるりと舌が入ってきて、ぐちゃぐちゃと口内をかき乱してくる
夏油傑
夏油傑
れろ…………ぐちゅ
夏油傑
夏油傑
流石に息が苦しい
夏油傑
夏油傑
夏油傑
夏油傑
夏油傑
いつも余裕そうな悟にカチンと来て、力任せに押し返した
五条悟
五条悟
舌なめずりをする悟が雄々しくて、つい目を背けてしまう
五条悟
夏油傑
夏油傑
夏油傑
五条悟
五条悟
私が長考している間に食べたであろうモンブランを指さしてそう言った。
夏油傑
夏油傑
五条悟
かなり大きめに掬われたモンブランが一瞬にして吸い込まれていく
五条悟
幸せそうに笑う姿が何とも子供らしいなと感じた。
夏油傑
夏油傑
夏油傑
あの頃?
夏油傑
彼とは2、3年前に出会ったんだ。それ以前の事は知らない
近い記憶を探ってみても、全く思い当たる節がなかった
夏油傑
でも、"あの頃"の感覚はやけに鮮明に残っていて……
五条悟
五条悟
五条悟
悟の呼び掛けで私は現実に戻される
夏油傑
夏油傑
夏油傑
せめてキメるポイント位は考えておかなければと、手元に視線を戻した
夏油傑
五条悟
五条悟
夏油傑
五条悟
ぐーっと体を伸ばし、私は一ヶ月後に備えるため再び机に向かう
夏油傑
どこか懐かしくて愛おしい存在の為にも
夏油傑
第1話
ℯ𝓃𝒹☕︎︎𓂃 𓈒𓏸
コメント
5件
クオリティ凄すぎます!
逸材を見つけてしまった……滅多に見ないクオリティで驚きました……