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もう9月に入り始めた。
クラスメイト達が悲しみの態度を見せるのは最初だけ。
ほんの少し経っただけで皆元通りに戻るのだった。
クラスメイトの薄情さは逆に尊敬する。
私はと言うと、未だにフラッシュバックが止まらない。思い出す度息が苦しくなる。
レイの遺族からは"優しくしてくれてありがとうございます"と言われる。虐め殺したのは私なのに。
その度申し訳なくなる。 レイ━━━━━ レイにとっては私はいい人で終わったんでしょ?
ごめんね、私は貴方を苦しめた主犯だったの
やっぱり、貴方を思い出すと線路に立って悲しい目をする貴方が 思い浮かぶね。
『ユウはね、私にとってヒーローであり、親友なの!』
『ユウ、大好きだよ!』
お揃いのキーホルダー、ちぎれた部分を繋ぐけど、すぐまたちぎれて元に戻せない。
レイも戻ってきてくれないの?
永遠にちぎれたキーホルダーと、永遠に死んでるレイ。 なんだか似ているね
9月なのにまだ暑い。
……未練たらしく暑い9月と 8月の貴方を引きずる私。 ほんの少し、似てるね。
季節外れの今に、粘り強く鳴く蝉 これもまた私の鼓膜を突き刺すようだった。あの時もそうだった。
帰り道、貴方とここで話した話を思い出す。
『ユウはさ、なんであの時助けてくれたの?』
『もしかしたら、ユウが狙われるかもしれなかったんだよ?』
ユウ
私が虐めていたからだよ、なんて言える訳がなかった。
ごめんねレイ
レイは、ほんとに優しい子だよ
……
フラフラする。やけに暑いし、あの時を思い出して上手く歩けない
そのまま、堤防に座る。
ここからは海が綺麗に写る。 だからよくここで2人でサイダーを飲みながら話してたっけ
今では海が色褪せたように感じる
今更だね
今更悲しんでも…って、それは私もか
フラフラとした足取りで進む。貴方との思い出を辿るように。