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灯
歩
歩
灯
灯
歩
歩
灯
飛鳥
歩
飛鳥
歩
歩
2人だけの教室
少し気まずいと思っていたその時
優しい声色が2人だけの教室に響いた
飛鳥
灯
飛鳥
飛鳥
色白い綺麗な手が瞼に触れる
灯
灯
灯
灯
灯
灯
飛鳥
灯
灯
飛鳥
飛鳥
飛鳥さんだけだった
姉ちゃんが同級生にいじめられてた中
あの人だけ差別も何もしないで
みんなと同じように分け隔てなく
接し話しかけてくれてたのは
姉ちゃんはそんな飛鳥さんに惹かれて、魅入られていた
俺もそうだった
自分の好きなものを否定せず
"個性"だと言ってくれたのは
飛鳥さんが初めてだった
それを機に俺は飛鳥さんとよく話
仲良くしていた
俺の歌やダンスの特訓にも付き合ってくれた
そんな優しい飛鳥さんの口癖は
『愛してる』だった
嬉しかった
身内に愛されていても
自分の好きなものには否定的だったから
だけど飛鳥さんは俺と赤の他人にもかかわらず
自分の好きなものを否定しないで受け入れてその上
『愛してる』と言ってくれた
__そう言ってくれていただけ
最初は嬉しかった
だけど後々違和感を覚えた
この人は『愛してる』と言葉で言っているだけで
実際には愛してくれてはいないと
俺は『愛してる』って言う言葉じゃなく愛されてる実感が欲しかった
思い切って自分の本音も話、理由も聞いた
確かにそうかもと本当は言葉だけで愛していないことを認めた
だが理由は苦笑いをしはぐらかされ
違和感を感じたまま日々を過ごしていた時のことだ
飛鳥さんが自分の部屋で首吊り自殺をして亡くなったと聞いた
一瞬時が止まった
でも、すぐに理解できた
あぁ、もう限界がきたんだなと
前々から気づいてた
あの人は俺達にはわからない大きな闇を抱え1人虚無の世界で
彷徨っているのだと
気づいて、そのことも思い切って聞いた
だけど、その理由も教えてはくれなかった
あの時
嫌われてでも聞いていたら
諦めずに聞いていたら
あの人は亡くならずに済んだのかなと
後悔した
酷い罪悪感にも苛まれた
だけど後悔と罪悪感と同時に
『なんで』と言う疑問も浮かんだ
『愛してる』って言う言葉だけくれて本当に愛さないで
その理由を聞いてもはぐらかし教えてくれないまま死んだのは何故かと
それだけは今でも許してない
せめて理由だけは知りたかった
125♡