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月涙 “ ルウナ ”

え?

空月 “ アツキ ”

は?

月涙 “ ルウナ ”

(ここ、どこ?)

月涙 “ ルウナ ”

アキ、アキ、
何処にいるの?

怖い、1人にしないで。

僕を置いてかないで。

空月 “ アツキ ”

ルナ、ここ

空月 “ アツキ ”

ここに居るよ

アキは僕をギュ と抱きしめる。

月涙 “ ルウナ ”

アキっ、よかった

空月 “ アツキ ”

不安だよね、ごめんね

月涙 “ ルウナ ”

ううん、
アキと一緒なら大丈夫

空月 “ アツキ ”

一体ここは

ドラモンド

賢者様……!

月涙 “ ルウナ ”

ビクッ

空月 “ アツキ ”

誰?

ドラモンド

賢者様が
いらっしゃったぞ!

ドラモンド

魔法使いどもが召喚に成功した!

兵隊

賢者様ばんざい!

兵隊

ばんざい!

月涙 “ ルウナ ”

っ?

空月 “ アツキ ”

何?

ドラモンド

さぁさぁ
こちらへ賢者様

ドラモンド

ようこそ
来てくださいました

ドラモンド

私は中央の国の
魔法管理大臣

ドラモンド

ドラモンドと申します

クックロビン

ええっと

クックロビン

私は中央の国の書記官

クックロビン

クックロビンです

ドラモンド

さぁ、賢者様!

ドラモンド

魔法使いどもが
ここに来る前に

ドラモンド

中央の城にお連れしましょう

月涙 “ ルウナ ”

何がどうなってるの?

空月 “ アツキ ”

ドッキリ…とか?

月涙 “ ルウナ ”

有り得なくない?

ドラモンド

賢者様をお待ちしてたのです!

ドラモンド

賢者様には <大いなる厄災> と戦って

ドラモンド

世界を救って頂きます

月涙 “ ルウナ ”

は?

空月 “ アツキ ”

戦って世界を救うって…

ドラモンド

ご心配なく!

ドラモンド

危ないことは
ありません!

ドラモンド

戦うのは魔法使いどもです!

月涙 “ ルウナ ”

魔法使い…

空月 “ アツキ ”

魔法使いって

ドラモンド

えぇ

ドラモンド

ですが

ドラモンド

こやつらがまぁ

ドラモンド

猫のように言うことを聞かない連中でして

ドラモンド

何故か決まって昔から

ドラモンド

異界からやってきた賢者様の言うことしか

ドラモンド

聞かないんですよ

兵隊

ドラモンド様!

兵隊

ご報告が………

ドラモンド

なに!?

ドラモンド

魔法使いどもが!?

ドラモンド

まずいぞ

ドラモンド

アイツらがやってくる前にいそいで賢者様を

ドラモンド

丸めこ……

ドラモンド

ごほん!

ドラモンド

賢者様と親しくならないと!

ドラモンド

賢者様、中央の国の城へ急ぎましょう!

月涙 “ ルウナ ”

いやっ

空月 “ アツキ ”

ルナに触れるな

ボクたちの態度なんて 関係なしに取り囲んでくる兵隊。

月涙 “ ルウナ ”

(怖い。)

ドラモンド

力づくでも来ていただきますぞ!

ドラモンド

おまえたち!

月涙 “ ルウナ ”

空月 “ アツキ ”

ッチ

ボクたちが逃げようとすると、 兵隊は剣を抜き放った。

クックロビン

ドラモンド様

クックロビン

やりすぎなんじゃ……

ドラモンド

うるさい!

ドラモンド

悪いのは魔法使いどもだ!

月涙 “ ルウナ ”

月涙 “ ルウナ ”

(何時だって人は異物を嫌う。)

銀色の剣が物騒にギラギラ と迫る。

月涙 “ ルウナ ”

(本物だ。)

空月 “ アツキ ”

(これは、魔法を使うしか…。)

月涙 “ ルウナ ”

空月 “ アツキ ”

その時、窓の向こうの空から、 近づいてくる影が見えた。

箒にまたがって空を飛ぶ、 2人の青年たち。

月涙 “ ルウナ ”

(空を飛んでる。)

空月 “ アツキ ”

(空を…。)

カイン

ヒースクリフ

彼らは窓をすり抜けて、ボクたちの目の前にふわりと降り立った。

本物の風を巻き上げながら。

月涙 “ ルウナ ”

(まさか…。)

空月 “ アツキ ”

(魔法使い…?)

手品のように、一瞬で箒を消して、彼らがボクたちの両側に立つ。

カイン

おまえの
言った通りだな

カイン

ヒース

カイン

まさか、
魔法省のやつらが

カイン

賢者様をさらいに来るとは

ヒースクリフ

言っただろ

ヒースクリフ

……人間たちは俺たちを信用しない

ボクは驚き、交互に2人を見る。

背の高い、精悍な青年の方が、 ボクたちを振り返る。

その瞳は左右の色が違った。

カイン

あんたらが新しい賢者様か?

月涙 “ ルウナ ”

空月 “ アツキ ”

は?

カイン

俺は中央の国の魔法使い カイン

カイン

あんたらを守る騎士でもある

カイン

あんたらの名前は?

月涙 “ ルウナ ”

……る、月涙

空月 “ アツキ ”

空月

ボクは戸惑いつつも名乗る。

カインと名乗った青年は口端を上げて、笑顔を見せる。

カイン

月涙様、空月様

カイン

よろしくな

カイン

まずはこいつらをなんとかしよう

そう不敵に笑って、腰に下げていた剣を引き抜く。

他の兵隊たちの剣とは段違いの、見事な装飾と研ぎ澄まされた刃の、立派そうな剣。

月涙 “ ルウナ ”

(やっぱり。)

空月 “ アツキ ”

(本物の剣だよな?)

ボクが緊張を覚えると、兵隊たちの間にも動揺が走っていた。

兵隊

か、カイン騎士団長……

兵隊

カイン騎士団長だ……!

ドラモンド

ええい

ドラモンド

元・騎士団長だ!

ドラモンド

もうおまえたちの
騎士官ではない!

ドラモンド

カイン!

ドラモンド

大臣である私に
剣を向けるなど

ドラモンド

反逆罪で処罰するぞ!

カイン

俺だって老人を
脅したくはないさ

カイン

だが、
俺たちの賢者様に

カイン

妙な真似をするというなら

カイン

話は別だ

カイン

悪いが手加減は
しないぜ

兵隊

………っ

カイン

おいおい

カイン

二の足を踏むな

カイン

敵の気迫に飲まれるなと教えただろ?

カイン

腹を据えて、
向かってこい

カイン

相手が俺でもだ

カイン

── ほら来いよ
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