【 ナミダ 】
#05
ー 数日後 ー
あの一件があってから 俺は大晴くんとよく絡む様になった
朝は一緒に登校し
昼も必ず一緒に居る
大晴くんと話していると
今までの辛いことも忘れられ 心も身体も癒される様な気がした
大晴
蓮
川西
勿論、俺が大晴くんと 絡むのを好まない奴も沢山いる
川西
大晴
川西
川西
川西
蓮
いじめっ子
俺のせいで大晴くんにまで 辛い思いをさせてしまう
その度に俺の無力さを実感する
だが大晴くんは違った
大晴
大晴
大晴
大晴
大晴
こんな事を笑顔で言える大晴くんは 本当に強いと毎回思わされる
大晴
蓮
タッタッタッ…
川西
大晴
蓮
蓮
突然大晴くんに手で口を塞がれた
蓮
大晴
蓮
大晴
大晴
大晴
確かにそうかもしれない
けれど、
癖というより事実なのだから 仕方がない
俺がいじめられているせいで
ただ少しの関わりを持っているだけの 人にも危害が及ぶ
こんな俺を 責めない人間は居るのだろうか
いや、居るのかもしれない
こんな俺にずっと寄り添ってくれる
ずっと優しく支えてくれる
大晴くんが
蓮
蓮
大晴
大晴
蓮
気が付いた頃には 俺の頬に涙が流れていた
大晴
大晴くんは慌てながらも 俺の涙を拭き取ってくれる
涙を流したのは何時ぶりだろうか
悲しい気持ちになった時は 何度もあった
だが涙は出なかった
出なかったんじゃない
出さなかったんだ
いつしか俺は
涙を流してしまったら 負けだと思っていた
涙を流したら目の前の物に 敗北を認めたことになると思っていた
それだけは嫌だった
『あんな奴らに負けたくない』 『いつか見返してやろう』
そう思っていた
だが大晴くんには敵わない
俺は敗北を認めざるを得ない
大晴
大晴くんは優しい声で言う
あぁ…
もう敵わないや
蓮
俺は精一杯の笑顔で答えた
𝑒𝑛𝑑
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